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【特別企画】
食卓で映える電球型蛍光灯を求めて

Reported by 藤原 大蔵

そろそろ白熱灯にさようなら

 昨今、消費電力量の多い白熱電球から、より消費電力が低い電球型蛍光灯に切り替えようという動きをよく耳にする。

 とはいえ、家に戻り部屋の灯りのスイッチを押した瞬間に、さっきまでいたオフィスや、人が行き来する駅、電車内を照らしていたのと同じ、白色蛍光灯が自分の部屋を煌々と照らし出すのがどうも苦手だ。

 白熱灯が持つ、温かみのある落ち着いた光色こそ、くつろぎの部屋にふさわしい。あのポンワリとしたナス型の丸みを帯びた白熱灯のあの形こそ、エジソンの時代から人々に愛されてきた、明かりらしい、やさしいカタチだと感じている。

 そこで消費電力も少なく、電球色のある、電球型蛍光灯である。1980年代に登場した電球型蛍光灯は、現在より小さく、軽く、形も白熱灯に近いものに進化した。光色も電球色が当たり前のようにラインナップに加わっている。

 かつて、電球色の電球型蛍光灯が登場した時、白熱灯好きとして思わず飛びついて購入したが、これがひどいシロモノだった。白色蛍光灯に黄色を塗りこみ、無理やり白熱灯の色を演出したかのような色合いなので、自分の手も白い壁も、黄色く照らし出してしまうのだ。

 一番困ったのが食事の時だ。炊き立てのごはんなのに、何時間も保温されたように黄ばんで見えてしまうし、肉はなんだか痛んだかのようだ。さらには、お刺身も――と、とにかく何もかも黄色に映し出してしまうのだった。やっぱり電球色を蛍光灯に要求するのはムリなのか、とガッカリした記憶がある。

 そこで、引越しを契機に、電球を最新型の電球型蛍光灯に変えることにした。東芝ライテック、ナショナル、NECライティングの電球型蛍光灯・電球色を購入し、どれが自分に合うか、試してみることとした。購入したのは最も一般的と思われる、60W型タイプだ。

【今回購入した電球型蛍光灯】
メーカー製品名型番消費電力希望小売価格購入価格
東芝ライテックネオボールZリアルEFA15EL/12-R12W1,890円850円
ナショナルパルックボールプレミアEFA15EL/10H10Wオープンプライス1,060円
NECライティングホタルックボールEFA15ELR/13-SHG-B13W1,890円924円


 最新の電球型蛍光灯を下からみてみると、一般的な白熱灯と直径がほとんど変わらない。以前に比べて小さくなったようだ。

 今度は側面を見ると、高さも形も一般的な白熱灯にずいぶん近づいた。一番左端に、一世代前のナショナルの電球型蛍光灯「パルックボールYOU」を用意したが、最新のものを比較してみると、この数年でいかに小さくなったかおわかりになるだろう。特に東芝は形も白熱灯電球そのもの。安定器が口金のあたりに凝縮されて入っていることを考えると驚きのサイズだ。


左から一世代前のナショナル、新しく購入した東芝、ナショナル、NEC、そして一般的な60Wの白熱灯 一番左の旧型と比べると、明らかに小さくなっている

実際に照明器具に取り付けてみる

 自宅のダイニングテーブルの上に設置したペンダントに取り付けてみた。さすがに以前からある白熱灯は小さい。しかし最新の電球型蛍光灯をご覧あれ。器具からのぞくその姿は白熱灯と印象がほぼ同じ。一方、一世代前のものは明らかに大きい印象である。


一般的な白熱灯(東芝製 60W形)
東芝「ネオボールZ リアル」
ナショナル「パルックボール プレミア」

NEC「ホタルックボール 電球フォルム」 一世代前のナショナル「パルックボールYOU」

 一般的な白熱灯(26g)に比べ、最新の電球型蛍光灯でもその3倍程の重さがある。しかし、出始めの電球型蛍光灯は400g強あった。これと比べればはるかに軽くなっており、色々な器具に取り付ける際、問題になる重さではない。ちなみに、パルックボールYOUは96gだった。

製品名重量
一般的な白熱灯26g
東芝「ネオボールZリアル」75g
ナショナル「パルックボールプレミア」75g
NEC「ホタルックボール」85g


点灯後の立ち上がりが早く、すぐ明るい

 さて、明るさはどのぐらい進化したのか、それぞれの照度を計測してみた。点灯した瞬間からそれぞれ20分間、その輝度の推移をグラフに表した。ダイニングテーブルの真上にペンダントを配置し、その真下には照度計を設置。テーブル面と電球の距離は約65cmだ。

 はじめに驚かされたのは、点灯した瞬間からけっこう明るいこと。さすがに、白熱灯のように点いた瞬間から100%の明るさ、というわけにはいかないが、点灯後1分以内にはどの機種も400lx(ルクス)前後と、明るいオフィスぐらいの数値が得られたのである。


点灯後の明るさの推移

 面白いのは、各社それぞれが異なる立ち上がり方をする点である。東芝は一気に明るくなるものの、2分後には明るさが下降し暗くなって安定。ナショナルは1分以内に大きく立ち上がり、その後ゆるいカーブを描きながらさらに明るさを増して安定。NECは点灯した瞬間、白熱灯に負けないぐらい一気に明るくなるのだが、その後スーッと下降し安定に向かう。旧ナショナルはご覧のとおり。立ち上がりがゆっくりで、しかもそれほど明るくならなかった。


計測のたびに違う数値が現れる

 計測を何度がするうちに奇妙な事が起こった。それは、どの機種も計測するたびに違う数値が現れてしまうのである。しかし、それぞれのパッケージに記載されている「使用上の注意」を読み理由が理解できた。

 「点灯後、約20分間は、明るさや光色が若干変化します」(東芝)
 「点灯直後10分間は明るさや光色が若干変化します」(ナショナル)
 「点灯後、約20分間は明るさや光色が若干変化します」(NEC)

と書いてあるではないか。計測の度に違う数値が出てくるのは、電球型蛍光灯の「クセ」なのかもしれない。現時点の電球型蛍光灯は、明るさと光色が安定するには10分以上かかってしまうということだ。

 また、今回はあくまでも新品のもので計測しているが、一般的な電球や蛍光灯と同じく、点滅の頻度、使用時間、利用する場所の環境などで、徐々に劣化して行くことは十分に考えられる。例えば1,000時間使用した後、同じように計測したら、結果が違う可能性も十分ありうる。

 ともあれ、体感上は何の問題もない。点灯した瞬間から、ある一定以上の明るさがすぐに得られる点は、大きな進歩と言える。ジーッと電球のそばに張り付いて、その変化を見続けるわけでもないし、多少の数値のブレは気にする必要はないだろう。


本物の白熱灯に近づいた色味

 さて、いよいよ色味の検証に入りたい。まずは、色味の違いを皆さんにお伝えするため、写真を撮影した。撮影の際にはホワイトバランスと露出を固定。撮影後は画像の色味は一切編集していない。各社の輝度が異なるため、それぞれの輝度のイメージが均一に見えるよう、シャッタースピードのみ変えている。それぞれを30分以上点灯させ、明るさ及び光色が完全に安定した状態で撮影した。

 まずは、木目のテーブルに乗せた真っ白い陶器のお皿をご覧頂きたい。


東芝「ネオボールZ リアル」
ナショナル「パルックボール プレミア」 NEC「ホタルックボール 電球フォルム」

 ここでチェックをしたのは、テーブルの木目の色合い、白い皿、皿に描かれた青い模様がどのように見えるか、である。

 東芝はテーブルの木色も、白いお皿も、その青い模様も、全体的に緑色っぽく見える。色のついた光に照らし出されているようで、くすんで見えてしまう。

 ナショナルは白いお皿が青っぽく映る印象を受けるものの、まずまずの結果。

 そしてNEC。私の個人的な印象であるが、もっとも色のバランスが良い。白いお皿はあくまでも白く、テーブルの木目は黄色にくすまずに暖かな色合いの木目がぐっと鮮明に見える。皿の青い模様も、スッキリと現れている。無理やり電球色を再現しているという感じがなく、とても自然に見えている。

 次に、食べ物を照らしたシーンを撮影した。


東芝「ネオボールZ リアル」
ナショナル「パルックボール プレミア」 NEC「ホタルックボール 電球フォルム」

 東芝は食べ物全体が黄ばんで見え、あまりおいしそうに見えない。昔の電球型蛍光灯を使ったときと、同じ印象だ。食べ物全体が黄色がかり、特にご飯がおいしくなさそうに映ってしまう。

 ナショナルはここでも無難な印象。それでも、トマトやもみじ型にくり抜かれたニンジンの赤みに、若干蛍光灯っぽいテリというか、クセが加わっている。色味の幅が少し狭いような印象だ。

 NECの光色に照らし出されたそれらは、とても自然な色合いに映る。テーブル、皿、そして、食べ物のそれぞれが持つ色がしっかり独立し、色のメリハリ感が伺える。NECの電球色は、以前私が抱いた電球型蛍光灯の印象を一掃してしまう程の、自然な色合いを再現している。食卓の明かりに選ぶなら、やはりコレだろう。


省エネ・長寿命の電球型蛍光灯に取り替えよう

 というわけで、今回は色味を主な評価軸として、「食卓のあかりにベストなのはNECのホタルックボール」ということで落ち着いたわけだが、最後に、製品全体の特徴を簡単にまとめておきたい。

 まず、東芝は光色および明るさについて若干不安定なところがあるが、販売価格が安くコストパフォーマンスが高い。ナショナルは光色および明るさの安定度がピカイチ。寿命も最も長く、電気代が一番安く済む。NECは光色が素晴らしい。白熱灯らしい演色性が期待でき、食卓にもバッチリ合う。さらに消灯してからも、しばらくほんのり明るい残光機能「ホタルック」がとてもユニークである。

 白熱灯を購入するのに比べ、初期費用は確かにかかるが、ランニングコストを考えると間違いなく白熱灯を使うよりお得だ。電球型蛍光灯に一度取替えたら、1日8時間使うと仮定して、東芝とNECは約2年。ナショナルはなんと3年以上取り替える必要がない。

 また、電球型蛍光灯はあまり熱くならないという利点もある。そこで私は、壁から20cmぐらいしか離していない液晶テレビの後ろに廉価なクリップライトを置いて間接光としても利用している。


薄型液晶テレビの後ろにちょっと素敵に間接光 熱量が低いのでわずかな隙間にも設置しやすく、置きやすい

 デイリーユースに十分応えられる最新の電球型蛍光灯・電球色。みなさんもそろそろ切り替えてみてはいかがだろうか。





URL
  東芝ライテック株式会社
  http://www.tlt.co.jp/
  ネオボールZ 製品情報
  http://www.tlt.co.jp/tlt/new/lamp/neoballz/neoballz.htm
  ナショナル(松下電器産業株式会社)
  http://national.jp/
  パルックボール 製品情報
  http://national.jp/product/conveni/lamp/cfl/
  NECライティング株式会社
  http://www.nelt.co.jp/
  ホタルックボール 製品情報
  http://www.nelt.co.jp/navi/la_hotabal/fre_hotab.htm



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2007/10/25 00:03

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