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家電製品レビュー
カフェックスジャパン「e-cafe S-1」

~生豆から淹れるコーヒーメーカー
Reported by 一ヶ谷 兼乃

e-cafe S1
 すっかり寒くなり、暖かいドリンクを飲む機会が増えてくる。最近飲むコーヒーもアイスからホットを飲むことが増えてきている。コーヒー自体、一般的な飲み物で自宅で点てて、楽しんでいる方も多いのではないだろうか。

 コーヒーを美味しく点てるコツは、なんといっても良いコーヒー豆を使うことだ。どんなに腕のいい職人が、良い道具を使ったとしても、コーヒー豆がよくなければ、美味しいコーヒーを点てることはできない。では良いコーヒー豆とは、どういうもののことだろうか。

 これは「新鮮」ということに尽きる。具体的に新鮮とは、焙煎して間もないという意味である。焙煎して一週間以内、挽いて3日以内というのが、理想的なコーヒー豆だと言われている。ただ、焙煎前の生豆の状態だと1年以上も味が劣化することはない。

 筆者はコーヒー好きではあるが、自宅で過ごす時間が少なく、家族が多いわけでもないので、せっかくコーヒー豆を買ってきても、美味しく飲める期間内が過ぎてしまうことが多々あった。ここ数年は生豆を買ってきて、自宅焙煎を行ない、新鮮な豆を使ってコーヒーを楽しんでいる。ただ、当然ながら自分の好みの焙煎具合、挽き具合など自由にできるため、好みのコーヒーが点てられるものの、この方法はとても面倒で他人にはお勧めできない。

 そこで以前から気になっていたのが、焙煎から抽出までやってくれるコーヒーメーカーである。存在は知っていたものの、置き場所がないなどの理由により、購入までには至らかなかった。引越ししてキッチン周りに比較的余裕ができ、ホットコーヒーが恋しい季節が来たため、購入に決心がついたわけだ。

 実際に購入しようと調べてみると、以前検討していた機種が生産中止になっていたりして、それほど選択肢がないことに気づいた。一度に点てられるコーヒーの量なども検討し、最後候補に残ったのがカフェックスジャパンの「e-cafeシリーズ」だ。また、カフェックスジャパンでは、これまでも焙煎機能付きのコーヒーメーカーを手がけており、製品の完成度も問題になることもなく、購入後も安心して利用し続けることができるのではないかと判断した。


水を入れるタンクも簡単に取り外して、手入れすることができる。メインスイッチが側面に配置されている
 このシリーズは、いずれも焙煎、グラインド、抽出、保温の機能をもつが、生豆から抽出まで一気に行うS-2、前回動作のときに焙煎した豆を利用して、抽出するS-1・K-1の2種類に分かれる。S-1とK-1は、一度に抽出する量や本体の大きさなどはことなるが、基本的な機能は同じものである。

 一度に抽出する量を考慮すると、S-1もしくはS-2のいずれかになるのだが、これまでの自家焙煎の経験で焙煎直後よりも焙煎してちょっと時間が経った豆が好みなので、単純にS-1を選択した。また、S-1は、すでに焙煎している豆を使って抽出が行われるために、スイッチを入れてからコーヒーが飲めるまでの時間が短いという利点がある。価格に関しては、S-2が安く、S-1が高く設定されている。

 価格は63,000円だった。数日後にS-1が届いたが、まず圧倒されたのが大きさと重さである。インターネットのサイト上でスペックの記載はあったものの、実物を見ると量販店で販売されているコーヒーメーカーのイメージを覆すものであった。外観をチェックしてみると、外回りのほとんどは金属であり、約8.5kgという重量にも納得だ。

 早速、各パーツを洗って、コーヒーを点てることにした。水タンクなどの通常利用で汚れが気になるパーツはどれも簡単に取り外しが可能だ。ドリッパーには、手に入れやすい標準サイズの紙フィルターをセットする。焙煎時にでてくる薄皮(チャフ)が溜まる部分も簡単に取り外しでき、掃除も簡単になっているところなどが、日常使用でのメンテナンスが負担にならない設計になっている点がとてもありがたい。

 購入して最初の作業は、次回抽出に使う生豆を焙煎することだ。焙煎と同時にグラインドと抽出が行なわれるが、最初はグラインドする豆がないのでコーヒーも点てられないということだ。ただ、さすがに湯沸し部分の空焚きはマズいらしく、水はセットするように指示されている。

 チャフ受けは、同時に豆の計量カップになっており、これで次回の抽出で利用する分の豆を量り上面の焙煎釜へ投入する。注水口から5杯分の水をいれ、サーバー・ドリッパーをセットする。左側面のメインスイッチを投入し、前面パネルのスタートボタンを押すと、S-1が動き出す。一度生豆を投入すると、どのように焙煎されているのか、どのようにグラインドされているのかはまったく見ることはできない。コーヒー豆が焙煎釜の中でカラカラ回っている音が聞こえるだけである。


トレイを引き出して、注水する 生豆や水を入れ、サーバー・ドリッパーをセットしたら、前面のスタートを押すだけ。e-cafeの[e]の部分もボタンスイッチになっている

 しばらくすると、カラカラ回っている音に、焼けている独特の臭いや豆がハゼる音が加わってくる。自家焙煎をやっていたため、ある程度の焙煎時の煙や臭いを覚悟していたものの、S-1の場合臭いもかすかなもので、煙も確認できないほど少なく拍子抜けした。

 カラカラ音が消えると、カチカチとソレイドバルブの大きな音がして、焙煎された豆がミルに落ちていく。その後にドライヤーが動作しているような風を送る音に変わった。これは余熱で焙煎が進み過ぎないように冷やしている状態だ。

 焙煎の動作と同時に、ミルが空回りして、水が加熱されお湯となりサーバーに落ちていった。次回からはミルに焙煎された豆が入っているので、コーヒーが抽出されるというわけだ。


生豆は上面から投入する。四角の部分は触媒で焙煎時の香りを抑えてくれる コーヒーの生豆。5杯あたり25g程度を投入する

 ひと段落して、2度目の操作を行なった。今回はコーヒーを点てることになる。もちろん、今回も次回のための生豆を投入し、水をセットして「スタート」を押す。先ほど焙煎された豆がミルで粉砕され、ドリッパーの中へ落ちてくる。すべて豆が落ちてからお湯が出てくると思っていたが、実際には粉砕された豆だけで落ちてくるのは、最初だけですぐに豆とお湯が混ざった状態でドリッパーに落ちてくる。

 内部が見えないので確認はできないが、ミル内に粉砕された豆が残らないようにお湯で流しているのではないだろうか。お湯と混ざって落ちてくるために、豆に十分なお湯が絡み、美味しいコーヒーの抽出には欠かせない「蒸らし」も実現されているようだ。お湯は一気におちてくるのではなく、少しずつ落ちてくる。一気にお湯を落として抽出する方法だとスッキリとした味になるのだが、個人的には少しずつお湯を落としコクのある味のほうが好みのため、S-1の抽出方法には好感を持っている。

 焙煎が最も時間がかかる工程で約10分程度必要となる。実際にはグラインドと抽出も同時に行なわれるので、スタートを押してから約3分後にはコーヒーが飲める状態になる。

 肝心の味のほうであるが期待以上に満足いくものであった。新鮮な豆を使っているとはいえ、スタート押すだけの簡単操作でもあり、十分満足いくデキであった。一連の儀式が省かれているので、物足りなさを感じるが、結果は満足である。もちろん、せっかく美味しく点てられたコーヒーも、そのまま放置されている状態ではどんどん味が悪くなる一方だ。淹れたてをすぐに味わうというのも、コーヒーを楽しむためには重要だ。


前面のパネルを外すとミルの調整ダイヤルが現れる
 S-1は、焙煎の度合いを前面パネルで3種類選択可能だ。また、グランインドの具合も9段階に調節でき、標準は細かいほうから3段階目に設定されている。個人的には濃い目が好みなので、いろいろ試した結果、いまでは中炒りで最も細かくグラインドする設定に落ち着いている。マニュアルでは、一回に5杯分のコーヒーを点てることが推薦されているが、コーヒー豆と水の量を比例して加減すればもっと少ない量で点てることが可能だ。

 S-1本来の機能を生かしきれないが、グラインド済みの豆でも直接ドリッパーに入れれば抽出可能だ。また、マニュアルの記載はないが、焙煎され豆状態のものでも焙煎釜に投入し、ドリッパーをセットし、前面パネルの[e]の隠しボタンをしばらく押し続けることでミルのみを稼動させることができる。その後は水を入れてスタートを押して抽出すればいい。


最も細かい設定で挽いたときの、抽出後のドリッパー。うまく蒸されて膨らんでいる 焙煎後のチャフ受けに溜まった薄皮。チャフ受けをとりだして捨てるだけで、手入れも簡単だ

 さて、このS-1の評価となると、いささか難しい。自家焙煎を行なっているようなコーヒー豆ショップで、器具にあわせたグラインドを行なったものを、数日中に消費できるのであれば、S-1までの高機能なコーヒーメーカーは必要ないだろう。買った豆を新鮮な状態で消費できる環境であれば、手入れが楽で、点てたあとにコーヒーが煮詰まらない保温ポットになっているような機種が適しているのではないだろうか。ただ、生豆は比較的安く手にはいるために、大量にコーヒーを飲む環境なら焙煎機能付コーヒーメーカーが経済的な面て向いているともいえるだろう。

 また、動作音が一般的なコーヒーメーカーよりもハデなので(それはそれで楽しいものだが)、動作音を考慮せず購入してしまうと、戸惑う可能性もあるだろう。

 ただ、筆者のように飲むタイミングが不定期だが、いつでも美味しいコーヒーを飲みたいという人には向いていることには間違いない。価格が気になるところだが、スチールでしっかりした作りを考慮すると妥当な価格ではないだろうか。焙煎から抽出まで一気に行なわれるのが気にならなければ、比較的価格が低く設定されているS-2も検討してみるといいだろう。

 購入してしばらく時間が過ぎているが、手間を取られずに美味しいコーヒーが楽しめるためか、S-1を購入してからコーヒーを飲む機会が確実に増えている。手入れも楽チンで、ものぐさな筆者でも利用することが苦にならない。筆者にとって使い勝手という点は非常に重要であり、S-1に満足している大きな要因の1つになっている。一般的なコーヒーメーカーとは、大きさ、重量、価格という点で違い過ぎており、誰にでも試してもらいたいとは言えないのが微妙なところだが、個人的にはとても満足いく製品であるという点は、再度付け加えておきたい。





URL
  株式会社カフェックスジャパン
  http://www.cafexjapan.com/
  製品情報
  http://www.cafexjapan.com/product_info.php/cPath/1/products_id/99



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2006/11/27 17:13

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