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家電製品ミニレビュー
三菱「ラクリアミスト SV-DK807」

~フィルターの掃除・交換が不要な加湿器
Reported by 平澤 寿康

本体正面
 今年は夏を過ぎても暑い日が続き、なかなか秋らしくならないと思っていたら、11月に入っていきなり本格的な冬のような寒さがやってきた。それとともに空気がからからに乾燥し、風邪を引きやすくなったり、肌がかさついたり、すぐに静電気が発生したりと、なにかとイヤなことが多くなる季節でもある。

 そのため筆者は、冬になると加湿器を必ず使うようにしている。ただ、加湿器を使っていて面倒に感じるのが、フィルターの手入れだ。一般的な加湿器では、1週間に1回の割合で加湿フィルターの掃除が必要とされているものが多いが、ちょっと掃除を忘れてしまうとすぐにフィルターが黒ずんでしまうことがある。

 また、加湿器を1シーズン使うと、加湿フィルターにカルキの結晶がこびりついて交換しなければならなくなる場合もあり、コストもかかってしまう。空気清浄機のフィルターのように、長期間掃除や交換が不要になればいいのに、と思っていたところ、三菱電機から加湿フィルターの掃除や交換が不要な加湿器が登場した、それが「ラクリアミスト SV-DK807」である。というわけで、さっそく導入して試してみることにした。メーカー希望小売価格は42,000円。ヨドバシカメラのネット通販で34,800円で購入した。


背面
左側面
右側面

右側面下部に湿度センサーが取り付けられている(スリットの部分)
本体上部
水タンク。容量は6.2Lとかなり大きく、広い部屋も余裕を持って加湿できる

 ではまず、SV-DK807の構造を確認していこう。

 本体サイズは、405×385×255mm(幅×奥行き×高さ)。適用床面積は、木造和室が13.5畳まで、プレハブ洋室が22畳までだ。プレハブ洋室で22畳までの加湿能力を持つ加湿器としては一般的なサイズと言っていいだろう。

 水タンクは本体正面に配置され、吸気口は本体背面に、排気口は本体左右の側面から上部にかけて用意されている。本体上部には操作パネルが用意され、電源や運転モードの切り換え、切タイマーなどのボタンが用意されている。また、本体正面下部には、現在の湿度を表示する7セグメントディスプレイが用意されている。


スイッチ類。電源ボタン、モード切換ボタン、切タイマーボタンが用意されている 本体正面の湿度表示ディスプレイ 本体背面吸気口にはフィルターが取り付けられている

 運転モードは3種類用意されている。湿度を50%ほどに保つ「自動運転モード」、のど粘膜の乾燥を防ぐ「のどガードモード」、肌の乾燥を防ぐ「うる肌モード」の3種類だ。のどガードモードは室温に応じてウイルスの活性度が低くなる湿度を保つモード、うる肌モードは設定湿度に比較的大きな上下幅を持たせ、定期的に運転停止することでジメジメ感を少なくするモードというように若干の違いがある。とはいえ大雑把には、双方とも室温に応じて湿度を50~75%ほどと、自動運転モードよりも高めの湿度に保つモードと考えていい。ただし、のどガードモードおよびうる肌モードでは、適用床面積が木造和室で6畳まで、プレハブ洋室で10畳までと狭くなってしまう。


【動画】加湿フィルターが回転している様子(WMV形式,591KB)
 SV-DK807の加湿方式は気化式だ。背面から吸い込まれた空気が加湿フィルターを通るときに水分を奪い取り、加湿された空気が排気口から吹き出すことになる。気化式では、スチーム式や超音波式などを採用する加湿器に比べ加湿能力が低いというイメージがあるかもしれないが、SV-DK807では、大型のファンを搭載して強い風量を確保することで、最大1時間あたり800mlと、優れた加湿能力を誇っている。

 もちろん、ヒーターを利用することがないため、消費電力は最大20W(50Hz時60Hzでは25W)と、非常に省エネだ。これなら、24時間連続で動作させたとしても、電気代はそれほど気にならないだろう。

 SV-DK807の加湿フィルターは、ドーナツ型のディスクを30枚組み合わせた、円形構造となっている。フィルター中心部にはファンが配置され、放射状に外に向かって空気を送り出すようになっている。稼働時には円形の加湿フィルターが回転して水トレイの水を汲み上げ、ファンによって送り出される風で加湿フィルター表面の水が気化し、加湿された空気が外に吹き出されるわけだ。

 加湿フィルターの構造は、幅が約42mm、直径が約348mmほどのドーナツ状のディスクが、約1mmほどの間隔で30枚並べられている。ディスク表面には、隣り合ったディスクと接触して貼り付かないように小さな突起が多数用意されている。また、ディスク表面は親水加工が施されているそうだ。ちなみに、ディスク自体は表面に細かな突起がある以外、見た目に特に大きな特徴はない。材質も一般的なABS樹脂でできてるようで、単なるプラスチック製のディスクという印象だ。


フィルターを外すと、ファンとドーナツ状の加湿フィルターが見える
加湿フィルターは、加湿用の水を貯めるトレイの上に置かれている
加湿フィルターは、30枚のディスクが約1mm間隔に並べられた構造になっている

ディスクはプラスチック製で、見た目は特に特徴はない
表面には隣のディスクと貼り付かないように突起が用意されている
加湿フィルター中心部のファン。かなり大きく、かなり強い風を生み出す

水タンク。上部にカルキ濃度の高い水を回収する部屋が用意されている(使用時には写真の上下逆向きとなる)
 では、なぜこの加湿フィルターが掃除・交換不要なのか。素材がプラスチックで、かつ表面に親水加工を施すことでカルキが付着しづらくなっているということも要因のひとつだ。しかしそれだけでなく、水タンクの構造に大きな秘密がある。

 SV-DK807の水タンクは、水を供給するだけでなく、加湿フィルターに水を供給するトレイに溜まっている水を回収する機能が備わっている。トレイの水は、加湿によって水が蒸発するにしたがって、蒸発しないカルキなどの不純物の濃度が高まっていく。このカルキ濃度の高まった水が、加湿フィルターを汚す最大の原因だ。つまりSV-DK807では、水タンクから水を供給するときに、カルキ濃度が高いトレイの水を吸い上げて回収することで、トレイの水のカルキ濃度を低く保ち、加湿フィルターを汚れにくくしているわけだ。

 実際に、1週間ほど連続で使用してみても、加湿フィルターのディスク表面にカルキの白い結晶は全く見られず、使い始めから全く変わっていないという印象だった。確かにこれなら、長期間のフィルター掃除や交換は必要ないのも頷ける。ちなみに、トレイから回収したカルキ濃度の高い水は、水タンクに水を補給する際に捨てることになるが、栓を開けて中の水を捨てるだけであり、特に面倒なことではない。少なくとも、定期的なフィルター掃除にかかる手間と比較すると雲泥の差だ。


加湿用の水がたまるトレイ。加湿フィルターの回転を助けるコロが見える
加湿フィルターは、この歯車によって回転する
トレイ底面には、菌の繁殖を防ぐ除菌ユニットが取り付けられている

 しかも、この仕組みによって、部屋の脱臭効果も上がっているそうだ。部屋から吸い込んだ空気に含まれるアンモニア臭などのニオイ成分を加湿フィルターの水分が奪い取り、奪い取ったニオイ成分がトレイの水にたまる。そして、濃度の高まったカルキといっしょにニオイ成分も回収されるというわけだ。

 筆者宅では、同時に空気清浄機も稼働させていたため、特に部屋のニオイがなくなったという印象はないが、単体で利用する場合には、かなりの効果を期待していいかもしれない。


このように、カルキ濃度の高い水を回収することで、加湿フィルターが汚れるのを防いでいる
左が加湿用の水を給水する部分の栓、右がカルキ濃度の高い水を捨てるための栓だ。給水時この栓を開け、たまっているカルキ濃度の高い水を捨てる手間がかかるが、定期的なフィルター掃除よりはるかに楽だ
筆者宅で「うる肌モード」で動作させた時の湿度の変化

 また、加湿能力についても申し分ない。18畳ほどの部屋で試してみたところ、湿度が33%ほどとかなり低い状態で運転を開始し、湿度が40%に達するまでに約20分、50%に達するまでに約65分ほどかかった(室温は22℃付近、ティアンドディの湿度計「TR-71U」を利用して測定)。この時、風量が最大となる強運転だった時間は10分ほどしかなく、それ以降は常に弱運転であった。部屋の広さを考えると、十分素早く加湿できていると言っていいだろう。

 ちなみに、この時の運転モードは、うる肌モードに設定していたため、適用床面積をオーバーしている状態だった。それでも、2時間ほど経過した段階で湿度は54%に達し、その後は58%前後で推移した。うる肌モードでは、室温が22℃付近の場合、湿度を55~65%の間でコントロールするようになる。適用床面積をオーバーしていることもあるのか、若干湿度が低めで推移しているが、個人的には常に50%台後半の湿度を保てているため、全く不満はない。

 唯一気になる点を上げるとすれば、強運転時の騒音が比較的大きいということだ。テレビが付いていても大きく聞こえる音で、これはかなり気になる。とはいえ、自動運転モードなどで強運転になるのは、湿度の低い状態で運転を開始した直後のみという場合がほとんどで、その後湿度が上がると、窓を開けて湿度が大きく下がったとき以外は強運転に切り替わることはまずない。

 弱運転であれば、テレビが付いていると音は全く聞こえず、夜中でもほぼ気にならないレベルなので、実際には騒音に不満を感じることはほとんどないと考えていいだろう。

 優れた加湿能力はもちろん、フィルター掃除の手間やフィルター交換によるメンテナンスコストがほとんどかからないという点は、一般的な気化式加湿器にはない大きな魅力だ。

 これから加湿器を購入しようと考えている人はもちろん、加湿器の買い換えを考えている人にもおすすめだ。また、ちょうど手持ちの加湿器のフィルター交換をしようと思っていた人も、思い切ってSV-DK807への買い換えをおすすめしたい。





URL
  三菱電機株式会社
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  製品情報
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/home/kashitsuki/index.html
  加湿器関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/air.htm

関連記事
三菱、フィルターのメンテナンスがいらない気化式加湿器(2007/08/20)



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2007/12/13 00:05

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