やじうまミニレビュー
キングジム「Baterio(バテリオ)」
~モバイルバッテリーを内蔵したノートカバー
by 片岡 義明(2013/7/16 00:00)
モバイルバッテリーというのはサイズが小さいので、出かけるときについカバンの中に入れ忘れてしまうことがある。それならば、もう少し大きめのもので、かつ仕事や勉強に不可欠なものと一体化させれば、忘れてしまうことも少なくなるだろう。
そこで注目したいのが、キングジムが発売した「バテリオ」。先週発売されたばかりの製品だ。
メーカー | キングジム |
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製品名 | Baterio(ノートカバータイプ) |
希望小売価格 | 6,825円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 6,030円 |
バテリオはモバイルバッテリーを内蔵したノートカバー。バッテリーには、リチウムイオン電池を採用しており、入出力用のケーブルも付属している。表紙を閉じた状態のサイズは、236×165×33mm(幅×奥行き×高さ)と、バッテリーを内蔵しているだけあって、少々厚みは気になる。
パッケージには、キングジムのスマートフォン対応ノート「ショットノート(A5判、30枚)」が1冊付属している。ショットノートとは、手書きのメモを簡単にデジタル化できるノートだ。ページの四隅にマーカーが描かれており、iPhone/Android向けの専用アプリを使って撮影すると、マーカーの位置を読み取って自動的に補正を行ない、ノートの内容が画面ぴったりに取り込める。無線綴じのため、縁が平らなのでかさばらない。
ノートカバーとしては、A5判サイズまでに対応し、厚さは最大約8mmまで収納できる。ペンおよびケーブルを収納可能なポケットも搭載する。
カバーは3つ折りでマグネットで止められる。表側はポリエステルの合皮で、スエード(皮革)のように柔らかく手触りのいい起毛素材となっており、デザインはシンプルながらも高級感がある。ノート全体の重さは396gで、ノートと組み合わせると400gを超えるが、形状が薄く持ちやすいのでそれほど重たさは感じない。
ノートホルダーはクリアファイルなどで使われているPP(ポリプロピレン)を採用しており、ここにノートの表紙を挟み込んで固定する。サイズがA5判以下であれば横型も縦型も両方対応する。ノートホルダー自体はしっかりした作りで、ノートはちゃんと固定できる。
モバイルバッテリーは、ノートカバー表紙の裏に内蔵されている。ふつうのモバイルバッテリーのように、バッテリー本体に直付けのUSB入出力ポートは搭載されておらず、入出力はすべてケーブル経由となる。
入出力用のケーブルも表紙裏に固定されている。この表紙裏とノートホルダーの間には、マグネット留めのカバーが1枚設けられており、これを被せてしまえばケーブル類は隠れてるため、普通のノートカバーのように見える。このカバーはノートを開いた場合にちょうど左ページの下敷きとなるのだが、平らで適度に固いので書き込みやすい。持ち運ぶ際にケーブルがぶら下がったりしないのもうれしい。
ケーブルは入力用と出力用に分かれており、入力がUSB A(16cm)が1種類、出力がMicro USB(8cm)、出力用USBタイプA(8cm)の2種類で、バッテリーから取り外すことはできない。いずれもケーブルは少々短いが、ノートカバーのそばにスマートフォンを置いて充電したり、パソコンのUSBポートに接続して充電したりする分にはそれほど困らない。ただしUSB ACアダプタなどを使って床のコンセントから充電するような場合は長さが短すぎるので、USBの延長ケーブルなどを用意する必要がある。
iPhone 5ユーザーとしては、Lightningコネクタが用意されていないのは残念だ。最新のiPhone、iPadユーザーは、Micro USBコネクタに装着するLightning変換アダプタを別に用意しなければならない。
モバイルバッテリー内蔵部の上には、LEDインジケーターおよび出力ON/OFFボタンを搭載している。ケーブルになにも接続しない状態で出力ON/OFFボタンを押すとインジケーターが点灯し、点灯するLEDの数によって電池残量を確認できる。
内蔵バッテリーの容量は2,400mAh。充電時にはインジケーターが点滅し、LEDがすべて点灯すれば充電完了となる。内蔵バッテリーの電池残量が少なくインジケーターが点灯しない状態から、iPhone付属のACアダプタで充電したところ、フル充電までにかかった時間は約2時間48分だった。
スマートフォンやタブレットを充電するには、ケーブルに端末をつないで出力ON/OFFボタンを押せば充電がスタートする。iPhone 5を充電したところ、残量が20%の状態から90%になるまで約1時間10分、フル充電になるまで1時間52分だった。タブレットについては第3世代iPadの充電が確認できたが、残量19%の状態から約1時間33分で33%までしか充電できなかった。iPadの電源を切った状態で充電し直しても同様の結果で、20%の状態からスタートして32%までしか充電できない。
容量が2,400mAhと少ないため、iPadなどのタブレットを残量ゼロの状態からフルに充電することはできないが、スマートフォンならば十分に実用的だし、タブレットでも緊急用としては使える。
1週間ほど使ってみたが、とても使いやすかった。筆者は帰宅時にノートをカバンから出し、パソコンの傍らに置いて作業することが多いが、 モバイルバッテリーとノートカバーが一体化していると、そのタイミングで充電する習慣を作りやすく、充電し忘れることがなかった。
1つ残念なのは、内蔵充電池が交換できないこと。充電池に寿命が訪れた場合は、ノートカバーをまるごと買い換えなければならない。価格は普通のモバイルバッテリーに比べると高価なので、購入にあたってはこのことを踏まえた上で検討する必要がある。
手持ちのモバイルバッテリーのサブ機として使うのには最適。モバイルバッテリー、ノートカバーとしての作りもしっかりしているので、USBで充電可能な機器を数多く持っている人は、買って損はないだろう。