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家電製品ミニレビュー
三菱電機「MA-837」

~さらに強力になった自動清掃機能付き空気清浄機
Reported by 本誌:伊達 浩二

MA-837
 三菱電機の空気清浄機「MA-837」が9月1日に発売された。

 この製品は、昨年の「MA-806」、一昨年の「MA-805」に続く、プレフィルターの自動清掃機能「おそうじメカ」を搭載した空気清浄機のシリーズだ。

 MA-806と比べながら10日間使用したので、両機種を比較しながらレポートしよう。

 MA-837の価格はオープンプライスで、ヨドバシカメラの直販価格は42,800円の10%ポイント還元だった。

 まず、MA-806からMA-837への変更点を調べておこう。
・本体サイズと重量は、425×238×547mm、9.0kgで変わらない
・前面パネルのデザインが変更された
・ターボモード時の最大風量が8.0立方m/分から8.3立方m/分へ強化された
・ターボモード時の消費電力が74Wから71Wへ削減された
・最大風量の強化に伴い、適用床面積が36畳から38畳へ拡大した
・脱臭機構が「プラチナプラズマ触媒」から「ナノテクプラチナ触媒」へ変更された。これに伴い「プラズマランプ」が廃止された
・操作部のボタンや動作モードの名前が一部変更された。「自動お手入れ」→「自動お掃除」、「瞬間清浄」→「ターボ自動」


製品正面。前面パネルのデザインが一番大きく変わったところだ 側面。本体サイズ、重量はMA-806と変わらない 操作部のボタンや、動作モードも一部変更された

 両機種を並べてみると、本体の大きさが変わらないものの、前面パネルのデザインが変わったことで新鮮な感じは出ている。パネルには、本機の特徴である「おそうじメカ」の特徴である丸いプレフィルターをイメージさせる円形のレリーフが彫られている。

 このレリーフにも表わされているように、MA-837の最大の特徴は、なんといっても「おそうじメカ」だ。

 お掃除メカは、空気清浄機の何段もあるフィルタの一番最初に位置するプレフィルターを自動的に掃除する機構だ。

 プレフィルターは、大きなホコリなどを止めることを目的としている。空気清浄機が設置されている環境にもよるが、このフィルターは1カ月に1度は清掃が必要とされている。しかし、「おそうじメカ」を搭載していれば、プレフィルターの掃除をする必要がなくなり、4カ月に1度ダストボックスに溜まったゴミを捨てるだけで良い。

 前モデルのMA-806を使っているので、この機種の威力は思い知らされている。他の空気清浄機のフィルタが、びっしりとホコリまみれになっていても、MA-806のフィルタだけは、きれいなままなのだ。フィルタについたホコリなどは、プラスチック製のダストボックスに落ちているので、簡単に捨てることができる。メンテナンスの手間がほとんどかからない。


「お掃除メカ」の動きやホコリの溜まり具合は「お掃除チェック窓」で確認できる プレフィルタに付いた汚れはブラシでかき取られる 【動画】「お掃除メカ」がプレフィルターを掃除している様子(WMV形式,616KB)

フィルターを外すと奥に大きなファンがある。見た目ではMA-806からの変更点はわからない。
 風量の強化については、「高効率モーターの採用と風路の最適化」によるとされているが、フィルタをはずしてファンの部分を見た限りでは変更点はわからない。また、最大風量で動作するターボモード時は、MA-806でも強大な風量が印象的だったので、MA-837になってとくに強化されたという印象はない。

 動作モードは、手動が静音/中/強/急速/ターボの5つ、自動が標準/おやすみ/花粉ガードの3つ、そして「ターボ自動」はスイッチが独立している。

 自動運転について、もうちょっと詳しく見ると、「標準」に対して、「おやすみ」は風量を落としてLED類を暗くする、「花粉ガード」はセンサーの感度を上げて反応を良くする、という違いがある。


しかし、あくまでも個人的な感想だが、MA-837の醍醐味は「ターボ自動」モードにある。

 「ターボ自動」スイッチを押すと、MA-837は、最大設定の、とてつもない風量で部屋の空気を一気に浄化する。その風量は空気清浄機に向かって風が動くのが、髪や肌でわかるほどだ。一方、ターボ自動モード時は運転音も大きい。通常の空気清浄機の「強」モードでも運転音は40dB前後だが、ターボモード時の運転音は50dBある。50dBは目安で言えば「静かな事務所」にあたるが、エアコンの室外機がこれぐらいの数値だと言うほうが実機のイメージに近い。「ゴウッ」という音だ。客観的に見れば、うるさい、ということになるのだが、慣れてしまうと「おおっ、働いているなぁ」と頼もしい印象すら受けてしまう。

 なお、MA-837には、「ニオイ」と「花粉/ダスト」の2つのセンサーあるが、いずれも感度が高い。特にスプレータイプの殺虫剤や防臭スプレーを使っていると、即座に反応するので、面白いほどだ。

 次にフィルターについてみてみよう。

 MA-837のフィルターは、プレ/HEPA/活性炭の3段階になっている。HEPAと活性炭の2つのフィルターはMA-806と同じものだ。フィルター交換ランプは、静音運転で8年、ターボ運転では約1年で点灯する。交換用フィルタは、HEPAと活性炭のセットで7,875円だ。単体売りもされているが、HEPAフィルタ単体で7,980円とセットより高い設定なので、セットで購入した方が良い。


丸いプレフィルターがMA-837の特徴
HEPAフィルター
上の白い部分がナノテクプラチナ触媒。下の黒く広い部分が活性炭フィルター

プレフィルターは簡単に外せるようになっている HEPAフィルターの設置方向を間違えないように、手前方向と奥方向の指示が記載してある 購入時には、活性炭フィルターが袋に入ったままセットされているので、最初にフィルターのセットをしてから使い始める

 最後に脱臭機能の変更についてみてみよう。

 MA-837では、脱臭機構がMA-806の「プラチナプラズマ触媒」から「ナノテクプラチナ触媒」に変更された。

 以前のシステムが「プラズマ放電とプラチナ触媒の効果で分子結合をクラッシュし、無臭無害な物質に再合成する」というものだったのが、「ナノサイズの無数の細孔を持つ触媒に化学反応を高める白金(プラチナ)を配合した物です。気づきにくい生活複合臭の原因となるさまざまなニオイ分子を元から吸着・分解します」と説明されている。

 我が家では猫を室内飼いしているし、香辛料を使った料理も多いので、それなりに生活臭のあるほうだと思うが、2つの機構の差はまったくわからない。

 あえて言えば、MA-806では、プラズマ電極からラジカル(化学的に活性化された分子)を放出して、空気清浄機内を清潔に保つという機能があったが、この機能はMA-837では省略されている。

 ただし、メンテナンス面ではMA-837の「ナノテクプラチナ触媒」の方が優れている。MA-806では、プラズマ電極の部分は洗えるが、プラチナプラズマ触媒の部分は本体に固定されていた。それに対してMA-837では、ナノテクプラチナ触媒全体を取り外して、つけおき洗いができるのだ。個人的には、こちらのメリットのほうが大きく感じる。プレフィルターの手入れが簡単だからと言って、このMA-837を選んだ人間が、触媒まで手入れをするかどうかというのは、本人も疑問に思うが、イザというときは全部洗えるというのは安心感がある。

 結論として、MA-837はMA-806が正常進化した製品で、風量の強化やメンテナンス性の向上がメリットとなる。ただし、いずれの利点も小幅なもので、体感的にはMA-806と大きな差は感じられない。

 ただし、ともかく面倒が少なく、きれいな空気がほしいという要求に対して、現在の市場では最右翼の候補として推薦できる機種であることは間違いない。

 個人的な希望としては、本体の大きさを含めて、もう一回り小さい「おそうじメカ」搭載の製品の登場を期待したい。現在の大きさでは置き場所が制約されてしまうので、小さい部屋用の機種も欲しいのだ。


左の一般的な空気清浄機と比べると奥行きの大きさがわかる 手前のミニタワーPCと比べても、かなり大きい




URL
  三菱電機株式会社
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.mitsubishielectric.co.jp/news/2007/0820-a.htm

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2007/09/18 00:01

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