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ライフスタイルを提案する「蔦屋家電」、二子玉川にオープン

家電量販店でも書店でもない、ライフスタイルを提案する「蔦屋家電」

蔦屋家電の看板。ロゴと並ぶアイキャッチにはエスプレッソマシンが使用されている

 カルチュア・コンビニエンス・クラブは、新業態の「二子玉川 蔦屋家電」を5月3日にオープンする。4月24日にオープンしたばかりの「二子玉川ライズ・ショッピングセンター」内にオープンするもので、本日プレス向けの内覧会が開催された。

 TSUTAYA事業などを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブによる家電販売店。同社では、事前に二子玉川近辺の住人にとったアンケートで、この街に欲しい施設の2位に家電量販店が挙がったことを、「蔦屋家電」誕生の大きな要因になったと話す。

 蔦屋家電は、従来の家電量販店とは異なる、新業態の家電販売点。店内は、人文、衣、食、住、デザイン、旅行の6ジャンルで構成されており、それぞれ専任のコンシェルジュが常駐する。ライフスタイルそのものを提案することをコンセプトとしており、家電量販店でも書店でもない、新しい展示スタイルを実現する。また、同店では、アートとテクノロジーの融合も1つのテーマとしている。

家電コンシェルジュではないけど、ペッパーもしっかりと店頭にいて、お客さんをお出迎え
家電コンシェルジュは男女問わず、さまざまな経歴を持った人たち担当。様々な知識を持つ、プロフェッショナルであることは共通している

 店内は2フロアから成り、1Fはワークスタイルの提案を行なう。パソコンやiPhone、話題のAppleWatchなどが陳列されているほか、4Kテレビやカーブテレビなどの映像コーナーも楽しめる。

 こういったデジタル系のガジェットや家電が並ぶ以外にも、ライフスタイルに直結するテナントとして、電動アシスト自転車ショップ「モトベロ」、コーヒーショップ「STARBUCKS(スターバックス)」、コンビニエンスストアの「ファミマ!!」などが、店内の雰囲気に合わせたテナントデザインで、ゆったりと配置されている。

 また、2Fにはボタニカルショップ「SOLSO HOME Futako」が入居しており、さまざまな観葉植物などがフロア全体に配置されている。店内の棚や壁も木材が多様されており、木の温もりが感じられる居心地の良い空間が演出されている。

家電製品は、キーワードごとに関連書籍などと一緒に展示

 家電 Watch的にもっとも気になる生活家電のフロアは2F。といっても、家電が所狭しと並べられているわけではない。

 美や健康、食、ハウスキーピングなどいくつかのキーワードが用意されており、それに関係する書籍や雑誌、家電などが関連づけて展示されている。

美というキーワードの奥には美容系の家電や関連製品などが置いてある
食というキーワードの奥は、シャープのスロージューサーやコーヒーメーカー、炊飯器などが並ぶ調理家電のエリアに続く

 例えば“健康”というキーワードを選ぶと、フィットネス系のムックやアスリートの書籍などが置いてある空間があり、近くにはオムロンやタニタなどの体組成計が並ぶ。“美”というキーワードで、美容関連などの書棚を抜けると、パナソニックの美容家電などが置いてあるといった導線だ。

健康のエリアにはオムロン、タニタ、パナソニックといったメーカーの体組成計がきれいに陳列。実際に体感もできる
ガラスのショーケースにはフィリップスのグルーミング系アイテムが
酸素カプセルなども販売されているほか、有料ながらも30分1,500円ほどで効果を予め試してから購入することも可能。1台300万円を超えるものもあり
ハウスキーピングのエリアにはブルーエア、ダイソンの空気清浄機や扇風機が並ぶ
バルミューダ製品の棚には空調家電以外に、LEDスタンド、さらには自社のこれまでの戦略などがまとめられた書籍も
一般量販店だと適当に置かれているカタログもしっかりと見やすく並べられているのはさすが書店だ

厳選された製品が美しく並ぶ

 一般的な家電量販店に比べると展示スペースはかなり限られているため、製品は厳選されている。

 バルミューダ、ダイソン、CADO、アイロボットといった機能とデザインがハイレベルに融合している空気清浄機やロボット掃除機が、数多く並ぶのは、取材前からある程度予測できたが、いわゆる日本メーカーのエアコンや洗濯機、空気清浄機、さらにはマッサージチェアまでしっかりとセレクトされて常設されていたことには驚いた。

 また、展示方法も美しい。木製の壁にエアコンが整然と並んでいたり、雰囲気よく棚の上に空気清浄機が並んでいる様子は、量販店のそれとは一線を画すものだ。家電量販店の店頭では、製品にポップと呼ばれるシールがベタベタ貼り付けてるが、蔦屋家電ではポップは一切なく、製品そのものの佇まいを確認できる。

壁面が違うだけで、エアコンもオシャレに見える。余計なポップなどは一切なく、商品に対しての情報は値札のみ。すべては家電コンシェルジュが答えてくれる
LED照明もデザイングッドなシーリングライトが壁面に。店舗内のエリアの明るさも絶妙で、それぞれの光がきれいに体感できる
オブジェとしておかれている家電にも注目。ヴィヴィットなオレンジが目を惹くイタリアの家電メーカーSMEGの冷蔵庫

 最近は“インターネットショップのショールーム”と揶揄されることが多い家電量販店だが、「蔦屋家電」はそれとは違う。訪れることで五感を刺激し、そこで自分にとっての気づきがあったり、新しい生活の楽しみの種を見つけられる場所。アートに囲まれた店内をぶらぶら歩きながら、ゆったりとした時間を楽しみ、ついでに自分の生活に役立つお気に入りの家電に出会うのも、これからの新しい家電とのコミュニケーションかもしれない。

滝田 勝紀