やじうまミニレビュー

シチズン・システムズ「耳式体温計 CTD505」

~子供の検温に便利。測定時間1秒の体温計

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シチズン・システムズ「耳式体温計 CTD505」

 我が家では一般的な予測式体温計を使っている。ワキの下に挟んで体温を計測しているが、特に子供の検温をするときは途中でズレてエラーが出ることも少なくない。

 以前から耳式体温計が気になっていたものの、ママ友の間で「耳式体温計は誤差が大きいらしい」という噂があったことと、一部の耳式体温計では、先端部に付けるカバー(プローブカバー)の交換が面倒そうという理由で購入は控えていた。

 そこへ昨年12月にシチズン・システムズからプローブカバー不要の「耳式体温計CTD505」が発売された。最近の耳式体温計の性能や使い勝手はどうなのだろうかと、さっそく試してみることにした。

メーカーシチズン・システムズ
製品名耳式体温計 CTD505
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,280円

使い方は簡単、たった1秒で計測

 CTD505のサイズは約39×120×52mm(幅×奥行き×高さ)、本体重量は約68g。保管に便利な収納ケースが付属している。電池はボタン電池CR2032を1個使用し、電池寿命は計測約1,000回。約1分後にオートパワーオフとなる。

丸みがあって持ちやすい形
先端部分が赤外線センサーを搭載しているプローブだ
プローブ窓はいつも清潔にする
開けた際に電池が飛び出すことのない構造
ケース付き
製品パッケージ

 測定方法は、赤外線センサーを搭載する先端部(プローブ)を、耳内部に差し込み、鼓膜およびその周辺からの熱放射を検出して体温を測定する。

 測定前に、耳垢などの汚れがある場合は、先に耳の掃除をしておく。ブローブ窓が汚れている場合は、市販の綿棒などで拭き取り、5分後に使用する。一部の耳式体温計には、先端部プローブに付けるカバー「プローブカバー」が必要となるが、CTD505は不要なので便利だ。

 準備ができたら、電源スイッチを押して測定準備完了マークが点灯し、℃マークが点灯したら測定を開始する。

 計測する際は、耳を持って斜め後ろに引くか、後ろに軽く引くと耳の穴はまっすぐになるので、鼓膜にまっすぐ向けるようにして計測する。測定時間は約1秒で、「ピー」とブザーが鳴ったら検温完了だ。

液晶は大きく見やすい。今回は平熱だったので緑色に点灯したが、37.5℃以上で発熱を知らせる際にはバックライトは赤く光るという

 検温結果が37.4℃以下だとバックライトが緑色に、37.5℃以上の場合は赤く点灯する。表示は大きく、発熱が一目でわかり、暗いところで測定する際にも見やすい。

 なお、計測結果は自動記憶した12回分の測定結果を自動的に記録している。電源が切れている状態で測定スイッチを1回押すと、メモリーマークが点滅するので、測定スイッチを続けて押すと過去のメモリーが呼び出され、12番目まで表示される。特に高熱を出したとき、体温の経過を確認するために、履歴がわかるのは便利だ。

耳式体温計は正確に計測できる!? 実測式、予測式、耳式体温計で比較

3つの計測方式が異なる体温計でテスト

 特に子供が熱を出したとき、正確に体温を計測したい。そう思う親御さんは多いのではないだろうか。体温の表示が高すぎても低すぎても、きちんと計れているか不安で、何度も計ってしまうことがある。そこで、実際はどの程度誤差があるのか、実測式、予測式、耳式体温計で比較してみることにした。

 実測式は体温をそのまま計測する方式で、センサーの温度が体温と等しくなった時点で初めて計測完了となる。時間はかかるが正確というメリットがある。予測式は温度上昇のカーブから最終的な温度を予測する方式で、実測式より時間が短いが、機種によっては誤差がやや大きいものもあるようだ。耳式体温計は赤外線センサーで、鼓膜およびその周辺からの熱放射を検出して体温を測定する。

 今回比較用に用意した体温計はすべてシチズン・システムズ製で、実測式体温計は「CT422」、予測式体温計は「CT786SP」。そして今回使用する耳式体温計「CTD505」の3つで比較した。実測式と予測式は両ワキで3回ずつ、耳式は左右の耳で3回ずつ自分の体温を計測している。

タイプ耳式実測式予測式
製品名CTD505CT422CT786SP
1回目(左)36.636.436.7
2回目(右)36.836.436.6
3回目(左)36.436.636.9
4回目(右)37.036.536.8
5回目(左)36.336.536.7
6回目(右)36.636.536.9

 計測の結果、バラツキの幅は実測式が0.2℃、予測式は0.3℃、耳式は0.7℃となった。結果だけ見ると、耳式体温計はバラツキが大きい。

 ただ、実測式は正確なものの、子供が使用するには時間がかかりすぎる。愛用していた予測式体温計も、大きめで重いので子供のワキからズレてしまうことが多く、エラーを出すことも多いので困っていた。

 やはり使い勝手としては耳式体温計が一番簡単だ。後ろに耳を引っ張りながら「ピッ」で終わるので、とにかく簡単という印象だ。

 一番手軽である耳式体温計ではあるが、上手に計測するには、やはり「コツ」をつかむ必要があるようだ。表を見ていただけるとわかる通り、左耳と右耳で交互に計測したところ、右耳だけが高めの温度になってしまった。右側はうまく角度が合っていなかったのかもしれない。

 赤外線センサーを鼓膜に向けるようにしなければならないが、耳の中は曲がりくねっているため、自分に合った角度を見つけるのには何回か試す必要がありそうだ。

保育園・幼稚園では毎日の検温が義務付けられていることも! 子供の検温用にぴったり

 耳式体温計は一般的な体温計に比べて大きいものの、持ちやすく、子供の検温をする際は使い勝手がよい。画面の表示は大きいので見やすく、37.5℃以上になるとバックライトが赤く光るのもわかりやすい。

 子供には何度も試して、ちょうどいい耳の引っぱり具合とさし込む角度がわかってきた。慣れてくると数値のバラツキも小さくなったのでホッとしている。

5才の息子に試す。耳が大きいので計測しやすい
8才の娘は耳の穴が小さいのでちょっとやりづらい。最初はよくわからず、グリグリやったら「痛い」と怒られた

 ただ、本体が大きめで先端が棒状のようになっているため、最初は子供に驚かれることがあるかもしれない。8歳の娘には「耳にそんなものを入れられるほうが怖い。普通の体温計がいい」と最初はお断りされてしまったが、実際に試してみたら「こんなに短時間ならいいね」と気に入ったようだ。

 保育園や幼稚園では毎朝連絡ノートに検温して記入しなければならないところも多く、忙しい朝の検温はとても面倒だ。そんなときに「ピッ」と1秒で終わるのは非常に助かる。はじめはちょっとコツがいるが、手軽に使えるので、我が家では毎日の子供の検温用として愛用している。特に忙しい時や、体温計を嫌がる赤ちゃんにおすすめだ。

石井 和美