三菱、独自のセンサー“ムーブアイ”で乾きムラを抑える除湿乾燥機

~通常より約30%省エネする「エコ干しモード」も

より細かく検知する「ムーブアイ」で部屋干しの乾きムラをさらに抑制

MJ-100FX

 三菱電機は、洗濯物の位置をセンサーで検知し、狙って送風する除湿乾燥機「衣類乾燥除湿機 MJ-100FX」を、5月前半に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は43,000円前後。

 部屋干しした洗濯物を効率よく乾かす除湿乾燥機。三菱独自の赤外線センサー「部屋干し3Dムーブアイ」で、洗濯物の表面温度を細かく検知し、乾いていない衣類だけを狙って送風、乾燥を終えると自動停止する点が特徴となる。

 今回のMJ-100FXでは、ムーブアイの検知エリアが、従来モデル「MJ-100EX」の441エリア(上下21×左右21)から、新たに529エリア(上下23×左右23)に増えた。洗濯物の位置と乾き具合、乾きムラを判別し、小さな洗濯物もしっかりと見分けることができるという。

 送風機能では、乾いていない洗濯物や乾きムラをピンポイントで送風する「3次元広角狙えルーバー」を採用。厚手の洗濯物や遠くに干した洗濯物の乾きムラを解消し、ニオイなどの不快感を抑制するという。従来モデルと比べると、上下のスイング角度が150度から160度に拡大した。左右は100度で変更はない。

MJ-100FX 本体送風口中央にあるのが、独自のセンサー「部屋干し3Dムーブアイ」本体前面パネルには、ムーブアイのロゴがある
検知エリアは従来の441エリアから529エリアと、より細かく検知できるようになったムーブアイで洗濯物を見分けて、そこを狙って風を送るのが特徴
「3次元広角狙えルーバー」は、上下のスイング角度が10%拡大した3次元広角狙えルーバーのモックアップモデル
送風時のルーバーの動きポロシャツを乾燥するデモ運転。最初の3分間はルーバーを上下左右にスイングしながら、洗濯物をムーブアイで検知。検知後は濡れたポロシャツ(動画左)だけを送風している

送風と除湿風を組み合わせて節電する「エコ干しモード」を新搭載


消費電力を抑制する「エコ干しモード」を新搭載した

 新機能としては、消費電力を抑える「エコ干しモード」を搭載。これは、洗濯物乾燥の初期段階は除湿せずに送風のみ、後半から除湿した乾燥風を送ることで、電気代を節約しながら洗濯物を乾燥するという機能。最初から最後まで除湿した風を送る標準モードと比べると、運転時間は長くなるものの、消費電力は約30%抑えられるという。

 洗濯物が2kgの場合の衣類乾燥時間は、標準モードが74分、消費電力量は340Wh、電気代の目安は約7.5円。エコ干しモードは衣類乾燥時間が191分、消費電力量は299Wh、電気代の目安は約6.6円(どちらもムーブアイありの場合)。

三菱電機ホーム機器 家電製品技術部 任田保満次長
 三菱電機ホーム機器の家電製品技術部の任田保満次長によれば、「除湿乾燥機は、基本は乾いた風を洗濯物に当てているが、300W弱の電気代が掛かっている。しかし、水分を多く含んでいる初期段階では、室内の湿度が極端に高い場合を除き、風を当てているだけで基本は乾いていく」という。なお、MJ-100FXの送風時の消費電力は50W程度とのこと。

 「後半は除湿風を当てて、衣類の奥に溜まった水分を出す。これによって、洗濯ものはしっかり乾き、洗濯物から出た水分も吸収できる。お急ぎの方は標準モード、時間に余裕がある場合はエコ干しモードを使っていただくと、しっかり乾きながら、電気代を抑えることができる」(任田氏)

 このほか、水洗いに対応したフィルター「プラチナ抗菌フィルター」、送風運転で本体内部を清潔に保つ「内部クリーン」運転、湿度を1%刻みで表示する「デジタル湿度表示」なども備える。また、脱衣所から浴室に乾いた風を送ってカビの発生を抑制する「浴室カビガード」機能も用意されている。

 本体サイズは360×210×534mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は12.7kg。除湿能力は1日当たり9/10L(50/60Hz)で、最大消費電力は245/275W(同)。排水タンク容量は3L。オフタイマーは4時間と8時間。運転音は39/46dB(弱/強)。本体カラーはスカイブルー。

操作パネル2009年モデル(左)との本体サイズの比較
タンク容量は3L取っ手もついている
 下位モデルとして、MJ-80FXも同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は37,000円前後。除湿能力は1日当たり7.1/8L(50/60Hz)で、エコ干しモードは用意されていない。本体カラーはミントグリーン。


2010年の売上は好調。2011年は震災の影響などで平年並みの予測

 2011年の除湿乾燥機の市場動向については、三菱電機では平年並みとなる約60万台との予想。震災の影響で生産規模や需要にリスクがあるものの、除湿機による衣類乾燥の認知度は上がってきているという。2010年度については、最盛期に雨が降ったことで、2009年度比で14%増となる64万7千台と、好調な数値を記録した。

2002年~2011年の除湿機の需要動向。2010年は好調な売り上げを記録した同社調べによる、衣類乾燥に用いる機器の特徴とコスト。除湿機はマイナスが少ない





(正藤 慶一)

2011年4月18日 16:06