日立、「真空熱封」で上手に節電できる炊飯器
圧力&スチーム RZ-W1000K |
日立アプライアンスは、内釜を囲む内壁に真空容器を採用したIH炊飯器「圧力&スチーム RZ-W1000K」を8月中旬より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は9万円前後。
日立のハイエンドモデルに当たる高級炊飯器。圧力とスチームを用いた独自の炊飯工程により、最高1.3気圧、107℃の高温で炊き上げることで、ご飯の甘みを引き出して炊き上げることができるという。また、ご飯の乾燥を防ぎながら長時間保温ができる「給水レスオートスチーマー」や、炊飯中にほとんど蒸気を出さない「蒸気カット」機能なども搭載する。
製品本体 | カットモデル | 内釜はIH発熱効率が高い熱を使った「打込み鉄釜」を採用 |
炊飯中に発生する蒸気を二重の内蓋に閉じこめ、蒸気を水に変えて、スチームとして蒸らし・保温時間に使用する「給水レスオートスチーマー」搭載により炊飯中に発生する蒸気を抑えることができる | 2種類の蒸気センサー | 蒸気を回収する大型の「蒸気キャップ」は本体天面に設けられている |
RZ-W1000Kでは、これらの基本機能はそのままに、新構造を採用。保温機能と省エネ機能をさらに向上させている。
同社の調査によると、炊飯時に多めの量を一気に炊いて、保温や保存するという人が多い一方、震災以降の節電行動として「炊飯器の長時間保温をしない」を挙げた人が多かったという。
新モデルでは、節電しながらもおいしくご飯を保温できるように、真空容器で内釜を取り囲んで中の熱を封じる「真空熱封」構造を新たに採用した。断熱効果のある真空容器で内釜を取り囲むことで、内釜からの熱が逃げにくくなり、炊飯・保温時の加熱を抑えられるという。
普段の炊飯は多めに炊いて、保温や保存するという人が多い一方、震災以降の節電行動として「炊飯器の長時間保温をしない」を挙げた人が多かった | 容器で内釜を取り囲んで熱を封じる「真空熱封」構造を採用 | 「真空熱封」の断面図。底面と側面に設けられているIHヒーターもカバーしているため、中の熱を逃がさないという |
釜の周りに真空容器が配置されている | 中には真空の層が設けられている | 真空熱封構造により保温や炊飯の際の熱を効率的に利用できるという |
本体には、この構造を活かした「節電保温」モードを搭載。これはメインのIHヒーターを使わず、結露を抑制するヒーターのみを稼働させるモードで、6時間の保温にかかる電気代は0.7円。保温開始時90℃のご飯を50℃以上で保つことができるという。
また、定期的に釜内にスチームを送りこむ保温モードも搭載する。加熱時間が抑えられるため、ご飯の乾燥を防ぎ、ご飯の水分量を保持することができるという。
炊飯工程では、真空の断熱効果により、100℃以上の高温を維持できる時間が従来より約5分長い、約25分となった。高温で加熱した後、高温スチームで蒸らすことで、より一層おいしいごはんを炊き上げることができるという。
ほとんど電気を使わずに保温する「節電保温」機能を新たに搭載 | 断熱効果により、炊飯工程中に高温を長時間維持できるほか、保温時の乾燥を防ぐ効果もあるという |
省エネ性能では、真空熱封構造やIH発熱効率が高い内釜、独自のセンシング技術などにより、消費電力量は従来より約9.5%低減、年間消費電力量は68.97kWh/年を実現。これは、同クラスのIH炊飯器としては業界No.1の省エネ性能に当たるという。
運転モードでは、真空熱封の保温性を活かし、豚の角煮や筑前煮などを少ない消費電力で煮込む「保温調理」機能、約60℃の高温で米を浸して、おいしいご飯を炊き上げる「高温浸し 極上炊き」コースなどを搭載する。
独自の構造やセンシング技術などにより業界No.1の省エネ性能を実現 | 保温性を活かした「保温調理」を追加 |
本体サイズは267×361×246mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は7.8kg。消費電力は1,400W。本体カラーはメタリックレッド、パールホワイト。
日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏 |
日立アプライアンス 常務取締役 家電事業部長 石井吉太郎氏は、今回の炊飯器が被災した茨城県 多賀工場で、開発されたことを明かした。「3月11日に、大変な被害をうけながら3月22日には操業を開始した。今日の発売までなんとか漕ぎつけたという想いも強く、思い入れは格別」と語った。
(阿部 夏子)
2011年7月26日 16:51