ニュース

富士通ゼネラル、暖房能力が“ダントツ業界No.1”の高級エアコン

~スマホ・Windows 8との連携機能も

 富士通ゼネラルは、暖房能力で“ダントツ業界No.1”を謳うエアコン「nocria(ノクリア) Zシリーズ」を、2月中旬に発売する。6/8/10/14/18/20/23畳向けの7タイプが用意され、価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は21~34万円前後。

圧縮機とファンを改良し、業界初の暖房能力で9.0kW超え

新製品では、室外機の圧縮機(コンプレッサー)とプロペラを改良した

 Zシリーズは、同社のエアコンでは最上位モデルに当たる高級エアコン。新製品では暖房能力を従来よりも高めた点が特徴となる。室外機に独自の高効率圧縮機と、新形状のプロペラファンを搭載することで、低温時の暖房能力は“業界No.1”となる9.2kWとなった(冷房時の適用畳数が23畳の「AS-Z71C2」の場合)。

 同社では、低温時暖房能力で9.0kWを超えたのは初としており、Zシリーズの暖房性能について「ダントツ業界No.1の暖房能力」を謳っている。また、期間消費電力量は2,736kWhで、高い省エネ性能も実現しているという。

 暖房機能では更に、霜取り運転中にも室温が低下しにくい「あったかキープ暖房」という運転モードも追加した。これは、圧縮機から出た温かい冷媒の一部を、室外機の熱交換器に流すことで、暖房運転を続けながら室外機を熱を溶かす「ホットガスバイパス」という技術を新たに採用。この結果、従来は4~15分掛かっていた霜取り運転時間が、1~2分に短縮された。また、霜取り運転時の室内温度の低下も、従来は霜取り前より約5~6℃低下していたが、新製品では約1~2℃の低下で抑えられるという。

新しい圧縮機。モーターの磁石の形と配置、モーター出力を改良したという
新しいプロペラ。ギザギザの部分が設けられるなど、複雑な形状になっている
富士通ゼネラルの特徴である、高効率の送風機構と高密度マルチパス熱交換器は、従来モデルより継承する
非常に細い冷媒管が特徴の「高密度マルチパス熱交換器」
室外機に搭載される、インターリーブPAMインバーター
nocria Zシリーズの低温時暖房能力は、他社と比べてもほとんどのモデルで業界トップとなっている
霜取り運転時の温度低下を抑える「あったかキープ暖房」機能も備える

 節電機能では、ノクリアシリーズ独自の無線リモコンを活用した「いる場所コントロール」を搭載した。これは、室内機に内蔵された温度センサーと、リモコンに内蔵された温度センサーが、運転時の暖め過ぎや冷やし過ぎを感知すると、設定温度を自動で控えめに設定する。また、人が不在時には自動的に運転を停止して、電気代の無駄を抑える「不在eco」機能も備える。

 リモコンではまた、1個のリモコンで最大5台のノクリアの運転や停止、設定温度変更などができる「いながら別室コントロール」機能も利用可能。切り忘れや無駄な運転を防止し、節電に役立てられるという。

 パソコンやスマートフォンとの連携機能も備えており、近日発売予定の連携機器「ノクリアリンクコネクタ」(別売)と、Windows 8を搭載した富士通製のパソコン、およびAndroidスマートフォンを組み合わせることで、外出先からエアコンの電源をOFFにしたり運転状況を確認するなどの操作ができる。

新しいnocria Zのリモコン(左)。右はXシリーズのリモコン【お詫びと訂正】初出時、右を従来モデルのリモコンとしておりましたが、誤りでした。訂正してお詫びさせて頂きます
リモコンの温度センサーが、人の周囲の温度を感知し、自動で運転を制御する。温度の上がりすぎを防ぐ効果があるという
人が不在になった場合は、自動的に運転がストップする
1台のリモコンで、最大5台のnocriaの操作も可能
別売りの「ノクリアリンクアダプタ」を用いることで、スマートフォンやパソコンとの連携が可能。電源のOFFや運転状態を知らせる
写真左下の黒いパーツが「ノクリアリンクアダプタ」

 このほか、パソコン上で電気代を管理する機能、リモコンで電気代と温度・湿度が確認できる「電気代モニター」機能、運転開始時などの急激な電流上昇を防ぎ、電力需要のピークカットに貢献する「最大電流カット」機能なども備える。

 14畳向けモデル「AS-Z40C2」のスペックは、室内機サイズが798×289×293mm(幅×奥行き×高さ)で、室外機サイズは790×290×620mm(同)。電源は単相200V。

“業界最小サイズ”のコンパクトなSシリーズもラインナップ

 Zシリーズに次ぐ高級モデルとして、室内機がコンパクトな「nocria Sシリーズ」も、2月下旬に発売する。6/8/10/14/18畳向けの5タイプが用意され、価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は15~22万円前後。

 室内機の横幅が728mm、高さが250mmという“業界最小サイズ”が特徴の高級エアコン。袖壁や窓の上などの狭いスペースにも取り付けられるという。

 基本的な機能は、「いる場所コントロール」や「いながら別室コントロール」を備えるなど、Zシリーズと同じだが、暖房性能の“ダントツ業界No.1”は謳われておらず、また「あったかキープ暖房」も省れている。

室内機のサイズが“業界最小”のコンパクトなSシリーズ
袖壁や窓の上にも設置できる

東北でエアコン暖房の需要が増加。2013年は4年連続で800万台超えの出荷も

富士通ゼネラルの取締役 経営執行役専務 空調機担当の川島秀司氏

 富士通ゼネラルの取締役 経営執行役専務 空調機担当の川島秀司氏は、暖房性能を高めることと省エネにこだわった理由について、各住宅のエアコン保有台数が増えていること、東北地方の需要が増えていることを指摘した。

 「エアコンは“一家に1台”から“一部屋に1台の時代になっており、一家に4台以上保有する家庭が、全体の25%に及んでいる。そのため、世帯の電力消費量も増加しており、節電・省エネが求められている。

 また、冬場のエアコン需要が拡大しており、特に東北以北で増えている。拡大するための新たな商品として、エアコン暖房の基本性能を大幅に高めることが重要」

 業界全体のエアコン出荷台数は好調で、2010年~2012年の出荷台数が830万台以上と、過去10年の平均需要である750万台を超えているという。富士通ゼネラルでは2013年についても、普通にいけば800万台近い需要が期待できると予測している。

エアコンを家に4台以上保有する家庭が、全体の25%に及んでいるという
これまではエアコン暖房が普及していなかった東北地方で、エアコンの販売台数が伸びているという
業界全体のエアコン出荷台数は好調で、2010年~2012年の出荷台数は830万台以上。2013年も同様の数値が見込まれるという

正藤 慶一