東京ガス、停電時でもエネファームが使える蓄電システム
「停電対応システム」の蓄電池外観 |
東京ガスと正興電機製作所は、家庭用燃料電池「エネファーム」が停電時でも運転できる蓄電システム「停電対応システム」を開発、2012年2月に発売する。希望小売価格は168万円(設置工事費別)。新築時のほか、既に設置されているエネファームにも後付けで設置できるという。
エネファームは、燃料に都市ガスを使用し、発電と排熱による給湯を行なうコージェネレーション(熱電併給)システム。エネファームを使用するには、水を循環するポンプや、燃料ガスを制御する「ブロワ」という装置を動かすため、あるいは家庭に届く系統電力の電圧や周波数を基準に発電するために、電力の供給を受ける必要があった。そのため、停電時にはエネファームの運転も停止していた。
今回開発された「停電対応システム」は、東京ガスと正興電機が共同で開発した鉛電池を、エネファームに併設したもの。通常運転時には、系統電力から蓄電池に電気を溜め、停電時には蓄電池に溜めた電気をエネファームに供給することで、エネファームの運転が継続できる。これにより、蓄電池を単体で設置するよりも長時間の電力仕様が可能になり、照明、冷蔵庫、テレビなど、非常時に最低限必要な電気が約24時間供給できるという。
同システムではさらに、深夜など電力消費の少ない時間帯に発電し、日中など電力消費の多い時間帯に使うことで、電力ピークカットにも貢献できるという。
東京ガスでは開発の理由として、停電時にもエネファームを運転させたいという声が東日本大震災を機に急速に高まったことを挙げており、従来から行なっていた研究開発を加速したとしている。
停電対応システムの本体サイズは1,205×300×1,370mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約450kg。蓄電池の総容量は6.6kWhで、放電容量は4.6kWh、または3.3kWhから選択可能。
蓄電池は夜間に充電する | 充電した電気は、停電時でなくても放電が可能。放電をせずに貯めておくこともできる | 停電時には、蓄電池から自動的に放電を開始。電気が復旧した場合は、自動で系統電力に復帰する |
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2011年11月7日 14:43