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家電製品ミニレビュー
ツインバード工業「LK-H731」

~天使の輪が照らすデスクスタンド
Reported by 藤原 大蔵

ツインバード「LK-H731」
 デスクスタンドに用いられる蛍光灯は、少し昔なら直管タイプが一般的だったが、最近では蛍光管を折り曲げて、コンパクトに構成したU型やツイン型を用いたものが一般的になってきている。コンパクトな蛍光灯を用いることにより、その器具のデザインの自由度も大きくなり、消費者にとってはより魅力的な商品が売り場をにぎわせている。

 今回紹介するデスクスタンドは、直管タイプでもU型タイプも用いていない、サークル型蛍光灯を用いた、ある意味大胆不敵なデスクスタンドである。ツインバード「LK-H731」、その名も「ハッピーエンジェル」。メーカー希望小売価格は12,600円。Amazon.co.jpで6,980円で購入した。

 ハッピーエンジェルは、サークル型蛍光灯を用いているとはいえ、管の外径が225mm、断面の管径が16mmのスリムタイプを用いている。そして点灯管のいらない、ちらつきをおさえたインバーター方式を搭載している。特に特徴的なのは、サークル型蛍光灯を用いているため手元が暗がりになりにくい、目に優しいデスクスタンドだ。

 箱を開くとベース部と本体の2点が入っている。東芝ライテック社の蛍光灯「ネオスリムZ 3波長形昼白色(FHC20EN-Z) 20W型」は既に装着済みである。


グッとシンプルな構成だ
すがすがしい自然な色を演出する白色光の蛍光灯が同梱されている

 組み立ての手順はごくシンプル。

1.本体底についていたネジ3本をはずす
2.ベースを本体底面の取り付け穴に合わせる
3.はずしておいた3本のネジをコインなどで確実にしめつけ、できあがり

 特にマイナスドライバーなど用意する事なく、10円玉などで3箇所を確実にネジをしめれば完成する。非常に軽く扱いやすい。ベースはプラスチックでできており、ずっしり感はあまりない。安定性を多少心配しながらも、ラクに組み立てが終わった。


ネジは3箇所、確実にしめつける
底には転倒時に自動的に消灯するスイッチがあり、安全面に配慮されている

可動部分は2箇所

 アームは、もっとも机上面に近い状態から、垂直まで約55度、無段階で可動する。本体部分は回転しないので、置く場所によって、器具自体を回転させて設置する。


机上面まで約33cmぐらい
約40cmから、このぐらいの位置が机上で何かをするのに適切
机上面まで約53cmぐらい

 上記の画像では、アームの角度にあわせ、セードが机上面に平行になるように角度調整している。セードの上下の折り曲げは約140度無段階で可動する。アームをどの角度にしてもセードが机上面と平行に保てる範囲で動かせる。

 また、本体のアームやセードのバランスがとても良い。角度を変える時も、自分の望む場所で、きっちり止まるのでストレスがない。


一番折り曲げた状態。この位置だと壁面などに向け、間接光照明器具としても利用できそうだ アームとセードをこの位置にした時が高さが一番高く約70cmぐらいになる 調節するのにコインなどは必要ない

 調節ツマミは特にドライバーやコインなどを用意する必要はない。直径が約2.5cmの大きなツマミは、指だけで十分に調節できる。思い立った時に道具を探す事なく、即座に調節できるのは嬉しい。


明るさはどれぐらい?

誰にでもわかりやすいプッシュ式スイッチが採用されている
 蛍光灯の光量が安定するよう、10分以上点灯してから計測した。

 机上面に一番近い状態(約33cm)で1,750ルクス。机上面での作業に適切な40cmぐらいの位置なら1,220ルクス前後。机上面から最大に遠ざけた状態でも790ルクス前後あり、どの位置に設定しても本を読んだり勉強したりするのに十分な明るさが得られる。

 調光は一切できない。押すごとに点灯・消灯するシンプルなプッシュ式「ON/OFFスイッチ」が本体に付いている。


机上面まで一番近い状態(約33cm)で、約1,750ルクス ライトと机上面の最適な距離(40cm前後)で、約1,220ルクス 机上面まで一番遠い状態(約53cm)で、約790ルクス

手暗がりができにくい

 以前紹介した、ナショナルのデスクスタンド「SQ 825B」と手元の影のでき方を比較してみた。どちらも机上面40cmの位置にライトがくるように設置した。

 すると一目瞭然、ハッピーエンジェルは影のでき方が柔らかく、範囲も小さい。サークル型の光が手元を周囲から照らすのでこのような結果となった。

 光がどのように広がるか、壁面を照らしてみた。光の中心から円形状に光が拡散しているのがわかる。


ナショナルのデスクスタンド「SQ 825B」の場合。手元や、ペンの下にハッキリと黒い影ができている
今回の製品の場合。サークル型蛍光灯の採用で、手の下へも光が回り込み影が少ない
円形状にスムースに光が拡散している

ピアノライトとして

 このスタンドは影ができにくい点から、ピアノライトとしても最適だと考えた。

 一般的な家庭でピアノのある位置は、天井光を背にしている場合が多いだろう。楽譜に影ができたり、ライトで灯しても手暗がりになって鍵盤が見にくかったりする。楽譜も鍵盤も1つのデスクライトで照らしだす事ができる。しかも強い影ができにくいのはとても魅力的だ。

 アームを垂直近くまで起こして、光源が見えないようにセードを傾けても、高さ30cm以上ある楽譜がスタンドの下に余裕を持って照らし出されている。光の回り方が面に近いため、楽譜からの光の反射が気にならない。また、鍵盤上にも強い影ができにくく、快適な手元が確保できている。


光の広がり方が広範囲にマイルドに広がるので楽譜からの光の反射が気にならない
鍵盤上に強い影ができにくい

細かい作業や、撮影などに

 サークル型蛍光灯を採用しているこのハッピーエンジェル。当然ながら、ランプの中心は空洞である。その空洞は直径が15cm以上あり、そこから覗いて見えるものには影がほとんどできない状態で見える。

 例えばお年寄りが針に糸を通す時、刺さった棘を抜きたい時、細かーい作業が必要な時など、このデスクライトはとても重宝する。目と手元との間にこのライトを設置して利用するのも1つの使い方と言えよう。影が気にならない状態が簡単に得られるのはとても便利だと思う。ちょっとした撮影用の照明器具としても使えそうだ。


空洞の直径は15cm。しっかり光源がカバーされているので直接光源は目に入らない
穴から覗いて撮影。被写体に強い影がほとんどできない
針の穴もはっきり見える

蛍光灯が下の部分にもカバーがあり、指が入りにくい構造になっている
 製品の寸法は本体が260×500×420mm(幅×奥行き×高さ)。セードの径が260mm。重さは1.1kg強。アーム部分を持ってラクラク持ち運びができる。持ち上げてもセードやアームが自重で傾いてしまったりしないのも良い。また、全体の重さのバランスが良く、取り扱いやすい。軽いので、はじめに安定性を多少危惧していたが、直径220mmのベースは、セードをどの角度に傾けても倒れる事はなく、とても安定している。

 セードを動かす時など、ついついセード本体をつかんでしまいがちである。セード上部は完全にカバーされている。セード下部にも工夫があり、蛍光管に直接触れにくい構造になっている。器具を動かしたり、移動する時、つい蛍光管を触ってしまい、ヤケドなどをする心配はなさそうだ。


蛍光灯の交換も思いのほか簡単

 定格寿命が12,000時間という、寿命の長い蛍光灯が購入時から装着されている。一日に6時間使用するとしても、5年以上交換が要らない計算となる。とはいえ、やはり蛍光灯の交換が簡単なのに越した事はない。

 セードの、アームとの接合部にあるくぼみを押しながら上部セードを押し上げる。そうすると簡単にセードが外れてしまう。蛍光管が見えている画像の上部にある、ランプホルダーの金具に気をつけながら蛍光管を斜めに引き上げると簡単に蛍光管も外れてしまう。

 ランプを取り付ける時は、蛍光管の金具を、器具のソケットに斜め上から差し込む。蛍光管をランプホルダーにはめる。上セードを取り付ける。この工程だけで完了だ。

 余談だが、同梱されている取り扱い説明書もいたってシンプルで見やすい。それを見ながら簡単に蛍光管の取替えが可能だろう。


画像の指のある部分を押しながら上部セードを上げる
外れた部分を引き上げると簡単に上セードが外れる
新しい蛍光管に変える時は、金具をここに差し込む

子供っぽいデザインがちょっと気になる・・・

 購入したのはブルーのほかにピンクがある。どちらもパステルカラーとホワイトという色の取り合わせのみ。個人的にはちょっと子供向けっぽいデザインになっているのが残念。使い方によってはかなり活躍してくれそうなデスクスタンドなので、もう少し大人っぽい色合いの物があっても良いのでは、と思った。例えば全てホワイトにしてしまうとか、オールブラックにしてみるとか。それとも、わざとビビットな原色を使ってみるのも面白そうだ。

 調光はできないものの、デスクスタンドとしてはとても優秀である。光の拡散が広範囲に柔らかく行き渡る。インバーター方式を採用しており、チラツキが全く気にならず目に優しい。器具のバランスが良く、軽いのに安定性が良い。蛍光管に直接触れにくい構造になっているので、器具の可動も移動も安全に行なえる。また、可動を片手で行なえ、アーム、セードとも、止めたい位置でピタリと止まるのは気持ちが良い。多少デザインの好みが分かれてしまいそうではあるが、子供からお年寄りまで、安全で快適に使用できる、お勧めできる一品といえるだろう。





URL
  ツインバード工業株式会社
  http://www.twinbird.jp/
  製品情報
  http://www.twinbird.jp/product/lkh731/index.html

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2008/01/18 00:00

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