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やじうまミニレビュー
アサヒペン「UVカット超強プラスチック障子紙」

~猫の爪に耐える障子紙を探す
Reported by 本誌:伊達 浩二

猫と障子は相性が悪い

アサヒペン「UVカット超強プラスチック障子紙」
 我が家には一部屋だけ和室があり、ベランダに面した窓には障子(しょうじ)がはまっている。

 ごくありふれた素材の安物だが、光は通すが視線は通さないという障子の特徴は、独特の良さがある。そこに投じる影がベランダの洗濯物であっても、そこに投じる光が街道を行くトラックのヘッドライトであっても、外界と室内を微妙に隔ててくれる距離感が好ましく感じられる。

 ところが、新参の家族である猫の鉄蔵にとっては、障子は格好の遊び道具に見えるらしい。半分開けてあると、横から飛びついて、障子紙に爪を立てては細く長い穴を開ける。爪のひっかかり具合が面白いのだ。さらに、それを繰り返して、障子紙が破れはじめると、破れ目に揺れる障子紙に誘われて、どんどん穴を拡大していく。「たいへん困るので止めるように」と何度か説得した結果、建具には爪を立てないようになったのだが、障子紙で遊ぶことはなかなか止めてくれない。あきらめて障子紙を貼り替えても、1カ月とたたないうちに、また穴を開けてしまう。


鉄蔵の乱行の例1。何度も同じ場所に飛びかかる 鉄蔵の乱行の例2。床に近い部分をキックで蹴り破る 鉄蔵の乱行の例3。爪を立てたまま、ずり落ちるので、長い傷が残る

 そして、やっと見つけたのが、アサヒペンの「UVカット超強プラスチック障子紙 」という製品だ。購入は楽天市場で、価格は1枚1,134円(送料別)だった。


パッケージ全景。長さは約1mあるので、持ち運びには注意が必要だ パッケージは紙筒になっており、丸めた障子紙が入っている 1枚の障子紙で、94×215cmまでの障子が1枚貼れる

樹脂コートで丈夫な障子紙

 紙は1枚で94×215cm(幅×長さ)の大きさがあり、障子1枚分ある。障子は2枚だが、失敗の可能性を考えて購入は3枚にした。柄は無地/雲竜/桜花とある。あとで傷の修復で、一部だけ張り替える可能性があるので柄物を避けて無地にした。

 この製品の特徴は、障子紙の裏表に樹脂がコートされていることだ。障子紙を芯にして、15μmのポリエチレン(PE)を裏表に貼り、さらに20μmのポリプロピレン(PP)を貼っている。つまり、1枚の紙のように見えるが、構造は5層になっているのだ。


障子紙のアップ。よく見ると紙の繊維が見えるが、光が強く当たると表面が反射する。無地ということもあって、さっぱりとした印象の紙だ パッケージにある図のように障子紙は5層構造になっている。また、紫外線は約95%カットされることが示されている

 こういう構造を知っていると、雑誌の表紙のような厚紙や、壁紙のような外観を予想してしまう。しかし、手にしてみると、表面はすべすべしているのだが、紙の部分の繊維が見えるので、ちゃんと障子紙に見える。建具に詳しいような人には気になるかもしれないが、日常生活の空間で違和感を感じるようなことはないと思う。


貼り付け作業は新体験

 では、手順を追って、障子紙の張り替え作業を進めよう。

 まず、とりはずした障子を床に置く。このとき、床の周囲はよく片付けておこう。

 以前の障子紙は紙製で糊で貼り付けているので、市販の「障子はがし剤」を糊の部分に塗ってしばらく待つ。頃合いをみて、隅から順番に障子紙を剥がしていく。障子紙の剥がし残しがないように、残った部分は爪や柔らかいプラスチックの板などで剥がす。また、水分が残っているとあとの作業に差し支えるので、よく拭き取っておくと良い。


アサヒペン「障子はがし剤」。楽天市場で300円ぐらいだった 古い障子紙に「障子はがし剤」を塗っていく 「障子はがし剤」は、これぐらい思い切ってひたひたに塗ること、ケチるときれいに剥がれない

しばらく時間を置いて、端から剥がしていく うまく行くと、このようにきれいに剥がれる

 次に、新しく貼る障子紙の位置を決める。

 私の子供の頃の障子紙は、幅が約30cmほどしかない巻物のような構造で、障子の桟(さん)に合わせて、何回かに分けて糊で貼っていた。1枚の障子を貼るのに、5~6枚の障子紙を貼っていたと思う。しかし、最近の障子紙は「一枚貼り」と言って、1枚の大きな紙をべったりと貼り付けてしまう。一枚張りは貼ったときにはきれいに仕上がるが、最初の位置を間違うと、最後のほうでは障子紙が桟からはみ出してしまうのだ。


アサヒペン「超強プラスチック障子紙専用両面テープ」。今回は障子紙とセット販売されていた
 いったん、障子紙のロールをゆるめて、一番上を押さえながら、一番下まで転がして行く。障子紙が障子と平行になるように、上端を正しい位置に調整して、スコッチテープなどで固定する。3~4カ所固定しておけば良いだろう。

 さて、普通の障子紙なら、ここで桟に糊を塗るのだが、今回の「UVカット超強プラスチック障子紙 」は、表面に樹脂がコートされているので、糊が使えない。なんと、両面テープで貼り付けるのだ。ここが今回、一番のカルチャーショックだった。

 使用した両面テープは専用のもので、障子紙とセットで販売されている。普通の両面テープよりもずっと幅が狭く、細い桟でも、そのまま貼れる。

 テープを貼る順番は、まず縦の外枠を貼り、次の横の桟、最後に縦の桟、と指定されている。我が家の障子は横の桟しかないので、ちょっと楽だ。

 床に障子を置いて、両面テープを貼る作業をすると、障子の中に足を踏み入れることになる。このとき、桟を折らないように注意しよう。我が家の建具などは、柔らかく強度のなさそうな素材なので、ちょっと踏めば、たちまち折れてしまいそうだ。障子紙に関したことは、たいてい取り返しがつくが、桟を折ると、見栄えも良くないし、修復の手間もかかってしまう。


桟の水気はよくぬぐっておく。水気が残っていると両面テープがうまく貼れない 障子紙が障子と平行になるように位置決めしてから、両面テープを貼り始める 縦の端が貼れたら、横の桟に貼っていく

両面テープが交差するところは重ならないように切る 障子の下端の部分は、障子紙が長くなるので、横のテープを2本貼って強度を確保する 両面テープを全部貼り終わったら、裏側の紙を剥がしていく

 両面テープを貼り終えたら、順番に両面テープの背面の白い紙を剥いでいく。これを全部剥ぎ終わったら、障子紙をころがしながら接着していく。ころがすときは、とにかくゆっくりと、しわにならないように確実に貼り付けていく。一番下の両面テープの部分まで貼り付ければ終わりだ

 最後に、はみ出した障子紙を定規をあてながらカッターで切り落とす。1枚貼りの障子紙は、どんな障子にでも合うように大きめのサイズになっているので、少なくとも縦方向は切り落とすことが多いだろう。

 カッターを使うのが面倒ならハサミを使っても良い。カッターで切るときも、あまり厳密にまっすぐに切ろうと思わずに、はみ出さない程度になっていれば上々だ。ギリギリをねらいすぎると、カッターで障子紙に穴を開けてしまうことがある。やり過ぎそうになったら、「表から見ればわからない。反対側から見ればわからない」と唱えることをお勧めする。


障子紙がずれないように、ゆっくりと貼り付けていく 下端の部分は余分が出るので、ハサミで切ってしまう 右の部分も少し余分が出るので、こちらはカッターで切る

 さて、普通の障子紙の張り替えであれば、このあと、霧を吹いて障子紙を湿らせてたるみをとるのだが、今回は樹脂貼りされている防水紙なので、それができない。これで終了だ。


従来製品より丈夫

完成の図。ベランダの洗濯物が映り込んでいる
 障子の張り替え作業自体は2枚で1時間かからなかった。1枚目は初体験のことが多くて、説明書を読みながらで時間がかかったが、2枚目はとても早くできた。3枚目を立て続けにやっていたら10分ぐらいでできただろう。

 ともかく、これまでの障子紙とは違うことも多いので、よく説明書を読んで、そのとおりの手順で作業することをお勧めする。下手に前の知識にとらわれると、びっくりすることが多い。

 今のところ、鉄蔵はおとなしくして様子をうかがっているようで、爪をたてていない。こちらが、障子紙に注意を払っているのを読み取って警戒しているようだ。鉄蔵の爪が障子紙に立ったかどうかは、また機会をみてお知らせしよう。もう1つ、この障子紙は吸水性がなく水をはじくので、冬にはガラスのように結露する可能性がある。それも確認してみたいと思っている。

 まだ未知数の部分は残っているが、張り替え作業をしただけでも、この障子紙が従来の障子紙よりもずっと丈夫であることは体感できた。お子さんやペットと障子の共存に悩んでいるご家庭では試してみることをお勧めしたい。





URL
  アサヒペン
  http://www.asahipen.jp/
  製品情報
  http://www.asahipen.jp/product/detail.php?top_cat=04&cat=04&middle_cat=01&item_code=20233



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2007/10/31 00:01

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