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京セラ「セラミック調理なべ」
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鍋を囲むのは、冬ならではの楽しみの1つだ。鍋とコンロさえあれば、手軽に鍋パーティが始められる。みんなで箸を出し合い、作りながら食べていると、いつもより会話もはずむ。
鍋に使う土鍋も、最近はオール電化などの熱源の多様化で、ガスコンロとIH調理器の両方で使えるものが増えているという。そんな中、IHやガスコンロだけでなく、電子レンジなどのすべての熱源に対応するという調理鍋が登場した。京セラの「セラミック調理なべ」だ。
セラミック調理鍋には大と小がある。5~6人で鍋を囲むなら大きい方、小さい方は2~3人用といった感じだ。鍋をする時だけでなく、普段遣いの鍋としても重宝しそうである。メーカー希望小売価格は大が21,000円、小が16,800円。ショピングサイト「買物市場」で、同額で購入した。
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鍋の内側の様子。鍋全体に光沢があり、ツルツルしている
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鍋の裏側の様子
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蓋の裏側。水分を循環させるための突起がある
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● ガスコンロ、IHコンロ、電子レンジなど、すべての熱源で使える
セラミック調理鍋は色は白で、ガラスセラミック製になっている。表面に光沢があり、触るとツルツルだ。蓋は陶磁器製で、これは、緑と黄色のカラーバリエーションがある。
大きい鍋は、直径が25cmで容量は4.6L、重さは2.5kg。内側にキャベツがすっぽり入る。小さい鍋は、直径が20cm、容量は2.4L、重さは1.68kg。円周がキャベツと同じぐらいの大きさだ。
この鍋の一番の特徴は、どんな熱源でも調理できることだ。直火、IH、電子レンジ、オーブンなど、調理で使うあらゆる加熱に対応している。IH調理器で使える鍋なら、直火とIHの両方で使えるが、セラミック調理鍋はこれらに加え、電子レンジやオーブンでも使うことができる。
そのほかにも、ラジエントヒーター、ハロゲンヒーター、シーズヒーター、エンクロヒーターなどでも調理が行なえる。まさにオールマイティーの鍋なのだ。ただ、1つ注意したいのが、IH調理器での使用だ。200VのIH調理器で使う場合は、中火以下(1,400W以下)で使用しなければいけない。
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大きい方は、直径25cm、容量4.6L、重さ2.5kg。大きい土鍋より一回り小さい
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大きい方の鍋は、中にキャベツがまるごと入る
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小さい方の鍋は、直径20cm、容量2.4L、重さ1.68kg。外側がキャベツと同じぐらいである
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ガスの直火ももちろん問題なく使える
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使用できる鍋が限定されているIH調理器も使用できる
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それ以外の特徴として、土鍋に匹敵するほどの高い温性・蓄熱性がある。また、セラミック製なので、遠赤外線の効果で食材を中までじっくり火を通すことができる。
さらに、鍋の蓋にも工夫がある。鍋の裏側に突起があり、加熱して食材から出た水分が水蒸気となって蓋の裏側につくと、この突起から、水滴として滴りおちて、ふたたび食材に戻すという。これによって旨味が逃げることなく凝縮され、鍋の中で循環するのだという。
● 色々な調理を作ってみる
さっそく使ってみた。今回は大きいほうの鍋でカレー鍋を作ってみる。熱電源はIH調理器を使用した。
カレー鍋は和風だし汁にカレー粉を入れて作る鍋だ。今回はウィンナーなど洋風の具材のほかに、しゃぶしゃぶ用の薄切りもちと油揚げ、豆腐を足して作った。
セラミック調理鍋に出し汁を入れてそこにカレー粉を加える。鍋のスープはこれで完成だ。卓上IH調理器の上に置いて、加熱を始める。IH調理器の鍋の識別にひっかかることなく、ちゃんと加熱することができた。
20分ほどで煮立ってきて、食べごろになった。いろんな食材があるのに、時間差をつけず、一度に入れてしまったのが、全部ちゃんと煮えている。できあがったカレー鍋を味わうと、スパイスに刺激されて箸が進み、体もあたためることができた。
心配していたのは、カレーの色素が白い鍋に移ったりしないかなということだったのだが、食器用洗剤であらうとスルンときれいに落ちた。
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今回のカレー鍋の具材
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カレー味のだし汁に、具材をいれる
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IH調理器のスイッチをいれ、煮立った様子
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次に、直火でホワイトシチューをつくってみる。
ホワイトシチューの材料を入れ、トロ火でコトコト煮る。すると、トロ火でも中のシチューはしっかり煮立っている。火を消した後も、しばらくの間、中のシチューは煮立ったままだ。普通の鍋でも、火を消した後、残りの熱で数分、煮立つことはあるが、セラミック調理鍋の場合は、より長い時間煮立っている。蓄熱性・保温性に優れているというのがよくわかる。
かなり長時間煮詰めていたのだが、直火の炎で白い鍋の外側や底面が黒くなってしまうということはなかった。
次に鍋を電子レンジで使ってみる。付属のレシピを見ながら、電子レンジでおこわを作る。小さい方の鍋を使った場合、もち米の分量は2カップ分なので、人数にすると3人分だ。
具材を細かく切って、調味料と一緒に鍋の中のもち米に混ぜる。セラミック調理鍋を電子レンジに入れてから途中、3回ほど鍋を取り出して中のもち米をかき混ぜる。最後に10分蒸らすしてできあがりだ。食べてみると、お米はもちもちしていて、中に芯があるということもなくちゃんと味が染みている。
調理中、鍋の両側の取っ手を持ってみると、素手ではさすがに持てないが、それほど熱くない。触ると火傷するというような熱さではなく、持ち運んでる間に、だんだん熱くても持てなくなる感じだ。IH調理器や、ガスコンロの直火、それに電子レンジで調理した時も、取っ手が熱々になって、火傷をするようなことないので、使い勝手がよい。
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おこわの具材
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小さく切った具材を、鍋の中のもち米に混ぜる
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電子レンジに入れる前の様子
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温めている途中で中をかき混ぜる
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できあがったおこわ。芯までしっかりと火がとおっている
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この鍋は素材が酸・アルカリに強いので、キッチン用の漂白剤で除菌・漂白できるという。これまで鍋を漂白するという発想はあまりなかったが、この鍋は色が白なので、漂白できるというのはありがたい。
● 白い鍋というデザインが、洋風・和風どちらにも合う
最初は、どの熱源でも使えるという機能に惹かれて購入したのだが、意外に気に入ったのは鍋のデザインだ。色が白なので中の食材の色が際立って見える。このまま食卓に置いても、違和感がない。白い鍋はきれいだけれど、内側にシチューや調味料の色がついたり、外側は炎の跡がついてしまうのではないかと思ったのだがその問題もなかった。
セラミック調理鍋は、土鍋に近い感覚で使える。鍋に重さがあり、蓄熱性・保温性に優れて、熱くなっても取っ手の部分を火傷をせずに触ることができるなど、特徴が土鍋に似ているのだ。
小さいサイズの鍋は、電子レンジでも使える特徴を活かし、独り暮らしの人にもおすすめだ。料理を多く作りすぎてしまったときもそのまま冷蔵庫にいれて、あとで電子レンジで再加熱することができる。
最近の賃貸住宅はキッチンの熱源も多彩で引っ越す度に、熱源が違うなんていうことも珍しくない。この鍋ならば、どんな熱源にも対応しているので鍋を買い換える必要がない。
土鍋と比べると価格は高めだが、長く使えることと、鍋以外の色々な調理に使用できることを考えると、それほど高い値段ではないように感じる。造りもしっかりしていて、メンテナンスも簡単だ。長く使える鍋を探している人にはおすすめだ。
■URL
京セラ株式会社
http://www.kyocera.co.jp/
製品情報
http://www.kyocera.co.jp/prdct/fc_consumer/kitchen/g_pan.html
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2007/12/12 00:16
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