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人を持ち上げられるほどの吸引力を持つサイクロン掃除機

サイクロンクリーナー「パワーブーストサイクロン CV-SC700」

 日立アプライアンスは、キャニスター型のサイクロンクリーナー「パワーブーストサイクロン CV-SC700」を7月18日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は80,000円前後(税抜)。

 ヘッド部に、強い吸引力と軽い操作性を持つ「ジェット吸引 スマートヘッド」を採用したサイクロン式クリーナー。ヘッドと床面の気密性を向上して圧力を高め、高速風を発生させることで吸引力をアップしたという。本来、気密を上げるとヘッドが床に張り付いてしまうが、上面に空気の取り入れ口を設けたことで空気の流れをつくり、張り付きを抑えている。

 また、回転ブラシの駆動力を利用した「パワフル自走機能」を備え、高い吸引力ながらも軽い操作性を実現している。

新開発の「ジェット吸引 スマートヘッド」
ヘッドと床面の気密性を向上し、圧力を高めて吸引力をアップした
上面から風を送り込むため、ヘッドが床に張り付かないという

しっかり掃除をする週末向けのキャニスター型

日立アプライアンス 取締役 家電・環境機器事業部長 松田 美智也氏

 近年、掃除機市場はロボット掃除機やスティッククリーナー、ふとん掃除機などの需要の高まりから、複数台所有する家庭が増えている。同社では、今後もこの傾向は続いていくとしており、スティック型は平日の簡単な掃除に、ハンディ型はふとんやソファ向けなど、さまざまな用途に合わせた製品を展開していく。

 今回のキャニスター型は、週末にしっかり掃除をするときなどに適した製品だという。

 日立アプライアンス 取締役 家電・環境機器事業部長 松田 美智也氏は、キャニスター型の需要について次のように語った。

 「現在、掃除機は一家に複数台の時代です。しっかり掃除をするのに向いたキャニスター型は、吸引力を重視する声が多くあります。また、それと同時に本体が重いといった不満も多くあり、これらの意見を反映したのが新モデルの『CV-SC700』です。掃除機能を追求し、ヘッド部を見直すことでさらに吸引力を高めながら、軽い操作性も実現させました」

掃除機は一家に複数台の時代だという
キャニスター型は週末にしっかり掃除をするときに使われるため、吸引力に着目
「ジェット吸引 スマートヘッド」のカットモデル

 会場では、従来モデルの「CV-SA700」と、ジェット吸引スマートヘッドを付けた新モデル「CV-SC700」で、ゴミ取れ性能の比較実験が行なわれた。深い穴にゴミを埋めた「穴ボード」、小麦粉を撒いた「じゅうたん」、溝に小麦粉を埋めて壁際に砂を撒いた「フローリング」の3タイプで実験。

 いずれも、従来モデルを使用した場合は2~3往復させないとゴミを完全に吸引できなかった。新モデルでは、いずれも1往復しただけでゴミを完全に吸い取っていた。

ゴミ取れ性能の実験
穴ボードでは、「CV-SC700」は1往復させただけで全ての穴のゴミを吸引できている
小麦粉を撒いたじゅうたん。従来モデルで1往復させた結果。全て取り切れていない
こちらも「CV-SC700」では1往復でキレイに
溝に小麦粉を撒いたフローリング
どちらも1往復させた。「CV-SC700」では、横の溝のゴミも取れている

吸込仕事率430Wで人も持ち上げられるほどの吸引力

集じん部「パワーブーストサイクロン構造」の形状を最適化させて吸込仕事率をアップ

 本体の吸引力も高くなり、吸込仕事率は従来比10Wアップの430Wを実現。モーターの送風機効率向上や、力強いサイクロンを発生させる集じん部「パワーブーストサイクロン構造」の形状を最適化させたことでアップしたという。

 吸込仕事率の実験では、体重55kgの男性が器具にぶら下がったところに掃除機を取り付けて、電源を入れたら持ち上げられるかどうかの比較が行なわれた。今回は、吸込仕事率200Wの従来モデル「XV-PE9」と、新モデル「CV-SC700」で比較。

 「XV-PE9」では、男性がぶら下がった後、掃除機の電源を入れて吸い上げようとしてもそのままだった。しかし、「CV-SC700」では、電源を入れて数秒経つと男性がしっかり持ち上がっていた。

 なお、今回は吸引力を実証するためのデモンストレーションであり、同社では危険なので真似しないでほしいと呼びかけていた。

体重55kgの男性がぶら下がる
吸込仕事率200Wの従来モデル「XV-PE9」で吸い上げる
特に変わらなかった
再びぶら下がる
新モデル「CV-SC700」で吸い上げる
持ち上がっていた

 機能面では、小回りの利くヘッドで壁際やすき間をスムーズに掃除できる「クルッとヘッド」や、ヘッドを踏むと手元でパイプの長さを調節できる「サッとズームパイプ」、ヘッドが浮かずに家具の下の奥まで掃除できる「ペタリンコ構造」などを従来モデルより継承する。

 ダストカップはワンタッチで取り外せ、パーツは全て水洗い可能。

 本体サイズは、240×336×290(幅×奥行き×高さ)で、本体質量は3.6kg。最大消費電力は約960W。運転音は最大約55dB。付属品は、ワイド曲が~るロング吸口、クルッとブラシ、サッとハンドルを用意。本体カラーは、ディープレッドとディープシャンパンの2色。

小回りの利くヘッド
家具の下に入れたときもヘッドが浮かずに掃除できる
ヘッドを踏むとパイプの長さを調節できる
ダストカップはワンタッチで外せる
ディープレッドとディープシャンパンの2色を用意

 下位機種として、吸込仕事率が420Wの「CV-SC500」、410Wの「CV-SC300」も同時に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に、7万円前後、6万円前後(税抜)。

 小型軽量タイプで、集じん方式に「2段ブーストサイクロン」を採用した「CV-SC100」と「CV-SC90」は8月8日に発売。価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に4万円前後、3万円前後(税抜)。どちらも「ジェット吸引 スマートヘッド」は採用していない。

吸込仕事率が420Wの「CV-SC500」、410Wの「CV-SC300」
小型軽量タイプの「CV-SC100」、「CV-SC90」

排気のキレイな紙パック式の最上位モデル

紙パック式の最上位モデル「かるパック CV-PC500」

 このほか、紙パック式の最上位モデル「かるパック CV-PC500」を9月中旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は65,000円前後(税抜)。本体カラーは、シャンパン、レッド、ブルーの3色。

 紙パック式における、ゴミが溜まるまで紙パックを交換できず、排気のニオイが気になるという悩みを解消したモデル。独自の「高気密モーターケース」や「高集じんフィルター」で排気をキレイにできる点が特徴。上方排気構造を採用し、掃除中に床面のホコリも舞い上げないという。

 本体質量は2.4kgと軽量で、ハンドルを持って本体を持ち上げたときもバランスをとりやすい重心設計にしている。吸込仕事率や消費電力などのスペックは未定。

排気のキレイさも実験。従来モデルでは排気が多く出ている
「CV-PC500」ではクリーンな排気を実現
従来モデル(左)と比較して小型軽量化している
紙パック式では吸込仕事率が業界No.1の「CV-PC30」

 また、吸引力を重視した「CV-PC30」を7月18日に発売する。紙パック式では業界No.1の、吸込仕事率約680Wを実現した点が特徴。価格はオープンプライス。店頭予想価格は55,000円前後。本体カラーは、シャンパンとルビーレッド。

 「CV-PC500」と「CV-PC30」は、いずれも「ジェット吸引 スマートヘッド」を採用している。

西村 夢音