● リモコンを使って室外から開錠/施錠
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「セフィリオ」本体。センサ部と本体ユニットが金属プレートでつながれている
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株式会社セキュアの「セフィリオ リモコン・ドアロック SES-200」は、ドアに取り付けるリモコン式の補助錠だ。家のドアのカギだけでは不安な場合などに、もう1つカギを加えてやることで、安全性を高めようという製品だ。既存のドアに工事なしで取り付けることができるため、賃貸マンションにおけるセキュリティを向上させるのに適している。
「SES-200」の本体は、センサ部と本体ユニットに分かれており、これらが金属のプレートで連結されている。これをドアの上部に乗せ、センサ部と本体ユニットとでドアを挟み込むようにして固定する。センサ部がドアの外側、本体ユニットが室内側に来る形になる。
ドア外側にあるセンサ部に向けて赤外線リモコンのスイッチを押すと、ドア内側にある本体ユニットからカンヌキがせり上がり、施錠される。通常のキーで戸締りをしたのち、本製品を用いて二重にロックをかけるというわけだ。いわゆるサムターン回しの対策としては非常に有効だろう。
開錠/施錠が行なわれる際は、本体のLEDが点灯し、電子音が鳴る。一方、開錠している際に開錠ボタンを押したり、施錠している際に施錠ボタンを押すなど、間違ったアクションが実行された場合は、「施錠済みです」「開錠済みです」といった音声で通知される。リモコンを押してもまったく無反応で、どういったステータスにあるか分からない、といったことはない。
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本体ユニット側。こちらが室内側になる。ちなみに温度感知機能もある
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ドア内側の本体ユニットに単三電池×4本をセットして利用する
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本体を側面から見たところ
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取り付けるドアの形状や厚みにより、高さや奥行きを調整できる
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添付されている赤外線リモコンは、100円ライターを切り詰めた程度のサイズで、キーホルダーなどに取り付けて持ち歩くことができる。製品には同型のリモコンが2つ同梱されているので、夫婦などで1つずつ持っておくのに適している。もちろん追加注文も可能なので、家族の人数に合わせて増やすことも可能だ。
カギの開錠は、赤外線リモコンを利用する以外に、室内側からの手動開錠にも対応する。従って、仮にリモコンの電池が切れてしまった場合でも、室内側にだれか居れば、開錠することが可能だ。
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2個のリモコンが同梱される。夫婦などで持つのに最適だ
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カンヌキは手動でも上下させることができる
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カンヌキがせり上がって、ドアをロックする。ロックはかなり強力
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カンヌキは手動でも上下させることができる
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● トラブルが発生した場合の解決策にやや難あり
この手のセキュリティ製品は、製品のセキュアさはもちろんのこと、利用中になんらかのトラブルが起こった場合に、どれだけスムーズに解決できるかも重要なポイントになる。ここでは「リモコンの紛失」と「リモコンの電池切れ」の2つの場合において、対策を検証してみた。
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リモコンには開錠と施錠、2つのボタンがある。個人的には、1つのボタンだけのインターフェイスにし、開錠時に押されると施錠され、施錠時に押されると開錠される仕組みのほうが分かりやすいのではないだろうか
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まず、リモコンの紛失/破損で開錠できなくなった場合の対策である。説明書によると、発売元である株式会社セキュアが運営する「セフィリオカスタマーセンター」に電話し、出張作業を依頼することが推奨されている。要するにプロを呼んで開錠してもらいなさい、というわけだ。セキュリティ製品である以上、これはきわめて妥当な体制だろう。ちなみに製品にはカスタマーセンターの電話番号が書かれたカードも同梱されている。
ただ、これがメインの錠であればまだしも、本製品はあくまでも補助錠という位置づけであるわけで、個人的にはもう少し簡易な解決方法があってほしい。例えば本体側で暗証番号を入力して開錠する、リモコンに書かれたシリアルナンバーを入力して開錠する、などの方法である。導入コストはかさむかもしれないが、いちいち出張作業を依頼することを考えるとそのほうがよほどいい。
次に、リモコンの電池が切れてしまった場合の対策だ。コンビニなどで電池を買ってきて入れ替えることで万事解決、と言いたいところだが、本製品のリモコンの電池フタを開ける際にはプラスドライバーが必要になる。つまり、外出していて電池が切れた場合は、電池はもちろんドライバーまで買って来なくてはいけないのである。細かいことだが、どうにも腑に落ちない。
実際には、電池残量が低下すると、交換時期の2週間前から電池交換を促す音声が鳴るらしいのだが、長期の出張や帰省の際、セットしたまま外出するにはやや不安を感じてしまうのも確かだ。全体的に見て、トラブル発生時は手間のかかる製品であるように感じられる。
● 通知音/アラーム音量は大きめ。夜間利用は難あり
本製品のターゲットユーザーは、おそらくマンション住まいの共働き夫婦、ということになるだろう。冒頭にも書いたが、取り付けに当たって工事を必要としないため、賃貸マンションにも手軽に導入できるのは大きなメリットだ。ドアの外側から設置していることが分かってしまう作りだが、防犯上悪いことではない。このほか、事務所ユースにも適していそうだ。
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付属のジグを用い、センサ部とドアの隙間がなくなるよう調整する
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取り付け可能なドアの厚みは30~45mmまでとされている。ドア上部に挟み込むということで機密性の低下も気になるところだが、特に問題は感じられなかった
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ドア外側のセンサ部。いかにもセキュリティ対策を施しているという外観だ
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ただ、マンションで使うには難点もある。1つは通知音のボリュームがやたらと大きく、調整機能もないこと。マンションによっては隣室に響いてしまう場合もありそうで、夜中に気軽に開錠/施錠するのはためらわれる。深夜に帰宅した場合でも、寝ている家族を起こしてしまいそうである。
もちろん、なんらかの異常時に音で知らせてくれるという製品のコンセプトを否定するわけではない。ただ、普通の開錠/施錠時にいちいちピンポーン、ピロローン、といった通知音が鳴るのはどうも腑に落ちない。正しい操作をした際には通知音が出ないなど、柔軟に設定できるようにしてほしかった。
Amazon.co.jpでの実売価格は31,290円。単体で見ると安くはないが、セキュリティサービスなどを利用するのに比べると十分に安価だ。オートロックでないマンションなどでは、利用価値がある製品ではないかと思う。
■URL
株式会社セキュア
http://www.sefirio.com/
製品情報
http://www.sefirio.com/s01.html
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2007/04/18 00:00
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