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エレクトロラックス、洗濯機と乾燥機を分けたセミプロ向けの「myPRO(マイプロ)」

 エレクトロラックスは、洗濯機と乾燥機が2つに分かれたランドリー製品「myPRO(マイプロ)」を、6月上旬に発売する。価格は「脱水洗濯機 WE170V」が38万円、「乾燥機 TE1120」が33万円(税抜)。単体での購入も可能。家電量販店などでの販売を予定しており、26日から二子玉川・蔦屋家電で先行予約を開始した。

洗濯機と乾燥機を2つに分けた「myPRO」

 いずれも容量8kgのドラム式洗濯/乾燥機。同社では、業務用と家庭用の中間をターゲットにした“セミプロ”向けと位置づけている。一般家庭のほか、小規模のホテルや介護施設、幼稚園など、1日に数回洗濯機を使うユーザーの使用を想定している。

 市販の洗剤に対応しながら、プロ仕様の洗浄力とスピード乾燥、高耐久性などが特徴。

80℃の熱水で除菌洗浄ができる「洗濯機 WE170V」

脱水洗濯機 WE170V

 「脱水洗濯機 WE170V」は、約80℃の熱水による「除菌洗いコース」を搭載。同社が行なった調査によると、洗浄後24時間経過しても菌の繁殖が見られなかったとしている。

 このほか、洗浄コースは16種類あり、「30℃/40℃/60℃/80℃」のお湯洗浄を用意。血液や泥など、さまざまな汚れに対応する。皮脂洗いに最も効果があるのは60℃としており、それぞれの汚れに合った洗浄コースを選択できる。また、お湯洗浄だけでなく、「普通洗い」や「エコ洗い」なども備える。

 操作パネルは、大型LEDを採用。このほか、ドラムライトやチャイルドロック機能を搭載している。

洗浄コースは16種類用意。さまざまな湯温で洗える
操作パネルは大型LEDを採用
80℃の「除菌洗いコース」で洗浄後、24時間経過しても菌は繁殖しなかったという
皮脂汚れには60℃の温水が最も効果があるという

 業務用のパーツを採用しているため、耐久性は家庭用の3倍を実現したという。家庭用洗濯機は1日1回の運転を目安に設計されているが、幼稚園や小規模の介護施設などでは1日に数回運転することもあり、耐久性が重視されている。myPROであれば、1日に複数回運転しても問題ないという。

 本体サイズは、597×624×850mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は80.5kg。脱水スピードは1,400rpm。消費水量は65L(1回洗濯・2回すすぎ)。消費電力量は0.7kWhで、定格消費電力は1,750W。

投入口
洗剤ケース

約60分のスピード乾燥を実現した「乾燥機 TE1120」

乾燥機 TE1120

 「乾燥機 TE1120」は、国内最大クラスである8kgの乾燥容量を実現した。200Vのハイパワーにより時短乾燥ができ、4kgのコットン衣類を約66分で乾かせるという。同量の衣類を同社の100V乾燥機で乾かした場合、約105分掛かるため大幅な時間短縮を可能にしている。

 乾燥コースは、「自然乾燥」「デリケート」「標準乾燥」「送風」など16種類を用意。湿度センサーを搭載しているため、衣類の水分をチェックし、最適な仕上がりにできるほか、過乾燥を防止する。乾燥時の“衣類がゴワゴワになる”といった不満を解消するという。

 本体サイズは、596×625×850mm(同)で、重量は44kg。排気方式はコンデンサ式を採用。運転音は70dB未満。消費電力量は4.65kWhで、定格消費電力は2,250W。ドラムライトやチャイルドロック機能を搭載。

時短乾燥ができ、4kgの衣類を約66分で乾かせる
乾燥コースは16種類

2台を重ねて縦置き可能。マンションにも設置できる

 いずれも本体下部に収納台が付いており、洗剤などをしまっておける。洗濯カゴも備えられているため、洗濯後の衣類を簡単に持ち運べる。

 なお、本体の設置は、電源を100Vから200Vに切り替える必要があるが、家庭用洗濯機と同様に置くことができる。吸水や排水ホースは家庭用と同じで、簡単に使用できるという。

 マンションなどで2台を横に並べられない場合は、洗濯機の上に乾燥機を積んで縦置きも可能。縦置きする場合は、乾燥機の収納台は外し、別売りのスタックキット(2段積み専用部材)を使用する。

本体下部に、洗剤などをしまっておける収納台が付いている
カゴも備えており、洗濯後の衣類を持ち運べる
家庭にも簡単に設置できるとしている
スタックキットを使用すれば縦置き可能

業務用と家庭用の中間層“セミプロ”市場の確立を目指す

エレクトロラックス プロフェッショナル 浅井 伸宏氏

 同社の日本市場における販売構成は、掃除機が43%を占めている。しかし、それと同等の割合を持つのが業務用ランドリーで、病院や介護施設、コインランドリーなどに事業展開している。今回の「myPRO」は、そうしたプロ向けの製品を、家庭でも使用できるようにしたモデルだという。

 同製品は、2015年に欧州で先行販売した結果、ドイツやフランス、イギリスで好評を博した。欧州で確立された“セミプロ”市場を、日本でも展開していくとしている。

 エレクトロラックス プロフェッショナル 浅井 伸宏氏は、myPROのターゲット層について次のように語った。

 「現在、日本のランドリー市場は、業務用と家庭用に分かれていて、その中間層がありません。しかしここには、小規模のホテルや介護施設、ヘアサロン、幼稚園などさまざまなユーザーがいます。中間層の方は、家庭用洗濯機を使用する例が多くありますが、そこにmyPROを導入することで新たな市場を生み出せるでしょう。家庭用としても、プロツール嗜好の方や、除菌性能にこだわる方に興味を持っていただけると思います」

日本市場の販売構成は、業務用ランドリー事業が掃除機と同等の割合を持つ
myPROで、業務用と家庭用の中間層“セミプロ”市場を狙う

西村 夢音