輪番停電に備える手段を考える
東京電力は、11日に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、14日朝より計画停電を実地することを発表した。この記事は、この計画停電に対する対策を考える試みの1つだ。
今回の計画停電は、東京電力のサービスエリア内を5つのグループに分けて行なうもので、14日朝6時20分から開始される。該当地区は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、栃木県、群馬県などの地域で東京23区の一部も、停電の対象となっている。計画停電の詳しい情報などは、東京電力や各地方自治体のWebサイトで公開されている。
なお、停電は電力の供給網単位で行なわれるため、同じ地区であっても、実施グループが分かれている場合がある。また、グループが特定できる場合でも、実施時間がずれる可能性があるという。極端なことを言えば、いつ停電しても良いように備えておいた方が良さそうだ。
しかし、震災によるものなので、仕方がない面もあるが、告知から実施までの時間が短かったのは残念なことだった。前日に告知されて、一番早い地域では早朝の6時20分から開始されるのでは不意打ちをくらう人もいるだろう。すこしでもそれを補うためか、別の記者の自宅周辺では、深夜にもかかわらず、自治体の広報放送などで停電情報の告知が開始されたという。
停電対策を求めて、家電メーカー各社のWebサイトをチェックしてみたが、いまのところ東芝のWebサイトが一番まとまっている。白物家電だけではなく、AV機器などの黒物家電についても触れられているので、参照されたい。各製品についてより詳しく知りたい場合は、Q&Aコーナーで「停電」というキーワードで検索すると情報が見つけやすい。
また意外なところでは、温水洗浄便座の一部では、停電時に洗浄だけではなく汚物を流すことができないものもある。停電時の操作が別に用意されている機種もあるので、事前に取扱説明書で確認しておきたい。これはTOTOのWebサイトがよくまとめられている。他社の場合は、型番で検索するのが早いだろう。
以上の2つのサイトに書かれていること以外で、いくつか停電時の一般的な注意事項を記載しておきたい。家電製品以外の生活関係も少し記しておく。
1)暖房器具や電気ポットなど発熱する電気器具は、いつ通電が再開しても良いようにコンセントを抜いておく。節電も兼ねて、使用していない電気製品のコンセントも抜いておいた方が良いだろう。
2)夜間の停電に備えて、懐中電灯と乾電池を用意しておく。
3)冷蔵庫については3時間程度は冷気が保てるので、できるだけ開閉しない。
4)携帯電話やノートPCなどの通信手段は、あらかじめ充電しておく。
5)乾電池で動作するラジオがあれば準備しておく。
6)水道が断水する可能性があるので、汲み置きを用意しておく。調理をせずにすむ料理を用意しておくのも良いだろう。
7)可能であれば外出を控える。交差点の信号機も停止する可能性が高いので、できるだけ公共交通機関を利用する。交通機関も通常時とは異なる運用となっているため、Webサイトなどで確認する。
8)停電時間帯および、その前後ではエレベーターの使用を避ける。
電力会社による計画的な大規模な停電は、60年以上前の戦後の混乱期以来とされており、ほとんどの人にとって初めての経験だ。落雷や事故による小規模な停電でも、大きな騒ぎになるのに、地区単位で停電するとどのようなことが起きるのか不安はある。ただ、電気だけでなく、いろいろなものが欠乏しているであろう被災地の方のことを思えば、ぜいたくは言いたくない。できる範囲の準備をして備えたいと思っている。
(伊達 浩二)
2011年3月14日 02:55