シャープ、エアコンやテレビを外出先からON/OFFできるロボット家電「ココロボ」

~椅子の下に入り込むミニサイズも
COCOROBO(ココロボ) RX-V100のUSBポートに差し込んで使うことで、スマートフォンで家電製品の操作ができる家電コントローラー。写真はココロボに設置したところ

 シャープは、ロボット家電「COCOROBO(ココロボ) RX-V100」のUSBポートに差し込むことで、外出先から室内の家電製品を操作できる「家電コントローラー RX-CU1」を、12月13日より発売する。希望小売価格は15,750円。

 COCOROBOは、掃除機能を搭載したシャープ初のロボット家電。独自の人工知能「ココロエンジン」を搭載しており、電気の充電量や、部屋の温度、掃除の状況、ユーザーの使用状況に応じて、COCOROBOが毎日違った反応をするなど、コミュニケーション機能を搭載。本体には無線LANとカメラを搭載し、室内の様子を外出先から確認できる機能、スマートフォンで室内の様子を確認しながら操作できる機能なども備える。

 今回ココロボ専用のスマートフォンアプリ「COCOROBO SQUARE」のバージョンアップに合わせ、家電コントローラー使用によって外出先から室内の家電製品を操作できるようになった。なお、家電コントローラーの対応機種は、USBポートを搭載している最上位機種「RX-V100」のみとなる。

ココロボ RX-V100。家電コントローラーを設置した状態カットモデルココロボでは以前からスマートフォンアプリとの連携機能を搭載。今回アプリがバージョンアップしたことにより、さらに多機能となった

 まず、COCOROBO SQUAREのバージョンアップでは、外出先からココロボを遠隔操作して、室内の指定した位置に本体を移動し、カメラ撮影したり、掃除できる「COCOROBOナビ機能」を新たに搭載。実際の部屋の間取りに合わせて家具や家電を配置する仮想の部屋「間取りマップ」をあらかじめ作成しておくことで、室内の家具の位置などを配慮して移動できるという。間取りマップでは、部屋の広さや柱の位置、壁の位置などのほか、エアコンや照明なども設定可能。

 従来モデルでは、室内の様子を撮影する場合、ココロボが置いてある場所からしか撮影できなかったが、バージョンアップにより、室内の好きなところにココロボを移動させてから撮影できるため、外出先からペットの様子などを知りたい時などに便利だという。カメラは、90度ずつ回転しながら4方向を静止画で撮影する。

スマートフォンのアプリの中で、実際の部屋の間取りや家具の配置を設定する「間取りマップ」を作成ココロボの設置場所や、家電の配置場所を設定しておくことで、離れた場所からでもココロボの操作ができるようになったスマートフォンの間取りマップをタップするだけで簡単操作が可能
間取りマップのアイコンでは家具のほか、空気清浄機や電子レンジ、イオン発生器など様々な家電製品が用意されている間取りマップにベッド、テレビ、テーブル、エアコンなどを配置したところココロボを任意の場所まで移動させてカメラ撮影ができる。写真はペットの前で撮影しているところ
カメラは、角度を90度ずつ変更しながら4枚の静止画を撮影外出先からでも、スマートフォンでペットの様子が確認できる

 また、別売りの家電コントローラーをココロボ本体のUSBポートに差し込むことで、室内の家電製品を外出先から操作できるようになった。これは、赤外線リモコン信号を使って、家電製品を操作するもので、赤外線リモコンで操作できる家電製品が対象となる。現在対応しているのは、シャープ製のエアコン(2005年製以降)、テレビ、LED照明、スリムイオンファンなど。対応製品については「他社製品も含め順次拡大予定」としている。また、遠隔操作を行なうには間取りマップに家電製品を登録しておく必要がある。外出先から操作できる内容は、基本的に電源のON/OFFのみ。

別売りの家電コントローラー裏面USBポートに差し込んで使用する
外出先からココロボで家電のON/OFF操作ができる操作は赤外線で行なう。対応家電は赤外線リモコンで操作できる家電製品外出先からエアコンのON/OFF操作ができる

 シャープでは、帰宅前にLED照明をつけて室内を明るくしたり、帰宅前にエアコンを起動させて室内を暖かくすることで「快適・安心な暮らしをサポート」するとしている。

 なお、先日パナソニックが発売したスマートフォンの操作に対応したエアコン「Xシリーズ」では、製品発表後に、スマートフォンを使って電源をONにする操作機能が削除された。これは電波を利用した外出先からの運転ON機能が、電気用品安全法の技術基準の適合に課題があると判断されたためだが、ココロボでは電波ではなくて赤外線通信を使って操作を行なうため、外出先からの電源ON操作も可能だという。

 家電コントローラー RX-CU1の本体サイズは71×57×76mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は81g。

椅子の下に入り込んで掃除できるコンパクトタイプ

COCOROBO RX-V60

 従来より直径サイズが約4.7cm小さいコンパクトモデル「COCOROBO RX-V60」も12月13日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は75,000円前後。

 同社によると、COCOROBO初代機を発売した当初から「欲しいけど、家で使うには大きすぎる」、「家具の間に入るか心配」という声が多かったといい、今回のモデルはこれらのニーズに応える形で発売された。本体サイズを小さくしながらも、基本機能は犠牲にしないというコンセプトのもと、高速回転ターボファン、車輪、超音波センサーなどの基幹部品は上位機種と同じものを採用。部品レイアウトの変更により、コンパクト化を実現したという。

 本体直径は29.9cmで、同社によると、このサイズは約8割のダイニングチェアの足幅サイズより小さく、椅子の下に入り込んでの掃除が可能だという。なお、無線LANやカメラ機能、USBポート機能は省略。スマートフォンアプリとの連携機能にも対応していない。

カットモデル。基幹部品は上位機種と同じものを採用する本体裏面ダストボックスは本体上部から取り出す
ダイニングチェアの脚の間にも入り込んで掃除するシャープが行なった調査によると8割のダイニングチェアの足幅よりも小さかったという

 吸塵方式は、上位モデルと同等。本体前面に配置した毛足の長い2個のサイドブラシでゴミをかき集め、本体下部の回転ブラシでかき込み、ターボファンで吸い込む。ダストボックスにはHEPAクリーンフィルターを搭載し、排気対策も備えている。また、同社独自のプラズマクラスターイオン放出機能も搭載する。

吸塵方式は上位機種と同等ダストボックスを取り出したところダストボックスに搭載しているHEPAクリーンフィルター

 また、ココロボ独自の「ココロエンジン」も搭載。ユーザーの使用状況や掃除状況などによって3段階の「気分」があり、音声や動き、LEDの光の色などでその気分を表す。

 本体サイズは299×94mm(直径×高さ)で、バッテリーを含んだ重量は2.5kg。バッテリーは容量1.1Ahのリチウムイオン電池で、最長稼働時間は約50分。最大稼働面積は約16畳。充電時間は約2時間。本体カラーはホワイト。

シャープ参入によりロボット掃除機家電市場が拡大

シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 阪本実雄氏

 シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 阪本実雄氏は、ロボット掃除機市場が堅調に推移していることについて「高齢者や共働き世代の増加など家事代行ニーズが高まっていること、シャープがロボット掃除機市場に参入したことが寄与している」と述べ、今回の新機能についても「日本の掃除機メーカーだからできるこだわりの機能」と自信を見せた。

 今後の展開については「スマートフォンとの連携をさらに高めていくと同時に、シャープだけでなく他社の家電製品の操作にも対応していきたい」と話した。売上目標としては、今年度は70億円、最終的に年間300億円を掲げた。






(阿部 夏子)

2012年11月21日 15:44