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家電製品レビュー ベアーマックス「ホワイティーピカ UW-800」
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~シミや汚れを超音波で落とす
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Reported by
平澤 寿康
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ホワイティーピカ UW-800
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年末もかなり押し迫ってきて、そろそろ本格的な大掃除を、と考えている読者も多いことだろう。毎年この時期になると、ガスコンロや換気扇、風呂場の壁や天井など、普段なかなか掃除しない場所の汚れを落とすための洗剤や掃除器具が、一斉にテレビショッピングなどで取り上げられる。
ここ数年でよく見かけるのが、高圧で水を沸騰させ汚れに吹きつけ、汚れを落とすという高圧スチーム洗浄機だ。油ものの汚れにはかなりの威力があるようで、結構な人気になっているようだ。
ただ、高圧スチーム洗浄機は、ガスコンロなど、比較的広い場所の汚れを落とすのには向いているかもしれないが、小さなものや細かなものには、ちょっと使いづらい。無理をすれば使えないことはないが、腕時計や指輪、メガネなどを、高圧スチーム洗浄機で洗浄するというのは、かなり抵抗がある。そこで、小物の汚れを落とすいい洗浄機はないかと、ネットをうろついていた時に見つけたのが、今回紹介するベアーマックスの超音波洗浄機「ホワイティーピカ UW-800」だ。
この製品は、超音波を利用して汚れを落とす小型の洗浄機だ。腕時計や指輪、ネックレスなどの貴金属小物の汚れや、衣類に染み込んだシミ、壁などにこびりついた頑固な汚れなどを、いとも簡単に落とすという。まさに、探していた用途にピッタリの洗浄機だ。楽天市場での購入価格は、4,200円であった。
ホワイティーピカの本体は、思っていた以上に小さく軽い。これなら女性でも片手で軽々扱えるだろう。見た目は、昔のSFマンガに出てくるレーザーガンのような形状だ。使うときも、まさにレーザーガンのようにグリップ部を握って、先端部を汚れに当てて洗浄する。
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本体上部にボタンがあり、押している間だけ動作する。ボタンは強・弱の2個がある
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付属の水タンクは、本体下部に取り付けて利用する。先端部の突起を押すと、中の水が出る
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付属品は、本体とACアダプタ、先端部のノズルが2個と給水用のタンク、腕時計や指輪などの小物を洗浄するための専用容器が1セット、それに洗濯用の液体洗剤だ。先端部のノズルは、標準で取り付けられているペン先のキャップのようなものとブラシ付きのものがある。このブラシは、汚れをこすり落とすためではなく、ノズル内部に貯めた水を給水するもの。壁など、水分を含ませにくい部分を掃除する場合に利用する。
本体にはバッテリが内蔵されており、フル充電で約30分間の使用が可能。本体上部に強・弱の2つのボタンがあり、それぞれのボタンを押すことで動作する。基本的には、ボタンを押している間だけ動作するが、ACアダプタを接続している場合には、ボタンを押したら連続で動作し、約3分後に停止する。
使用時の音は、非常に小さい。洗浄中に”ジー”というかなり小さな音が出る程度だ。本体を握っている手に、振動が伝わることもない。ただ、振動板が金属面に付いた時には、共振によって“キー”という、ちょっと嫌な音が聞こえることがあるので注意したい。
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本体にACアダプタを接続している状態では、ボタンを押すと約3分間の連続動作となる
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先端ノズルは、ノーマルタイプとブラシ付きの2種類が付属。ブラシ付きノズルは、内部に貯めた水を少しずつ給水する構造で、壁などの汚れを落とす場合などに利用する
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本体の充電には9時間ほどかかる。ACアダプタを接続したまま使うことも可能だが、バッテリ残量がほとんどない状態では、3秒ほどでスイッチが切れてしまうので、あらかじめ充電しておいた方が良い。また、充電中や充電完了、バッテリ残量を示すインジケータは用意されていないため、バッテリの状況を知ることができないのは残念。さらには、ACアダプタを接続して連続動作させている時には、約3分経過するまではACアダプタを外さない限り動作が止まらない。このあたりは改良を期待したい。
● 微少な泡が破裂する衝撃力で汚れをはぎ落とす
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本体先端の金属の振動板。この部分が1秒間に約5万回振動することで、水中に気泡ができ、その気泡がはじける時の衝撃で、汚れがはがれ落ちる
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ホワイティーピカの洗浄の原理は、メガネ店の店頭などで見かける水槽式の超音波洗浄機とほぼ同じだ。本体先端の金属板を1秒間に5万回微振動させることにより、液体中に無数の微少真空泡を作り、その泡が破裂するときの衝撃力で汚れをはじき飛ばすという。先端の金属板の振動周波数が約50kHzであることから“超音波”と名乗っているわけだ。こういった原理のため、洗浄する部分が水を含んでいないと、全く効力が発揮されないことになる。
それでは、実際に醤油を付けて一晩置いた布のシミを落としてみよう。シミの部分に液体洗剤を付けて水を含ませ、10~20秒ほど軽くこする。すると、醤油のシミは完全に消えてなくなってしまった。座布団カバーの鍋つゆのシミにも使ってみたが、こちらも同様に汚れが落ちた。この座布団カバーのシミは2週間ほど前に付けてしまったもので、2度ほど洗濯機で洗濯しても落ちなかったものだ。ここまできれいに落ちてくれるとかなり気持ちがいい。
パッケージに付属していた、シミ落としの“虎の巻”を見ると、醤油やソースなどのシミはもちろん、油性インク、墨汁、クレヨン、口紅、血液など、様々な汚れ・シミを簡単に落とせるとある。つまみ洗いやもみ洗いで落としきれなかったシミも、ホワイティーピカがあれば、簡単に落とせそうだ。
次に、メガネや時計などの小物類を試してみる。こちらは、付属の容器に水道水を張って、洗浄したいものを水中に入れる。ホワイティーピカをアタッチメントに取り付けて、スイッチを入れ、3分ほど待てば完了だ。実際にメガネを洗浄してみると、メガネ店の店頭の超音波洗浄機と同じように、メガネのツルの部分などから非常に細かな泡のようなものが立ち上がる。3分ほど経ってメガネを取り出し洗浄容器の水をよく見てみると、最初はなかった細かいゴミのようなものが漂っており、しっかり洗浄できているようだ。腕時計で試してみると、ベルト部分の隙間がかなりきれいになっているのも確認できた。
ただ、メガネの鼻あての部分にこびりついた頑固な汚れは落としきれなかった。この汚れはメガネ店の超音波洗浄機でも落ちなかったほど頑固にこびりついた汚れなので、仕方がない部分かもしれない。とはいえ、洗浄後に綿棒で鼻あて部分の汚れを拭ってみると、いとも簡単に取れてしまったので、ある程度効果が発揮されていたと考えていいだろう。
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メガネや腕時計、指輪などの貴金属小物の汚れを落とす場合に利用する容器
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中に水を張り、上部に本体を取り付けて使用する
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それでは、ガスコンロなどの汚れに対してはどうだろう。さっそく、真っ黒に汚れたバーナー部分を洗浄してみる。すると、液がみるみるうちに真っ黒になっていき、見た目にも汚れが落ちているような印象を受ける。ただ実際には、10分ほど念入りに試したものの、黒ずみは完全には落ちず、もとの真鍮色は戻らなかった。もちろん、洗浄前よりは明らかにきれいになっている。とはいえ、バーナー1個に10分ほどかけて丹念に洗浄した割には、汚れ落ちは期待していたほどではなかった。
それに対し、ガスコンロの壁面のガラスにこびりついて、スポンジで擦ってもなかなか落ちなかった油はねなどの小さな汚れは、あっという間に落としてくれた。基本的に、これは衣類のシミなどの小さな汚れに使うもので、ガスコンロや換気扇などの大きな汚れを落とすためのものではないということが、はっきりわかった。
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洗浄前のガスコンロのバーナー部分。このように真っ黒に焦げ付いている
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洗浄後のバーナー。ある程度汚れは落ちているが、思ったほどではなかった
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このような壁面の油はねなどの汚れは、ブラシ付きノズルを使うときれいに落ちる
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以上のようにホワイティーピカは、布のシミや壁の小さな汚れなどのスポット汚れや、メガネ、貴金属小物などの汚れを落としたい場合には、かなりの力を発揮してくれる。年末の大掃除の限定アイテムというより、日常生活で活躍してくれる一品だ。特に子供のいる家庭で、衣類のシミ抜きに苦労しているという人なら、かなり重宝するグッズに違いない。
■URL
ベアーマックス(株式会社クマザキエイム)
http://www.bearmax.jp/
製品情報
http://www.bearmax.jp/pika.html
2006/12/25 00:02
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