今年も残すところあと数週間となったが、読者諸兄は来年のカレンダーはもうご用意されただろうか。銀行や酒屋さんから無料で貰えるようものあれば、スポーツ選手やアイドルの写真がプリントされたもの、はたまた日めくりタイプなど、カレンダーの種類は豊富にある。しかし、たくさんありすぎて何を選べば良いかわからず困ってしまうこともある。
今回は「年末特別企画」と称して、そんなカレンダーの中から、編集部員がセレクトした個性的な4製品を、以下に紹介する。この中から、2008年における“1年限定のパートナー”が見つかれば幸いである。
■ 味の素コミュニケーションズ「カレンダー ハーブ」 by 伊達 浩二
■ タカラトミー「人生ゲームカレンダー」 by 伊藤 大地
■ トライエックス「卓上 ザ・10万円カレンダー」 by 正藤 慶一
■ 秋山ワークス「歴誕(れきたん)」 by 阿部 夏子
● 吊るすだけで消臭効果を発揮 「ヴィータ・ロッサ カレンダーハーブ」
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味の素コミュニケーションズ「カレンダー ハーブ」
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味の素の関連企業である味の素コミュニケーションズは、毎年「赤い手帳」という婦人物の手帳を出している。
この赤い手帳の30周年を記念して、赤を基調としたブランド「vita Rossa(ヴィータ・ロッサ)」が立ち上げられた。ヴィータ・ロッサでは、オリジナル製品としてカレンダー、スケジュール帳&マイバックなどが、セレクション製品としてル・クルーゼの鍋やキッチングッズなどが販売されている。
今回紹介するのは、オリジナルカレンダーのうち「カレンダー ハーブ」という製品だ。販売は赤い手帳サイトからの直販となり、価格は送料込みで1,000円だ。
ハーブカレンダーの最大の特徴は、用紙に光触媒紙を使っており、壁にかけておくだけで消臭効果があることだ。光触媒紙は、紙の表面に二酸化チタンを定着させており、太陽や蛍光灯の光を受けるとニオイの成分を炭酸ガスと水に分解する。シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドも分解するという。
カレンダーとしての仕様は、1枚1月となっており、上半分に写真家の山本弘之氏によるハーブの写真が入っている。サイズはA4なので、297×210mm(縦×横)と一般の壁掛け用としては小振りな大きさだ。キッチンに掛けることが想定されているらしい。用紙は白の部分が多く、上端の赤い綴じクリップと、ハーブの緑が映えて、センスの良い仕上がりだ。
正直なところ、数日掛けておいたぐらいでは、消臭効果についてははっきりとした効果は感じられなかったが、このすっきりとしたカレンダー自体が、部屋の印象を明るいものにしてくれる。
小振りな割りに白い余白が広く予定などの書き込みもしやすいので、キッチンだけではなく、各人の個室に下げてもよいと思う。
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本体に同梱されていた、光触媒マットコート紙の説明。室内や太陽の明かりを利用して、タバコや汗、ペットなどのニオイを分解する
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1月のページ。写真家の山本弘之氏によるハーブの写真が毎月掲載されている
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日付表示はシンプルでわかりやすい
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3月のハーブは、カレーの香りがする「カレープラント」
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■URL 株式会社 味の素コミュニケーションズ http://www.ajicom.co.jp/ 製品情報 http://www.akate.jp/vitarossa/original/herbs.html
(編集部:伊達 浩二)
● 1日1回のお楽しみ、エンタメ系カレンダー「人生ゲームカレンダー」
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タカラトミー「人生ゲーム 毎日エンジョイカレンダー」
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「最近、紙のカレンダーって使ってないなぁ」
よくよく考えてみると、業務管理からプライベートまで、時間の絡む情報はすべてGoogleカレンダーに移してしまった昨今、紙のカレンダーと向かい合う機会というと、実はトイレくらいしかない。仮にオフィスの机や、自宅の机の上に置いたところで、ホコリをかぶるのが関の山だろう。だったら、自宅のトイレに飾るのにふさわしいカレンダーはないか――そう思って選んだのがタカラトミーの「人生ゲーム 毎日エンジョイカレンダー」だ。東急ハンズで、定価の2,940円で購入した。
「人生ゲーム」は、言わずと知れたロングセラーのボードゲーム。これはそのエッセンスとなる部分をカレンダー化した製品で、毎月のカレンダーをゲーム盤に見立てて、1日1回、ルーレットを回し、イベントに応じてお金をもらったり、払ったりしながら、2008年の大晦日に、持ち金の最も多い人が勝ちという丸一年間、毎日ゲームを楽しめるカレンダーである。
昔、人生ゲームでよく遊んだ世代としては、とにかく、ルーレットの再現度が高いのがうれしい。ルーレットに手で触れ、回る音を聞き、自分の手でコマを動かす感覚は、ビデオゲームとはまた違った楽しさがある。クルマの形をしたプラスチック製のコマやお札も健在だ。
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上側にルーレット。下側がカレンダー兼ゲーム盤になっている
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ところが、このカレンダーは双六形式を取っていない。たとえば1月1日を迎えた場合、すべてのプレーヤーの駒は、1月1日の位置に置かれ、駒の位置に差が出ない。そのかわりに、1月1日のマスには「お年玉GET!」とイベント名が書かれ、ルーレットを回して出た目に応じて、「$200もらう」など、持ち金が変動するようになっている。
こうした日々に割り振られたイベントも楽しみの1つで、カレンダーらしく季節感を表している。正月ならば「お餅」、4月には「お花見」、8月には「オリンピック観戦」なんてものもある。
一見すると、カレンダー本来の機能である日付の確認がしにくいようにも思える。たしかにパッと見の視認性は決して良くないのだが、毎日遊ぶとコマを常にその当日のマスに置くことになるため、思ったより悪くない。
当然のことながら、まだ本格的に使用していないわけだが、このカレンダー、私はトイレ向きだと確信している。1日に1回、そしてトイレの中でルーレットを振るだけで家族とボードゲームができる。時にはルーレットの結果が、家族の話題に上ることもあるだろう。これは立派なコミュニケーションツールではないか。
コミュニケーションを生むカレンダーとしては、みんなが予定を書き込むものがあるが、正直、書く内容がなければコミュニケーションも生まれない。この人生ゲームカレンダーなら、なにも考えずにただ1日1回、ルーレットを回せばよいのだ。
ああ、早く来い来い、お正月。
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ルーレットの目だけ進むのではなく、ルーレットの目でイベントが発生し、お金を支払ったり、貰ったりする
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オリンピックネタなど、2008年ならではの要素も盛り込まれている
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誕生日や記念日、ボーナス支給日など自分だけの特別な日をシールで追加できる
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■URL 株式会社タカラトミー http://www.takaratomy.co.jp/ 製品情報 http://www.takaratomy.co.jp/products/jinsei/product/calendar-wall/index.html
(編集部:伊藤 大地)
● 1年経ったら10万円が貯まる!? 「卓上 ザ・10万円カレンダー」
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トライエックス「卓上 ザ・10万円カレンダー」
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ここ1、2年は「今年こそは貯金して液晶テレビを買うぞ!」と意気込んではいるものの、実際に貯められた試しなど一度もない。何しろ、子供の頃から貰ったお年玉はすぐに使い果たしていたのだから、計画的な貯金をする習慣がそもそも備わっていないのである。
そんな計画性のない私にピッタリのカレンダーがあった。トライエックスの「卓上 ザ・10万円カレンダー」だ。卓上型のカレンダーなのだが、日付のスペースには、コイン大の穴が開けられている。ここにコインを毎日1個ずつはめて続けると、1年を終える頃には10万円がいつのまにやら貯まっているというものだ。Amazon.co.jpで、2,100円で購入した。
穴は大小2つがあり、それぞれ500円玉・100円玉を毎日交互に入れる。500円玉は数が少ないので使いづらそうだが、買い物でおつりを貰うたびに「あっ、500円玉……カレンダーに入れとかなきゃ」といったリマインダーとしての効果を期待したい。
試しに1月のカレンダーにコインをセットしてみる。すると、カレンダーの表面にズラーッと「100」「500」の数字が整然と並ぶ。凛々しい出で立ちだ。この完成した画をイメージすれば、毎日地道にコインをはめる作業も楽しくなりそうだ。
ちなみに、コインはピッタリとカレンダーに張りついているため、取り出しにくい。コンビニでジュース買うのにちょっとだけ使っちゃおうかな、と魔がさした時も、弱い心を追い払ってくれそうだ。
ということで、今年はこれで貯金に挑戦する。2008年が明けた2009年頃には、「家電製品ミニレビュー」「やじうまミニレビュー」の記事中、我が家で撮影した写真の片隅に、大きくてきれいな液晶テレビが写り込んでいるのを目にするはずだ。もし、そこに写っていたテレビがブラウン管だったら……その時は「やっぱりアイツだめだったんだな」と判断していただきたい。
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小さい穴には100円玉を入れる
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大きい穴には500円玉をセット
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試しに2008年1月のシートにコインを入れてみた。「100」「500」という数字が整然と並ぶ姿はまさに壮観。なお、毎月月末は金額調整のため「休貯日」となる
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月が替わるごとに、本体内部のシートを交換する
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はまったコインはなかなか取り外せない。コンビニに行くついでにちょっと拝借、なんてことは難しい
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10万円が貯まるのは、2008年12月29日。貯まったその日のうちに電気屋さんへ突っ走ってしまいそうで怖い
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■URL 株式会社トライエックス http://www.try-x.co.jp/
(編集部:正藤 慶一)
● 偉人の功績を毎日の誕生日で学ぶ「歴誕(れきたん)」
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秋山ワークス「歴誕(れきたん)」
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私が選んだ2008年のカレンダーは歴史人物誕生日カレンダー「歴誕(れきたん)」だ。このカレンダーは、毎日その日生まれた歴史上の人物が、ミニ解説と一緒に載っているというもの。
購入した理由としては、単純に歴史が好きだから。
昔から歴史が好きで、(もはや死語だが)ガングロ女子高校生の頃から、日本史の成績だけはいつも良かった。自分が生まれるはるか前昔の先人たちの偉業に思いをはせると途方もなくて、なんだかゾクゾクしてくる。偉大な歴史上の人物は今の私からみればするとすごく遠い存在だ。
それがこのカレンダーの偉人たちを見ていると、誕生日が同じだったり近かったりするだけで不思議な親近感が沸いてくる。愛嬌のあるイラストもその一因かもしれない。
例えば、私と同じ誕生日は空海だった。もちろん今の自分とは天と地ほどの差がある偉大な人物なのだが、同じ誕生日というだけで空海も自分と同じようなところがあったのかもしれないなどと勝手な妄想を始めてしまう。
このカレンダーは人物の誕生日のほかに、その功績などの解説も一緒に載っている。なにしろ、365人もの人物が載っているのだから、当然知らない偉人もでてくる。この解説を読むと、ちょっとした勉強にもなる。
最後に1つ注意しておきたいのが、暦だ。日本では明治時代に旧暦から新暦の切り替えが行なわれている。つまり、明治5年以前の誕生日は、今の新暦ではずれてしまう。しかし、このカレンダーでは明治5年以前の誕生日は旧暦のままで表示されていて、元号による表示の横に相当する西暦がカッコ付きで添えてある。
最初は自宅のトイレにでも貼って、地味に一人で楽しもうと思っていたのだが、会社に持ってきたところ想像以上にこのカレンダーで盛り上がってしまった。ちなみに我が編集部は、空海、ヘミングウェイ、ルイ14世となかなかの大御所揃いだった。「やっぱりな」などと、皆で根拠のない自尊心を育んでいる。
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写真は2月のカレンダーのようす。見開きページにイラストがズラリと並ぶ
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イラストともに、功績や逸話などの解説も記載されている
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「豊臣秀吉」「ジャンルダルク」など、人選は国内外を問わない
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カレンダー下部の、偉人による名言
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索引もある
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背表紙には「聖徳太子」「コロンブス」など、誕生日が不明の偉人も紹介されている
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■URL 有限会社秋山ワークス http://www4.osk.3web.ne.jp/~works501/ 製品情報 http://rekitan.net/
(編集部:阿部 夏子)
2007/12/12 00:14
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