やじうまミニレビュー

A4用紙32枚が軽く綴じられるステープラー

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

32枚の用紙が綴じられるステープラー

コクヨS&T「パワーラッチキス フラットタイプ」

 今回は、コクヨS&Tの「パワーラッチキス フラットタイプ」というステープラーを紹介しよう。昨年末に発売されたばかりの「32枚綴じ」という新しい製品だ。

 ステープラーとしては、ちょっと値段が高めだが、名前の通り32枚の用紙が綴じられるなど、他の製品にはない特徴がある。本当に32枚綴じられるのか試してみよう。

メーカーコクヨS&T
製品名パワーラッチキス フラットタイプ
希望小売価格682円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格654円

一般的な10号針で32枚綴じられる

 この製品の一番の特徴は、綴じられる紙の枚数がとても多いことだ。PPC用紙64g/平方mという一般的なA4コピー用紙で32枚まで綴じられる。32枚というと、重ねた厚みが約4mmにも達するのだが、ほぼ確実に32枚の用紙を綴ることができる。

本体は短い
正面から見ると、高さがある
尾部に針を外すためのリムーバーが付いている

 ただ、レーザープリンターや複合機を通った紙は、印刷時の熱で多少のゆがみが出るので、32枚綴じの成功率はだいたい半分ぐらいだった。それでも20枚から25枚ぐらいまでは、ほぼ失敗なく綴じられる。

レーザープリンターで出力した32枚のコピー用紙を挟んだところ
用紙の厚みは4mm近くになる
無事に32枚が綴じられた

 こういう多い枚数を一度に綴じられるステープラーでは、専用の針を必要とする機種もあるが、パワーラッチキスは、一般的な10号針が使用できる。会社などで備えられている針は10号針に限られていることが多いので、これは助かる。

開くときは大きく開く
針は一般的な10号針で、50本の塊が2つ入る

 なお、パワーラッチキスはフラットクリンチタイプと言って、綴じた針の裏側が平らになる。綴じたあとで書類を重ねるときに邪魔にならない。

15枚のコピー用紙を綴じたところ。フラットクリンチなので針がふくらまず平らになっている
32枚のコピー用紙を綴じると、折り返し部分がとても短くなる。このあたりが10号針の限界だろう

 綴じるための力が軽いのも良い。10枚以上のA4用紙を一般的なステープラーで綴じるときには、とても力がいるが、パワーラッチキスの場合は、20枚以上でも軽く綴じられる。本体に内蔵されているリンク機構の働きが負担を軽くしているのだ。

 パワーラッチキスは、多い枚数の用紙も軽く綴じられて、しかもフラットクリンチで出っ張らない。値段だけのことはある、素晴らしいステープラーだ。

ちょっとだけ本体が小さいか?

 2つだけ気がついたことがある。

 1つめは、パワーラッチキスの本体が小さいことだ。これは長所であるし、机の上ではコンパクトで良いのだが、これまでのステープラーに慣れていると、小さすぎると感じるかもしれない。

左の一般的なステープラーに比べると、短かくて縦に高い
本体の長さは約8cmほど

 また、本体が小さいので紙の隅ではなく、奥のほうを綴じようとすると届かないときがある。何度か試してみたが、紙の隅から2.8cmまでが本体が届く範囲なので、もっと奥の方を綴じるような用途には向いていない。

 もう1つは、綴るときにステープラーを、ゆっくり握っていると、本体中でリンク機構が動くのがわかる。だからと言って、何かがずれたりすることはないのだが、普通のステープラーの明確な感触に慣れていると、ちょっと戸惑うかもしれない。

 しかし、以上の2点は、あえて言えばというレベルであり、メリットに比べれば、小さなものであることは間違いない。例えば、本体がコンパクトな点は、手の小さな女性はかえって使いやすいだろう。

普段使いでもメリットが感じられる製品

 普段使いでも、軽い操作感とフラットクリンチ機構による平らな綴じは、大きなメリットだ。少し値段が高めの製品だが、ステープラーを使う機会が多い方は、ぜひ一度試してほしい。

伊達 浩二