東芝、持ち運びできる有機EL照明を避難所に提供

~読書灯や手元灯に
今回開発された有機EL照明。避難所に寄贈される

 東芝は、東日本大震災の被災地の避難所向けに、持ち運びできる有機EL照明器具100台を製造。30日、宮城県気仙沼市の避難所に、まず50個を寄贈したと発表した。

 避難所の不十分な電源事情の中で、あかりを必要とする人に役立つことをテーマに開発された有機EL照明。本体サイズは100×146×18.5mm(幅×奥行き×高さ)と小型で薄く、また重量も180gと軽量のため、持ち運んで使える点が特徴。避難所内での読書灯、手元灯に活用できるという。

 電源は単四乾電池2本。太陽光発電装置やモバイル電源をUSBで接続することで、乾電池を使わなくても点灯できるという。

 また、3段階の調光にも対応。携帯電話の画面程度の明るさから、電気スタンドの明るさまで調光できるという。

 有機ELは、少ない消費電力で面発光できる点が特徴。携帯電話の液晶などで導入されており、今後は照明分野への本格的な導入が期待されている。東芝では、今後は有機ELならではの新しい照明システムを開発・提案していくとしている。

 なお、この有機EL照明は被災地の避難所の贈呈用で、一般の照明市場向けに製造されたものではないという。

 

読書灯としても使用可能手元灯にも使える






(正藤 慶一)

2011年5月30日 17:23