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シャープ、耳に掛けて“噛み方”をチェックする機器や、アイドルのSNSを受け取れるfunbandなど
2017年10月4日 12:38
幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2017」(会期:10月3日~6日)において、シャープは「AIoTワールド」と「8Kワールド」の2つをテーマに、商品やサービスを一堂に紹介。
開幕に先立って行なわれたプレスブリーフィングでは、AI(人工知能)とIoTを組み合わせた各種AIoTクラウド関連サービスを「COCORO+(ココロプラス)」ブランドに統合することが発表された。家電やIT機器に「ココロ」をプラスし、道具からパートナーに変えていく“人に寄り添う”サービスブランドの総称としており、AIoT関連の再編と強化を図るという。
IoT機器が住む人の好みやライフスタイルを学習し、最適なサービスを提供
ブース内の「AIoTワールド」ステージでは、同社が近い将来に実現を目指す「人に寄り添い、人と社会をココロでつなぐスマートライフ」を紹介。参考展示された音声対話型エージェント「ホームアシスタント」や、クラウドに繋がったエアコン、冷蔵庫などを通じて、家の中のIoT機器が住む人の好みやライフスタイルを学習し、最適なサービスを提供する未来を描いている。
9月に発売されたばかりのAIoT空気清浄機「KI-HX75」も展示されていた。無線LAN搭載によりスマートフォンと連携でき、アプリから屋内外の空気状態の確認、フィルターの最適な交換時期の目安を知らせてくれる点が特徴。AIにより運転状況を学習し、各家庭ごとに最適なモードで運転するという。
アプリは、エアコンとも連携可能で、各室に置いた空気清浄機やエアコンの運転状況を一元管理。今後は日本気象協会と提携し、各家庭のエアコンや空気清浄機から得られる冷暖房の運転ログデータと気温データを元に、地域ごとの運転傾向を指数化するサービスなども検討している。
例えば、関西よりも関東のほうが暖房を使い始めるのが遅いなどの傾向もわかるようになるという。このほか、エアコンを使い始める適切なタイミングを知らせてくれるサービスも検討し、“寒いときは無理しないで暖房してくださいね”などメッセージを送り、居住地域に合わせた家電の使い方を提案する。
なお、「COCORO+」ブランドへの統合により、既存サービスも改称。シャープの会員サービス「SHARP i CLUB」は「COCORO MEMBERS(ココロメンバーズ)」に、電子書籍サービス「GALAPAGOS STORE」は「COCORO BOOKS(ココロブックス)」に改称される。既存の調理家電向け「COCORO KITCHEN」、AIoT空調機器向け「COCORO AIR」も引き続き展開し、これらサービスの総称が「COCORO+」となる。
耳に掛けるだけで食事中の“噛み方”を計測する「バイトスキャン」
開発中のサービスとして、食事中の“噛み方”をチェックするヘルスケアツール「bitescan(バイトスキャン)」を展示。食事の際に耳に掛けるだけで咀嚼回数やスピードを計測し、クラウド・AIと連携して正しい噛み方を提案する。
現代において、1回の食事で咀嚼する回数は、昭和初期と比較して減少しており、を個人で把握することは、。こうした“噛む”という行為に着目し、計測できる機器を開発することで、健康的な生活を提案する。
一般的に、正しい噛み方を身につけることで、唾液の分泌量や、脳への血液量の増加を促せ、歯の病気や肥満予防に繋げられるという。また、噛む回数を増やすことで、顔やアゴの筋肉を発達させられ、シワやたるみ防止などにも効果があるとしている。
記者も、バイトスキャンを装着して噛み方を計測してみた。耳に掛けて、1口サイズのグミを口に入れたら、アプリからスタートボタンを押す。理想の咀嚼回数は40回とされており、40回を目指そうとするが、途中で飲み込みそうになり、普段あまり噛んでいないことがわかった。咀嚼スピードや食事時間も計測され、日々の食事の意識改革に繋げられそうだ。
このほか、発売済みの野球専用ウェアラブル端末「funband(ファンバンド)」や、老化原因となる「AGEs(エージーイー)」の体内蓄積レベルを測定できる機器「AGEsセンサ RQ-1201J-SET」なども展示。
funbandは、野球以外の分野でも活用可能で、アイドルグループ専用モデルなども検討しているという。アイドルがSNSに投稿するとfunbandに通知され、リアルタイムでチェックできる。なお、発売は未定となる。
さらにテーマパークのゲスト向けや、ホテルなど従業員向けの開発も進めている。テーマパークでは、funbandを装着することで各アトラクションの待ち時間を把握したり、ゲスト情報に合わせてオススメルートを案内する機能を搭載。従業員向けモデルでは、顧客がチェックインしたら通知されるなど、業務連絡を共有して作業効率を向上する使い方を想定する。