シチズン電子、世界最高レベルの大光量LEDを開発
左上から26Wタイプ「CL-L330-C26-N」、右下41Wタイプ「CL-L340-MC41L1-C」 |
シチズン電子は、世界最高レベルの大光量の照明用白色LED、26Wタイプの「CL-L330シリーズ」と、41Wタイプの「CL-L340シリーズ」を開発したことを発表した。全光束の値は26Wタイプ「CL-L330-C26N-C」で2,800lm、41Wタイプ「CL-L340-C41N-C」で4,390lm。
製品名 | CL-L330-C26N-C | CL-L330-MC26L1-C | CL-L340-C41N-C | CL-L340-MC41L1-C |
タイプ | 26Wタイプ | 41Wタイプ | ||
色温度 | 5,000K | 3,000K | 5,000K | 3,000K |
全光束 | 2,800lm | 1,960lm | 4,390lm | 3,060lm |
平均演色評価数 | Ra=67 | Ra=83 | Ra=67 | Ra=83 |
発光効率 | 104lm/W | 73lm/W | 105lm/W | 73lm/W |
入力電流 | 720mA | 900mA | ||
熱抵抗 | 1.7℃/W | 1.0℃/W | ||
サイズ | 19×28.5×1.4mm(幅×奥行き×高さ) | 28.5×28.5×1.4mm(同) |
同社によると、これまではLED1個あたりの光量が少なかったため、LED電球などの照明器具には複数のLEDを設置する必要があった。複数のLEDを照明器具に配置するためには、LEDの設置面積を確保しなければいけないため、照明器具の形状が大きくなってしまうほか、複数個の光源があるため、光を制御する反射板の設計が複雑化するという問題もあったという。
シチズン電子ではこれらの問題を踏まえ、独自の高密度実装技術を用いて、同社従来比2倍以上の大光量LEDの開発を進めた。これは、比較的効率の高い小型の発光素子を1個のパッケージ内に大量に実装したことで実現したものだという。
また、LEDの高寿命を維持するために、効率的な放熱ができる構造を採用したほか、LEDパッケージの裏面全体を放熱経路として利用している。これにより迅速な熱拡散が可能となり、放熱性は従来比で30%以上、向上している。
一方、LEDでは光量が飛躍的に増大することで、色を再現する演色性は損なわれる傾向がある。LEDの性質上、両立が難しい二律背反する課題だが、同社では色温度別に演色性を設定。寒色系の色温度5,000K仕様では発光効率を重視、暖色系の暖色系の色温度3,000K仕様では演色性を重視しているという。
今後の用途としては、寒色系の色温度5,000K仕様は屋外照明用として想定。LED1個で一般的な水銀ランプ100W相当の光量を確保できるため、約60%の電力削減が可能になるという。暖色系の色温度3,000K仕様は屋内照明用を主な用途として想定する。41Wタイプの「CL-L340シリーズ」の場合、LED1つでハロゲンランプ150W相当の光量を確保できるため、約70%の電力削減が見込めるという。
なお、これらの製品は10月27日より中国・香港で開催される「香港インターナショナル・ライティング・フェア2010」に出展される。
(阿部 夏子)
2010年10月21日 18:22