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パナソニックとNTTが東京オリンピックに向けた業務提携を発表

パナソニック 津賀社長(右)、日本電信電話 鵜浦社長(左)

 NTT(日本電信電話株式会社)とパナソニックは、「映像サービスの革新」や、「ユーザーエクスペリエンスの進化」を目指した業務提携を行なうことで合意した。17日に都内で行なわれた発表会には、パナソニック 代表取締役社長 津賀一宏(つが かずひろ)氏、日本電信電話 代表取締役社長 鵜浦博夫(うのうら ひろお)氏の両社長が参加し、自ら内容について説明した。

 具体的な業務提携の内容としては、NTTが得意とする「ブロードバンドソリューション」とパナソニックが得意とする「高品質映像ソリューション」を組み合わせることで、新たな映像コミュニケーションのスタンダードモデルなどを提案していく。

 今回の取り組みは、2020年に開催される東京オリンピック、さらにその後の“未来”に向けて行なわれるもので、相互に技術を提供することで、新たなサービスの共同開発などを通じて「来るべき未来」を実現するとしている。

パナソニックが得意とする「高品質映像ソリューション」とNTTが得意とする「ブロードバンドソリューション」を組みあわせて新たなサービスを創出していく
両社の得意分野を組み合わせたサービスを都市部のみならず、全国、さらには世界に提供していくという

 主な提携分野としては、映像エンターテイメント分野、安心・安全分野の2つを挙げる。

 映像エンターテイメント分野では、高品質なAVデバイス/システムとブロードバンドサービスを活用し、スタジアムにおいて観客の好みの映像を楽しむことができるサービスや、臨場感あふれる映像を世界に届けるサービスなどを提案。スタジアムのみならず、様々な映像エンターテイメント分野での展開を図る。

スタジアムにおいて観客の好みの映像を楽しむことができるサービスや、臨場感あふれる映像を世界に届けるサービスなどを提案

 「2020年の東京オリンピックには、様々な人たちが集まってくる。おおいに楽しんでいただくというのが狙い。ユニバーサル社会の実現がテーマ。ネットワークをフルに活用して、モバイルでも使えるような新しい映像サービスを提供していきたい」(パナソニック 津賀社長)

 安心・安全分野では、映像モニタリングシステムとサイバーセキュリティ技術などをベースに、必要な情報を必要なときに手に入れられるサービスを提供することで、訪日外国人や高齢者にも優しい社会を実現するという。

必要な時に必要な情報が得られるサービスを展開。写真は車内で情報を得ているというイメージ写真
現在のサービスは使い方がバラバラだが、シンプルで使いやすいユーザーインターフェースに統一していくという

 「情報サービスのオープン化と、情報サービスの受け手であるインターフェースの最適化が大きなテーマ。今、街には様々な案内が街に溢れているが、そのほとんどがアナログで、東京においても欲しい情報が欲しいときに得られるという状況ではない。デジタルサイネージを多目的に使っていくためには、ユーザーインターフェースを標準化していくことが必要。

 ある場所では撮影するだけ、ある場所ではかざし、またある場所ではアップロードしなければならないなど、バラバラな使い方では決しておもてなしとはいえない。どこでも同じように使える、シンプルで使いやすいユーザーインターフェースが必要。IOC(International Olympic Committee:国際オリンピック委員会)からは、30以上の言語に対応して欲しいという要望がきている。そこまで対応できるかどうかは分からないが、他言語対応も重要なテーマ」(NTT 鵜浦社長)

自前主義からソリューション提供へ

パナソニック 津賀社長

 パナソニック 津賀社長は、今回の取り組みについて、自前主義から、ソリューション提供へのシフトだと語る。

 「これまでのパナソニックは、家電のDNAを軸においてきた。それを周辺に広げていこうとしている。家電の中核はこれまでテレビだった。パナソニックがこれまで培ってきた様々なノウハウは、家電としてのテレビだけにとらわれる必要はない。そこで、パートナーの力を借りて、新たなソリューションを生み出していく。これまでの取り組みは、どちらかというと自前主義で、それを反省している。これまでの発想では、小規模でスタンダードなシステムしか生み出せない。今必要なのは、ネットワーク、モバイル環境、公共スペースへソリューションを提供する力」

 また具体的な時期としては「2017年をメドに協業の成果を形にする。2020年の都市部だけに限らず、日本全国、さらには世界も視野に入れている」と話す。

組むのならパナソニック以外にはいないと思っていた

日本電信電話 鵜浦社長

 日本電信電話 鵜浦社長は、提携相手としてはパナソニック以外は考えられなかったと語る。

 「パナソニックと同じように、我々も自前主義というか、自分たちがメインプレーヤーだと思っていた。時代が変わって、よりネットワークを使い、サービスを展開していくスピード感が重要。2020年の東京オリンピックが決まった時に、オリンピックから逆算して、チャレンジしていこう、技術のロードマップを描いて行こうと思った。

 パナソニックはオリンピックのワールドパートナーとしてずっとやっている。そういった意味では自動的というか、パナソニック以外には考えられなかった。しかし、ユーザーエクスペリエンスにしても、映像にしても、パナソニックとだけでは難しい。第3、第4のプレーヤーが必要になる。新しいパートナーを加えていく取り組みが必要。それによって違った展開も可能になる日本においてはもっと、異業種のコラボレーションを進めることが必要。私達が触媒となって、道具立てをするつもりで、新しいビジネスモデルを作っていきたい」

 一方、パナソニックの津賀社長は「パナソニックはオリンピックのトップスポンサーを比較的長く続けている。そのオリンピックが東京にくるということで、成功のために、我々が何ができるのか、事業を超えた姿勢で、様々な人と話を続けていた。その中でチャレンジングで、クリエイティブだったのが、NTTだった。パナソニックでは、オリンピック関連の累計売上1,500億円を掲げているが、今回の提携の話は売上とは直結していない。サービスの組み合わせであり、数字にあおられないようなものになる」と話す。

阿部 夏子