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パナソニック、屋根のすべてが太陽光発電パネルの「エコ・コルディス」

〜20年間で880万円の売電収入が得られる10kW超の容量を確保

東京都八王子市のコロネットテラス京王堀之内に完成したパナホームのスマートハウス「カサート エコ・コルディス(CASART ECO CORDIS)」

 パナホームのスマートハウス「カサート エコ・コルディス(CASART ECO CORDIS)」のモデルハウスが、東京都八王子市のコロネットテラス京王堀之内に完成。8月2日から一般公開を開始した。

 カサート・エコ・コルディスは、太陽光発電パネルそのもので屋根を構成した新たなデザインを採用した環境型住宅。パナホームの創業50周年記念商品と位置づけられる一方、パナソニックの津賀一宏社長が、今年3月28日に発表した中期経営計画「CROSS-VALUE INNOVATION 2015(CV2015)」の説明のなかで、製品関連では、会見場のなかに、唯一、この製品の模型を持ち込んで、その特徴に言及するなど、パナソニックグループとしても重要な製品のひとつに位置づけているものだ。

 今後、全国30カ所にカサート エコ・コルディスのモデルハウスを設置し、年間1,000棟の販売を目指すという。

 このほど、カサート エコ・コルディスのモデルハウス第1号となるコロネットテラス京王堀之内の家を見学する機会を得た。8月2日、3日の2日間で14組が来場。全国10カ所のパナホームの拠点でも約240組が来場し、エコ・コルディスに強い関心を持ったという。

 写真を通じて、現地の様子をレポートする。

発売3カ月で178軒を成約したエコ・コルディス

 住宅への太陽光発電の設置は、新築物件の場合にも、屋根の上に太陽光発電パネルを載せるとのが基本的な考え方だ。

 だが、カサート エコ・コルディスは、屋根そのものを太陽光発電パネルで構成してしまうというこれまでにない発想で作られた住宅となっている。

 販売は2013年4月19日から開始しており、4月および5月で約90軒を成約。6月の1カ月間でさらに約90軒を成約。2013年度第1四半期(2013年4〜6月)だけで178軒を成約したという。

少し遠目からみると、こんな外観となる
コロネットテラス京王堀之内はモデルハウスととも分譲物件が集まる
来場者が屋根の様子を見られるように特別にやぐらを組んである

 太陽光発電パネルには、発電効率が高いパナソニックのHIT太陽電池を活用するとともに、屋根の上に太陽光発電パネルを敷き詰めることができる「太陽光発電ルーフ」方式を採用。日本の平均的な家屋の延床面積である35坪程度の2階建て住宅では、平均で約4.19kWの容量に留まり、難しいとされていた10kW以上の大容量を搭載することが可能になるのが特徴だ。

 東京都八王子市のコロネットテラス京王堀之内に完成したエコ・コルディスのモデルハウスの場合は、1階で約19.32坪(63.88平方m)、2階が約14.67坪(48.51平方m)の合計延床面積で約33.99坪(112.39平方m)の家屋に、平均容量の2倍以上となる10.71kWの容量を実現したのが特徴だ。

 南西方向の屋根を片流れ大屋根とし、これによって、10kW以上の容量を実現した。

 10kW未満の容量の場合には、買い取り契約が10年間となること、そして余剰電力を対象にした買い取りとなるが、10kW以上の容量を搭載することで、20年間に渡り、発電した電気の全量買い取り制度を選択することもできる。この制度を利用することで、同モデルハウスの場合、20年間で880万円の売電収入が得られるという。

全面が太陽光発電パネルとなった屋根
採用されているパナソニックのHIT太陽電池

パナホームが提案する環境住宅

 エコ・コルディスの屋根は、屋根全面に太陽光発電パネルを搭載する「フルPVルーフ」と、軒樋を組み込んだ「ルーフフレーム」で構成。さらに、屋根形状は片流れ大屋根とすることで、最も日射量の多い南面への設置面積を最大化できるのが特徴だ。

 加えて、新デザインの換気システム「エアグリル」の採用により、デザイン性を向上。外壁には、太陽や雨など自然の力を生かす技術で美しさを保つ光触媒の外壁タイル「キラテック」を全面張りとすることで、デザイン性とともに重厚感を創出しているという。

屋根を下から見上げる。軒樋を組み込んだルーフフレーム構造となっている
モデルハウスの間取り
売電によるメリットを訴求している

 また、「家まるごと断熱」や「エコナビ搭載換気システム」などのほか、対応家電機器を制御できる「スマートHEMS」などの先進設備も採用している。

 そのほか、大空間に家族が集う「センターダイニング」などのパナホーム独自のレイアウトを採用。高層ビル建築の一部で使われている座屈拘束技術を戸建住宅の構法として採用したHS(ハイパースペース)構法により、解放感が際立つ高い天井や、総タイル仕上げの外観も可能にしているという。

 パナホームでは、「住宅メーカーが本来果たすべき役割は、ゼロエネルギーの先進住宅の開発を目指すことにある。先進の環境性能を搭載し、これを提供する一方で、大容量太陽光発電の採用を促進するサービスとして、太陽光発電搭載住宅向け提携ローンや日照補償制度なども提供していく」などとしている。

 なお、エコ・コルディスは、経済産業省による2012年度のネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業における補助金制度の要件に対応する性能を有しているという。

 カサート エコ・コルディスの建物本体価格は、2,892万円から(消費税込)となっているが、東京都八王子市のコロネットテラス京王堀之内のモデルハウスは、土地、家具付きで6,290万円となっている。

エコ・コルディスの玄関
各種の制御機器が一カ所に集められている
情報モニター。エネルギー発電量や使用量、セキュリティにも利用できる端末
玄関に設置したカメラで外を見ている様子
エコキュートを導入。貯湯ユニットを設置している
壁面には光触媒の外壁タイル「キラテック」を全面張り
庭の足下を照らす照明にも太陽光発電を採用
EV用のコンセント
EVへの充電は玄関横のスイッチで利用できる
EVコンセントが設置された駐車場スペース
室内には5.5kWのパワーコンディショナーが2台設置されていた

住宅関連事業2兆円に向けた象徴的製品

 パナソニックでは、現在1兆円強の住宅関連事業を、2018年度に2兆円にまで引き上げる計画を打ち出している。

 パナソニックの津賀社長は、「家電、設備、電材、建材のほか、ハウスメーカーであるパナホームの強みを活かした新たな価値提案に取り組み、グループの総力を結集することで、最高の住宅を提案することを目指す」とコメントする。

 カサート エコ・コルディスが、その象徴的に製品というわけだ。

 また、カサート エコ・コルディスは、現在、神奈川県藤沢市に建設中の「藤沢サスティナブル・スマートタウン」における主力製品になるという。

現在、神奈川県藤沢市に建設中の「藤沢サスティナブル・スマートタウン」の様子。ここにエコ・コルディスの家が数多く設置されるという

 以下、室内の様子を写真で紹介する。

玄関から入ったところ
センターダイニングの様子。リビングとあわせて18.4畳の大きさ
対面式としたキッチンの様子
IHクッキングヒーターを搭載
ビルトイン型の食洗機も用意されている
キッチンにはリモコンが設置され、風呂の給湯操作ができる
浴室の様子。浴槽には真空断熱材を使用し、お湯を冷めにくくする
洗面所の様子。照明設備はオールLEDだという
トイレにはアラウーノを採用している
1階のリビングの様子
リビングにはSmart App対応のルームエアコンを設置。エコナビ製品が随所にある
「呼吸の道 タワーE」を設置。ナノイーを搭載し、新鮮な空気を供給する換気システム
2階への階段。手すりが標準でついている
2階の8畳の主寝室。リビングとしても利用できる
ベランダには素通しの防犯ガラスを利用

(大河原 克行)