やじうまミニレビュー

タカラトミーアーツ「FireWood」

~インテリアにピッタリ! 本物ソックリの焚き火シミュレーター

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
タカラトミーアーツ「FireWood」

 片手でごはんが食べられる「スマート飯」などのオモシログッズでおなじみのタカラトミーアーツから、また新たな製品が発売された。ベッドサイドのオシャレな照明にもなる“焚き火シミュレーター”とでも言うべきインテリアグッズ「FireWood(ファイヤーウッド)」だ。

 しかしこれがまぁ~、よくできてるのなんのって(笑)。見た目は、本物の炭そのもの。しかもパチパチとはじける音までするので、小学5年生の子どもが見たとき発した言葉は「これ熱くないの?」だ。

 これからしばらくキャンプのオフシーズンになってしまうが、部屋の中でも焚き火がシミュレーションできるこのFireWoodが、どこまでホンモノに近いかを見ていこう。なにせ筆者の趣味は、電子工作とプログラムと焚き火だから(笑)。

メーカータカラトミーアーツ
製品名FireWood
希望小売価格7,140円
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格5,620円

「ライティングモード」はベッドの脇の明かりなどちょっとしたインテリアライトに使える

 FireWoodにはいくつかモードがあるが、明かりとして実用的に使えるのが「ライティングモード」だ。ベッドのサイドライトにすれば、ちょっと夜中にノドが乾いてベッドを離れる場合など常夜灯のように使えるほか、居間のテレビの前などに置いておき、暗めの照明としても使える。

ちょっとしたインテリアライトとしてもオシャレ
炎のアイコンがついているスライドセンサーは、左から右になぞると火が大きく、右から左になぞると火が小さくなる
モードの切り替えや音のON/OFFは背面のスイッチで行なう。右の丸いものは音声入力端子で、音楽プレイヤーのスピーカーにもなる(これについては後述)

 使い方は簡単だ。FireWoodに火をつけるには、本体上部にあるスライドセンサーを左から右に軽くなぞるだけでいい。ちょうどマッチをするようなイメージだ。これで「ボッ!」という音とともに炭に火がつき、ホンノリと明るい炭の炎があたりをぼんやり照らすようになる。

 さらにリアルなことに、炭がはじけるパチパチという音も聞こえる。焚き火の音を聞きながら過ごすのがFireWoodの王道の楽しみ方だが、やむをえない事情で静かにしたい場合は音を消すことも可能だ。

ライティングモードの動画

 さらにスライドセンサーを左から右になぞることで火が大きくなり、6段階で明るさを調整できる。逆に左から右になぞると「シュー!」と少し水をかけた音が鳴り、一段階ずる暗くできる。一度に火を消したい場合は、左右に繰り返しなぞると、たくさんの水をかけ「シューーーー!」という音とともに火が消えるようになっている。

炭のリアルな炎に注目。本当に燃えてるとしか思えない完成度の高さ
炭の中から赤く光る炎はホンモノとまったく同じ。ところどころエッジや凸凹の部分が白かったり、金属的に光る部分も再現されている

 これがどれぐらいホンモノに近いかを比較するために、本当に炭を組んで、火をつけてみた。それが下の写真だ。FireWoodのように炭全体に火をつけるのは超大変で難易度が非常に高いが、ここではバーナーを使って再現してみた。

 左の写真を見ればお分かりのとおり、台座がなかったらどちらが本物か見分けることができないほど、完成度の高い仕上がりになっている。

 部屋を暗くするとリアルさはさらに増し、ホンモノとFireWoodの区別はほとんど付かないほど。それどころか、ホンモノの炭はあまりパチパチと音がしないので、FireWoodの方がよりホンモノっぽく感じるぐらいだ。

台座が見えなくなる暗闇だと、ホンモノとFireWoodの区別がつかない。ちなみに右がホンモノの炭

“焚き火シミュレーション”ができるアウトドアモードは超リアル!

 次に紹介するのは、アウトドアモードと呼ばれる“焚き火シミュレーションモード”だ。アウトドア好きの人ならこちらのモードがオススメである。

 火のつけ方はライティングモードと同じだが、いきなり炭に火がつかないってのがミソ。マッチをするようにスライドセンサーを左から右になぞると、炭を組んだ中央にまず火がつく。そう、ライティングモードとは異なり、アウトドアモードでは種火を入れるところから始まるのだ。

アウトドアモードは、種火を入れるところからスタート
明るいところで見ると凄くチャチだが(タカラトミーさん! 夢をブチ壊してすまぬ!)、暗くするとマッチの炎ソックリでビックリ

 この種火を明るいところで見ると、炎の形をした白いプラスチックを黄色のLEDで照らし、電磁石でゆらゆらと揺らしているというのが分かってしまうのだが、部屋を暗くして見ると、マッチの炎ソックリ。できるだけ明かりを落として楽しむのがオススメだ。

 さてライティングモードでは、スライドセンサーをなぞると火を大きくできたが、アウトドアモードではもう少し本格的。もう1つのボタンをタッチして、赤いランプが点灯したら炭の中央に向かって息を吹きかける。すると「ブォー!」という息を吹きかけ炎が大きくなる音が鳴り、1段階明るくなる。

アウトドアモードで火の大きさを変えるには、まずブレスモードをONにする。モードが有効になると、赤いLEDが点灯する
この状態で炭に息を吹きかけると、炎が1段階大きくなる

 夢のない話になってしまうが、要は内蔵のマイクで音を拾って炎を大きくするという仕組みなのだが、それでも「あー!」とかしゃべっても、火は大きくならないというリアルさがスゲエ! 下の動画のように息を吹きかけることで、徐々に火を大きくすることができる。

アウトドアモードの動画

 ライティングモードとの決定的な違いは、火のお守りをしてやらないと徐々に火が消えてしまう点だ。最大まで火を大きくしておいても、少しずつ火が弱くなってしまい、およそ2分半で火が消えてしまう。火を絶やさないようにするには、様子を伺いつつ息を吹きかけて、火を大きくすつ必要があるのだ。

火が消えないように息を吹く

 ホンモノは火を起こすのが難しいが、FireWoodは火を絶やさないようにするのが難しい。

音楽プレイヤーをつなぐと炎が揺れる

 FireWoodはさらに、携帯音楽プレイヤーの外部スピーカーとしても使える。添付のケーブルで接続すると、モノラルだが音楽をみんなで聴くことも可能だ。しかも、音楽に合わせて炎が揺らぐ演出もある。

 ポータブルスピーカーにしてはちょっと大きめだが、単3電池3本で駆動できるので、キャンプやハイキングのお供として持って行くと、みんなでワイワイ楽しいだけでなく、必ず「ナニコレ!」とウケることウケアイだ。

単三電池3本で駆動でき、連続で30時間使える
スピーカーは直径5cm程度のヘッドホンに使われている薄型のものだが、本体に共鳴してダイナミックレンジ(再生可能な周波数の幅)が広がっている

 しかも音質も意外にいい! ヘッドホンほどのスピーカーしかついていないのだが、低音が本体に共鳴して、ベースやバスドラムの音まではっきり聞こえる。

ミュージックモードで再生しているところ。ちなみに音楽は版権フリーのもの

 さて、筆者はレビューでパッケージを紹介することはまずないのだが、FireWoodのパッケージには、下の写真のようなギミックがある。

わははっは! パッケージはアウトドア用品の店頭で見かけそうなデザインだ。この箱は捨てるのもったいないなぁ

 このパッケージ、アウトドア用品の店頭で見かけそうなデザインで、キャンプを嗜む人なら思わず笑ってしまうだろう。WireWoodに携わったタカラトミー社員のオチャメさと、遊び心が詰まったパッケージになっており、捨てるのは実にもったいない箱なのだ。

携帯用のミニFireWoodは、忘年会で絶対ウケる!

FireWood POCKETは、3色用意されていて左から黒、チャコール、グレーとなっている

 さてFireWoodの希望小売価格は7,140円と安くはないが、希望小売価格が1,260円と手軽に購入できる姉妹品もある。それが、スマートフォンのアクセサリなどにできる、ポケットサイズの「FireWood POCKET(ファイヤーウッド ポケット)」だ。大きさと重さは「カロリーメイト」と同じで、スマホにつけても重く感じない。

 息を吹きかけると炎の大きさが変わる機能と、超リアルな炭の灯りは、本家FireWoodと同じ。カラーは漆黒のブラックと、茶色がかったチャコール、そしてかなり燃えたあとっぽく見えるグレーの3色がある。筆者がオススメしたいのは、もう1時間ほどは燃え続けて、灰に近い状態となった哀愁漂うグレーだ。色は変わっても、リアルな炎は変わらないので好みで選ぶといいだろう。

グレーは他の色に比べて反射率が高いので、ひときわ燃えているように見えるのがポイント
電池の交換もできる(LR44×2個)。使い捨てじゃない点が嬉しい

 スマホにつけてアウトドア好きをさりげなくアピールして、「サバイバルできる男」を忘年会でアピールしたり、また「外は寒いけど俺、これがあるから暖かいんだ。でも、かなり熱いから注意してね」と言って相手に手渡して驚かせるという遊び方もできるだろう。キーホルダーとして使えば、夜の暗闇でも鍵穴を照らすという、実用的な使い方もできる。

焚き火好きは冬をFireWoodで乗り越えろっ!

 さてFireWoodは、オモチャという括りで扱ってしまうのは難しい製品。FireWoodは、FireWoodそのものを楽しむものではなく、その揺らめく炎の中に小さな心の灯りを照らせる、少年・少女の心を持った大人のためのヒーリングアイテムだ。

 「LEDが光るオモチャ」としか思えない場合はかなり高く感じるだろう。しかし筆者のように焚き火好きな人はもちろん、FireWoodの炎に何かを感じることのできる人にとっては、これまでにない画期的な製品であり、価格にもうなずけるだろう。言い換えれば、これまでの人生で刻んできた経験というシワが多ければ多いほど、このリアルな焚き火の炎に思いを馳せることできるのがFireWoodだ。

FireWoodは、大人じゃなければ楽しめない。部屋を暗くしてFireWoodの灯りでウィスキーを片手に映画を見ると最高のひと時になる
焚き火のあのニオイも再現できると最高なのだが、それはちょっと高望みかな?

 キャンプオフシーズンとなった今、実際焚き火ができる春になるまで、暖かい部屋のなかでFireWoodで焚き火を楽しんで欲しい。

藤山 哲人