長期レビュー
BOSCH「コードレス・ハンディブレンダー」 後編
BOSCH「コードレス・ハンディブレンダー」 |
■玉ねぎのみじん切り
まずは、悩ましいみじん切りの王様、玉ねぎから。どの程度みじん切りになるか、1/2個で試してみた。そのまま入れるのは難しいので縦横に3~4回ずつ包丁を入れる。これを回転刃をセットしたカップに入れて、接続ユニットで蓋をし、上に本体を取り付けるのだ。
まずは、誰もが嫌いな玉ねぎのみじん切りから | 小さめにカットしておく | 刻んだ玉ねぎをカップの中へ |
安全ロックを解除してスイッチON! すると、ほんの数秒で玉ねぎのみじん切りが完成。形は不揃いだが、かなりいい具合のみじん切りではないかと思う。そこからさらに稼働させたところ、かなり細かいペースト状に変化した。
コード付のスティックミキサーに比べて、コードレスは回転力というか、ややパワー不足かなと思っていたのだが、パワーが強すぎていきなりペースト状になってしまうことがないという利点もある。調整しながら使えば、かなり使い勝手がありそうだ。
3~4秒間回転させた状態 | さらにみじん切りした状態ペーストに近くなっている | 粗めの大根おろしのような状態に |
なお、今回は小ぶりの玉ねぎ1/2個で試したが、これを丸ごと1個にするなど量を増やすと、上層と下層でかなりムラのある仕上がりになりやすい。回転刃に近い部分は非常に細かくなるが、上は壁面に貼り付きやすくなるため、うまく対流しなくなるのだ。均一に仕上げたいなら、玉ねぎをある程度細かく刻んでおくことと、量は半分以下を目安にした方が良い。
玉ねぎのみじん切り。カップの底の吸盤がよく貼り付いているのもわかる |
■ミンチ&みじん切り 鶏肉のミニハンバーグ
次に挑戦したのは、野菜はみじん切り、鶏肉はミンチという、まさにユニバーサルカッターのためにあるようなメニュー「鶏肉のミニハンバーグ」である。材料は、にんじん1/2本程度、ゴボウ少々、鶏のむね肉2枚(皮や脂肪は除去する)、ゴマ油、醤油、卵の白身。
にんじんとゴボウはあらかじめ、一口サイズ以下に刻んでおく。鶏肉も皮や脂肪は取り去り、一口大に刻んでおく。最初ににんじんとゴボウだけをユニバーサルカッターに入れてみじん切りにする。次に鶏肉と調味料を加えて混ぜ、こちらもミンチにする。最後に両者を併せてよく混ぜる。ボウルでよく混ぜて味を調えたら、フライパンで焼く。
「鶏肉のミニハンバーグ」の材料 | 最初に野菜だけみじん切りに | 包丁でここまで刻むのはかなりの手間がかかる |
鶏肉はミンチに(一部、残っていたにんじんやゴボウと混ざっているが) | 丸めてフライパンでこんがり焼く | 好きなたれをかけて食べる。ちなみに添えたマヨネーズもハンディブレンダーで作っている |
まとめて1度にミンチにしたいところだが、実はハンディブレンダーのカップは小さめのため、一気にできない。一度にたくさんの量を作れないのは残念だが、材料ごとに小分けして使えばまったく問題ない。
野菜のみじん切りはかなり細かく、いい具合にできた。ただし周辺に遠心分離した大きな破片が残りやすいので、ときどき混ぜるとよい。また、肉をミンチにするときは量を少なめにするのがポイント。欲張って入れすぎるとムラができ、塊が残ってしまうので注意が必要だ。
にんじんとゴボウがみじん切りになる様子。どうしても壁面につくので、カップを振って混ぜようとしている | 鶏肉をミンチにする様子。下層の肉はあっと言う間にミンチになるが、上層の肉はとどまったままになりやすい。肉の動きから、半分以下がよさそうだと分かる |
■とにかくひたすらみじん切り! 「山形のだし」
「鶏肉のミニハンバーグ」で、にんじんとゴボウのみじん切りを見ていてふと気づいた。これは、「山形のだし」と呼ばれる郷土料理作りに向いているのでは?と。
山形のだしとは旨みの出汁ではなく、茄子、きゅうり、茗荷、大葉などを細かくみじん切りにして味付けしたものだ。茗荷の風味が効いており、これがとにかくご飯に合う。メインに肉のおかずがあるにも関わらず、肉をないがしろにしてまで食が進んでしまう威力のある不思議な料理。さらに魅力的なのが低カロリーというところ、さっぱりした風味がヤミツキになってこの夏何度も作ったメニューでもある。
ただ難点なのが、山形のだしはとにかくひたすらみじん切りをする料理なので、手間がかかるというところ。そこで、活躍するのがハンディブレンダーというわけだ。
材料は、茄子、きゅうり、茗荷、大葉、こんぶ。それぞれを細かく刻んでから、ユニバーサルカッターでみじん切りにしてみた。各材料をみじん切りにし終えたら、すべて一緒にして、めんつゆをかけて混ぜて(自己流の)「だし」が完成した。
これらを全部みじん切りにする | みじん切り前のきゅうり | みじん切り後のきゅうり |
みじん切り前の茗荷 | みじん切り後の茗荷 | みじん切り前の茄子 |
みじん切り後の茄子 | みじん切り前の大葉 | みじん切り後の大葉 |
みじん切り前の昆布 | みじん切り後の昆布 | 茄子、きゅうり、茗荷のみじん切り |
結果は大成功! 包丁でカットした「だし」よりも細かくなりすぎてしまい、歯ごたえが犠牲になった気もするが(本当は、この2倍か3倍くらいのサイズがあってもいいような……)、細かいということは、食べやすく、胃に優しいとも言える。とにかく短時間で「だし」が作れる。これは個人的にかなりありがたい。買って良かった!
すべて混ぜて、めんつゆで味付け | ご飯に乗せて食べるとおいしい! |
■キャベツをみじん切り コールスローサラダ
材料のにんじんとキャベツ |
「だし」を作りながら思いだしたのが、コールスローサラダである。これもまたみじん切りだらけの料理だ。となれば、ハンディブレンダーの出番だ。材料は、キャベツ、にんじん、コーン、鳥はむ(鶏の胸肉を使ったハムのような食感の料理)。
まずにんじんとキャベツを一口サイズに刻む。にんじんは2回、キャベツは3回に分けて入れ、スイッチオン。側面から刻み具合を確認しながら試したところ、なんと、いずれも5秒程度でみじん切りに。動画を確認していただければわかると思うが、まさにあっと言う間。
面倒なコールスローがあっという間にできた |
あとはキャベツとにんじんをあわせて、軽く塩を振りかけて混ぜ、コーンと、みじん切りにした鳥はむ、乾燥パセリをプラス。さらに余っていた手作りマヨネーズ(ハンディブレンダー製)を入れて、味をチェック。お好みでレモン汁などを加えてもいいだろう。
にんじんが主役と化してしまったコールスローサラダだが、むしろにんじんの歯ごたえと甘さがでて非常においしかった。コールスローサラダは食べたいけれど、みじん切りが面倒で作りたくなかったという方がいるとしたら、ハンディブレンダーをぜひお勧めしたい。
みじん切り後のにんじんとキャベツ | そのほかの材料を混ぜる | 手軽に1品完成 |
以上がユニバーサルカッターの仕事ぶりである。ユニバーサルカッターでできるのは、みじん切りとミンチの2種類だけだが、みじん切りから広がる料理は意外と多い。ニンニクなどニオイが気になる料理も、ユニバーサルカッターを使えば、手にニオイが移ることもなく便利だ。
■一家に1本は欲しい、手軽に扱えるハンディブレンダー
当初、コードレスとはいえ、パーツがたった2種類では、あまり役立つシーンはないのではと考えたこともあったが、使えば使うほど可能性が見えてきて好きになる調理器具だ。むしろビギナーにとっては、交換パーツが少ないほうが直感的に使いやすい。
特に、コードがない分、取り扱いに制限がなく、非常に自由に動けるところは最高に気持ちよい。手を伸ばせばすぐ使えるので、「ちょっと使いたい」が実現する。例えば、鍋の中の野菜が大きすぎたので細かくしようかな、と思ったとき、本体とブレンダーをワンタッチで取り付け、鍋の中へ。使い終わったら、水の中でちょっと回転させて洗い、本体は充電器へ、ブレンダーは流しへ。これが日常となるのだ。ユニバーサルカッターにしても同じだ。しかも慣れと勘は必要だろうが、回転させる時間を変えれば、多少サイズの調整もできる。
白がベースの明るいデザインも気に入っている。器具は軽いほうが嬉しいが、明るい色は、ものを軽く感じる効果もあるのだ。コードレスで軽く、色も軽く、気持ちも軽く料理が楽しめる、それがBOSCHのハンディブレンダーだ。
2010年12月7日 00:00