シャープ、低速で野菜や果物の栄養素を多く残すジューサー「ジュースプレッソ」
「juicepresso(ジュースプレッソ) EJ-CP10A」レッド(手前)、ホワイト(奥) |
シャープは、野菜や果物の栄養素を多く残す低速回転のジューサー「juicepresso(ジュースプレッソ) EJ-CP10A」を6月22日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は36,000円前後。
野菜や果物などを果汁と繊維質に分けるジューサーの新製品。ジュースプレッソでは、独自の「低速圧縮絞り」を採用し、従来のジューサーが抱えていた問題点を解決している点が特徴。
従来のジューサーでは、金属製の円盤状のおろし金が1分間に約1万回転以上して食材を切り刻み、その後フィルターで濾過して果肉と果汁を分ける。一方、ジュースプレッソでは、カッターなどは使わず、独自の樹脂製のスクリューで食材を石臼のように押しつぶして、果汁を搾る。回転数は1分間に32回転と、従来の約1/250以下に抑えている。
本体側面 | 本体背面 | 操作スイッチ |
果汁と果肉を分けて出すため、本体には2つの抽出口が備えられている | 本体上部 | 食材投入口 |
食材を石臼のように押しつぶす独自の樹脂製のスクリュー | スクリューがセットされているところ | 本体からスクリュー部分を取り外したところ。取り外した部分は全て水洗い可能で、食器洗い乾燥機にも対応する |
これらの機構からジュースプレッソでは「おいしさ」「健康」「使いやすさ」の3点において、従来のジューサーよりも優れているという。
まず、「おいしさ」については従来のジューサーに比べて圧倒的に回転数が少ないため、振動や飛び散りが少なく、従来のジューサーでは対応できなかった、ショウガやゴボウなどの固い食材やコーンや大豆などの粒状の食材にも対応する。シャープでは、フレッシュジュースに留まらず、スープ作りなどにも役立つとしている。
次に「健康」については、従来のジューサーよりも多くの栄養素を残すことが可能となっている。従来型のジューサーでは高速回転時に大量の空気が混入するため、ポリフェノールやビタミンCなどの栄養素がダメージを受け、ジュースにした時の残存量が少なかったという。一方、ジュースプレッソでは、食材をゆっくり押しつぶすので、断面積が少なく、栄養素がダメージを受けにくい。これにより、リンゴジュースを作った時のポリフェノールの残存量は従来より約47%、オレンジジュースを作った時のビタミンCの残存量は従来より約20%多いという。
ショウガや粒状の食材など、従来のジューサーでは対応できなかった食材にも対応する | 従来タイプのジューサーで作ったトマトジュース(左)と、ジュースプレッソで作ったトマトジュース(右)。従来のジューサーで作ったトマトジュースは空気を多く含んでいるため、水分と果肉部分が分離してしまっている |
従来タイプのジューサー(左)と、ジュースプレッソ(右)でリンゴジュースを作り比べてみる | こちらはシャープが海外向けに作っているジューサー。ジュースプレッソに比べるとサイズもかなり大きい | 従来タイプのジューサーで作ったリンゴジュース(左)と、ジュースプレッソで作ったリンゴジュース(右)。従来タイプのジューサーで作ったリンゴジュースは既に酸化が始まっていて、茶色くなってしまった |
「使いやすさ」については、刃を使わない樹脂製のスクリューを採用することで、安全に手早く手入れができるようになった。従来のジューサーでは、内部のパーツで果汁を濾過していたため、使用後には繊維が飛び散り、洗うのに手間がかかっていた。ジュースプレッソでは、繊維を出す口を別に設けることで、内部に繊維が詰まることなく、簡単に手入れができるという。
シャープでは、繊維が簡単に取り出せるため、残った繊維を料理などに活用できるとしている。本体には、ジュースレシピのほか、繊維を活用したレシピも掲載されたクックブックが付属する。
オレンジジュースを作ったところ | 左の抽出口からは繊維が、右の抽出口からは果汁が出てくる仕組み | 繊維はこのように取り出せる |
付属のレシピブックに掲載されているジュースレシピ | 繊維を作ったレシピも掲載される | オレンジの繊維を使って作ったマーマレイド |
また、使用後に水を入れることで、内部のパーツを簡単に水洗いできるため、違う食材を使った別のジュースを続けて作ることもできる。
使用後に水を入れることで、内部のパーツを簡単に水洗いできる | 抽出口から透明な水が出てきたら、次の食材に使えるという合図 |
省エネ性では、省エネ性能が高いDCモーターを採用。家族4人でリンゴジュースを毎日1杯作った場合の電気代は1年で約60円。また、モーター直接スクリューを駆動するダイレクトドライブ方式を採用したことで、従来のジューサーよりも底面積を大幅に少なくした。
本体サイズは137×192×415mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約5.2kg。消費電力は150W。電源コードの長さは約1.4m。
調理システム事業部長 長谷川実氏 |
ジュースプレッソは、シャープが約20年ぶりに発売する本格的なジューサーとなる。低速回転による栄養保持を特徴としたジューサーはこれまでにも発売されているが、シャープでは、従来製品との違いを「省エネ性の高いDCモーターを採用していること。サイズがコンパクトであること」(調理システム事業部長 長谷川実氏)と述べた。
会場には、シニア野菜ソムリエを取得し、親子の食育を得意として活動する立原瑞穂氏も登場。「(自身の経験や活動から)野菜やフルーツが大事なのはわかっているが、毎日とるのは本当に大変。ジュースプレッソなら、栄養素の残しながら楽しくおいしく、野菜やフルーツが採れるのでおすすめです」とコメントした。
また、立原氏が考案した「りんごと豆乳のジュース」の実演も行われた。立原氏は、「大豆の水煮とリンゴをカットしたものを一緒に入れるだけなので、本当に簡単にできる。運転音も小さくて、小さいお子さんが居る方も安心して使えます」と製品の魅力を伝えた。
立原瑞穂氏 | 大豆の水煮とリンゴをカットしたものを一緒にジュースプレッソに入れて作る「りんごと豆乳のジュース」の実演を行なった | できあがった「りんごと豆乳のジュース」。リンゴの酸味と豆乳のまろやかなコクがマッチして飲みやすい味に仕上がっていた |
(阿部 夏子)
2012年6月13日 14:40