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キングジム、可変キーボード搭載のノートPCを発表
(2015/12/8 17:12)
キングジムは、Windows 10搭載のノートPC「PORTABOOK(ポータブック) XMC10」を2016年2月12日に発売する。価格はオープンプライスで、予想実勢価格は90,000円前後。同製品の発表会を都内で行なった。
キーボードが左右に分かれ、弧を描きながらスライドして2つに畳める「スライドアークキーボード」を採用したノートPC。ディスプレイサイズは8型でありながら、使用時のキーボードサイズは、12型のノートPCと同等の大きさを実現。打鍵感のしっかりとした、安定したフルキーボード仕様で使える。未使用時には8型のノートPC と同等サイズ、A5の手帳サイズになり、高い携帯性を確保できるという。
出張時の使いやすさに絞ったノートPC
商品開発部の冨田正浩氏によれば、同製品は出張の多い自身の体験を元に企画した製品だという。飛行機や新幹線など、スペースが限られた場所で、いかに快適に端末を使えるかに特化したと話す。
「ポータブックの最大の特徴は、携帯性と操作しやすいサイズのキーボード、必要な端子類を両立した点にあります。携帯性に優れたタブレットは、キーボードがなく仕事がしづらい面がある。ノートPCの場合は、画面が小さいとキーボードも小さくなり使いづらい。またキーボードを優先させると、画面なども大きく、持ち運びづらいノートPCしか選べなかった。ポータブックは、それらの不満を解消する端末です」
キーボードのキーピッチは、横18mm/縦15.5mmで、キーストロークは1.5mm。12型のノートPCと同様の打ちやすさと、しっかりとした打鍵感を備えている。また、「G」と「H」の間には、ポインティングデバイスとして、光学式のフィンガーマウスを搭載している。
なおキーボードにはカナ表記はなく、アルファベットのみ。冨田氏によれば、これはデザインを優先したためだという。
折り畳んだ時の本体サイズは、約204×153×34mm(幅×奥行き×高さ)で、使用時の幅は約266mm。重さは約830g。ディスプレイには、ノングレア仕様の8型TFTカラー液晶(1,280×768ドット)を採用。外部ディスプレイ出力は、HDMIで最大3,840×2,160ドット(4K出力/30Hz)、VGAで最大2,048×1,536ドット。32GBのストレージ容量を持つ他、SDメモリーカードスロットを備える。約3時間の充電で、約5時間のバッテリー駆動が可能。
ポータブックは、ニッチ商品とはいえない、大きな市場を作り出す可能性がある商品
発表会で登壇した代表取締役社長 宮本彰氏は、「ポータブックは、テプラ以来のチャレンジングな製品。コモディティ化が進み、競争の激しいPC市場だが、これまで培ってきた物づくりの技術を投入し、ポータブックで挑む」と語った。
さらにポータブックを「スペック市場主義で作った商品ではない。PC市場を変えるものではないけど、明日の出張は変えられるかもしらない。そんな製品です」と続けた。
また、ポータブックの企画が会議で上申された時の気持ちを次のように話した。
「キングジムは他社と同じような商品は出さない会社です。差別化された商品、ちょっと変わった製品、つまりニッチな製品しか出さない。そのため、PCに関しても、本命になりうる商品では参入しません。
その上で、ポータブックの製品概要を見ると、十分に差別化でき、新たな市場を作り出せる商品だと思ったので、開発のスタートを決断しました。
そして開発が進み、製品化が近づくにつれて、ポータブックの可能性を感じるようになりました。隙間を狙ったつもりの製品でしたが、もしかすると隙間とは言えない、新しく大きな市場を作り出す可能性があるのではないかと期待しはじめるようになりました」