● 小スペースの除湿に特化した製品
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「TKY-10」製品本体。デスクサイドにも置けるコンパクトサイズ。下段のスモーク部は水タンク
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いよいよ梅雨の季節である。なんてことを書いているうちに梅雨が終わってしまいそうな昨今であるが、日々暮らしていて明らかに今日は湿度が高いな、と感じる日も増えてきた。こんな時は除湿器の出番ということになる。
今回紹介する東京企画販売のミニ除湿器「TKY-10」は、梅雨の季節はもちろんのこと、1年を通して小スペースの除湿に使える製品だ。一般的に除湿器と言えば、スクエアで大柄な筐体を想像するのだが、本製品はずんぐりむっくりした筐体で、ポットほどのコンパクトなサイズである。
機能は除湿にほぼ特化されており、衣類乾燥や、冷風といった機能もない。適合畳数の表記もなく、単に「小スペース」向けと表記されるなど、一般的な除湿器とはコンセプトを異にする製品だ。Amazon.co.jpでの購入価格は4,980円だった。
● 片手で持ち運べるコンパクトさ
製品本体は高さ22cm。A4用紙の短い辺が21cmだから、どのくらいコンパクトかお分かりいただけるだろう。本体の重量も1kgを切っており、片手でラクラク持ち運びができる。持ち運びのハンドルがついていないのは非常に惜しいと感じる。
本体上面に吹出し口が付いている。正面パネルにはスイッチと電源ランプ、満水ランプが並ぶ。湿度に応じて自動的に運転を制御したり、運転の強/弱を切り替えるといった機能はない。
下段には引き出し式の水タンクがあり、ここに水が溜まるようになっている。水タンクが満水になると満水ランプが点灯し、かつアラームでも知らせてくれる構造になっている。この水タンクを引き出して捨てるのが、所有者に課せられた唯一の作業だ。吸湿量は1日最大250ml、水タンクの容量は500mlなので、回しっぱなしの状態だと、最短で2日に1回捨てる必要がある。
電源は内蔵されておらず、ACアダプタを用いている。外部電源にしたことがコンパクト化の一因となっているわけだが、ACアダプタもとくに巨大なわけではないことから、むしろ熱対策が主目的なのではないかと考えられる。電源ケーブルは3.6mと長く、下駄箱やクローゼットなど、コンセントのない場所に引き込む用途を想定しているのが分かる。
光触媒方式を採用している関係で、吹出し口内に光源があり、横から見ると吹出し口がボウッと光る。輝度調整の機能はないが、それほどまぶしいわけではないので、寝室などで利用する場合もとくに気にはならない。神経質な人でも、物陰に置けば大丈夫だろう。
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500mlのペットボトルと並べたところ。高さはほぼ同じ
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側面。余計な出っ張りもなく、ずんぐりむっくりした形状
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上面には吹出し口を装備。運転中は内部がぼんやりと光る
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操作は電源ON/OFFのみ。満水になるとランプが点灯する
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電源はACアダプタ。運転中はかなり熱を帯びる
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水タンク。上部後方のゴムキャップを外して排水する。容量はおよそ500ml
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● 本格的な除湿にはやや性能不足か。あくまで小スペース向けの製品
実際に洗面所に置いて使ってみた。隣に浴室があり、なにかと湿気が溜まりやすい場所だ。広さにすると2畳程度である。
何日か試してみたが、一晩運転するたびに、水タンクの約1/3ほどの分量の水が溜まる。容量にすると180~200mlといったところだ。本製品の1日の吸湿量は最大250mlとされているので、上限に近い量ということになる。洗面所内の湿度は、浴室を使った直後は70%ほどに上昇するが、そこから60%まで下がるのがやっとで、それ以下にはなかなか下がらない。
この結果からも、あまりに湿度が高すぎる場所だと、処理能力が追いつかないことがわかる。もっとも、上記のテスト環境がやや極端なだけで、同じ洗面所でもワンルームマンションのそれや、またクローゼットやキッチンといった場所であれば、十分に使えるだろう。本格的な除湿器ではカバーできない小さなスペース向けの製品、という位置づけが正しいようだ。
使っていて気になったのは、ACアダプタの発熱だ。製品本体はまったくと言っていいくらい熱を帯びないのだが、ACアダプタの本体はかなり熱くなる。狭い場所での利用時には十分に注意したい。
また、溜まった水を捨てる際は、水タンクの上部隅にあるゴムキャップを外して排水するのだが、フタ部のパーツが密閉されておらず、異なるスキ間からも水が漏れてしまう。実用上はなんら問題はないが、ややチープに感じられる部分だ。
除湿器においてなにかと問題となりがちな騒音についてだが、それほど耳障りに感じない。換気扇や、ファンありのパソコンを常時運転している環境であれば気にならないだろう。静かな部屋の中に置いた場合は気になるかもしれない。
● ピンポイントでの除湿におすすめ。価格もリーズナブル
1週間ほど使ってみたが、小柄な割にはなかなかパワフルで、使い勝手のよい製品だ。一般的な除湿器に比べてタンク容量は1/4以下だが、価格もやはり1/4程度と、本格的な除湿器を買うまでには至らないニーズをうまく埋めてくれる製品だ。大手量販店の定番製品になっている理由も十分に理解できる。
これまでの除湿器と言えば、部屋に置くと目立ちすぎ、片付けるとなると収納場所に苦労する大柄な製品が多かった。それに比べ、本製品のコンパクトさは、日本の家庭事情にぴったりマッチした製品であると言える。リビングをガンガン除湿してくれるパワーこそないものの、一人暮らしの部屋から、クローゼットやキッチン、流しの下、脱衣場といったピンポイントの利用まで、幅広く使える製品だと言えそうだ。
■URL
株式会社東京企画販売
http://www.to-plan.co.jp/
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