ファミリー、揺りかご機能など“心身の癒し”がテーマのマッサージチェア


ファミリーイナダチェア yUMEROBO(ユメロボ) FIC-R100 レッド
 ファミリーは、“心身の癒し”をコンセプトとした高級マッサージチェア「ファミリーイナダチェア yUMEROBO(ユメロボ) FIC-R100」を、4月に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は39万円前後。

 心身の統合的な癒しを目指したマッサージチェアで、同社では本製品を「ホリスティックチェア(holistic=全体的な)」と称している。日本をはじめ、中国、ヨーロッパ、アメリカでも発売される。

 最大の特徴は、“業界初”の「ロッキング機構」を搭載した点。これは、ロッキングチェア(揺り椅子)のように、マッサージチェアが揺れ動く機能のこと。ロッキングのリズムは、規則的なリズムと不規則なリズムを合わせた、人にやさしいとされる「1/fゆらぎ」となっている。同社ではこれにより、“心の癒しを実現する”としている。

テーマは心身の統合的な癒しを目指す“ホリスティック”揺り椅子のように動く“ロッキングチェア”機能を、業界で初めて搭載ロッキング機能を実現するメカ部分

ロッキング機構を動かしている最中の本体。ゆらゆらと動く

 また、エアーバッグで脚を包み、回転させる“業界初”の脚ほぐし機構も搭載。これにより「手もみ感覚」のマッサージが味わえるという。

 新機能としてはさらに、“業界初”の首ストレッチ機能も搭載。枕部分に搭載されたユニットが、揉みや指圧といった動作に加えて、首をひねったり伸ばしたりすることで、ストレッチが実現できるという。

こちらも“業界初”の脚ほぐし機構もみ機能だけではなく、ほぐすという新たな感覚を実現したという

ほぐし機能の運転中。記者も体験してみたが、確かに脚の筋肉がほぐされている感覚がして気持ち良かった
首にも“業界初”の首ストレッチ枕ユニットを搭載“ひねる”や“伸ばす”といったストレッチ効果があるという

 また、リモコンとフットマッサージャー部には、色が徐々に変化するカラーLEDを搭載。やさしい光で、視覚や空間からも癒しが提供できるという。

 運転モードは、ロッキング機構とマッサージを組み合わせた「ロッキング&マッサージコース」、首ストレッチ機能を用いた「ストレッチ運動コース」のほか、全身をしっかりとほぐす「匠もみコース」、短時間でリフレッシュするための「クイックマッサージコース」などを備える。このほか「肩集中コース」、「腰集中コース」も用意されている。

 本体サイズは74×121×109cm(幅×奥行き×高さ)で、最大リクライニング時は奥行きと高さが160×77cmになる。重量は約79kg。消費電力は110Wで、定格運転時間は30分。本体カラーは、レッド、アイボリー、ブラックとアイボリー、ブラックとレッドの4種類。

フットマッサージャー部には、薄い青~薄い緑に変色するLEDライトを搭載リモコンにもカラーLEDを搭載

本体カラーは、冒頭のレッドを含め4種類。写真はソファー部がブラック、外側がレッドという色遣いこちらはブラックとアイボリーアイボリー

ファミリー 稲田二千武 代表取締役社長
 ファミリーの稲田二千武 代表取締役社長は、本製品について「マッサージチェアを使っていて“ああ、気持ちが良いな”と思えたら、それは自らの体を自分自身の力で活性化しようとしている証拠。大学の研究でも、マッサージを使った前後では、記憶力や維持力が3割くらい違う結果になった。本製品ではこれにロッキング機能などを加えることで、“ホリスティック”な領域を作りあげた」と評価した。

 本製品の世界展開については「マッサージチェアは日本が産んだ唯一の文化的健康製品。自動車やテレビは、アメリカやヨーロッパが発明したものを日本が改良したが、ゼロから発想し、世界に向けていく製品ではない。ファミリーでは60カ国で売らせてもらっているが、現在は売り上げの35%が海外。日本を代表するような文化的な製品ではないだろうか」と意義を述べた。

「AQUOS」の喜多俊之による世界戦略デザイン


プロダクトデザイナーの喜多俊之氏
 本製品のデザインは、シャープの液晶テレビ「AQUOS」や象印の炊飯器「RIZO」などをを手がけたプロダクトデザイナーの喜多俊之氏が務める。

 喜多氏は、本製品のターゲットとなる中国市場について「中国は“デザインは資源”という国。世界のどこよりも良いデザインでないと、見向きもしてくれない」と、デザイン面の重要性を指摘。そのうえで、本製品のデザインについては「従来のマッサージチェアは重たく、他のインテリア似合わないことがあった。本製品は“いかにコンパクトに見えるか”にこだわっており、長いすの横に置いたりなど、普通のイスとしても使える」と説明した。

 稲田社長は、喜多氏をデザイナーに起用した理由について、「世界では、製品は良くてもデザインが良くなければ通じない、というのが鉄則。中国に行って、携帯電話やテレビについてどの製品が良いと聞くと“日本製”と答えるが、デザインについては“サムスン”や“LG”というのをよく聞く。本来、日本の文化はデザインは素晴らしいものがあるが、世界に通じるデザイナーは少ない。しかし中国では、喜多先生の名前が業界紙でも報道されており、今回は“世界戦略デザイン”ということでお願いした」と明かした。



(正藤 慶一)

2010年3月24日 16:00