やじうまミニレビュー
AS IF TOY「Varacil(バラシル)」
AS IF TOY「Varacil(バラシル)」ブラック/ホワイト |
ある日こんなものを見つけた。AS IF TOYの、「Varacil(バラシル)」だ。
なんでもシャープペンのプラモデルということらしく、自分でパーツを組み立てていくと、ちゃんとした筆記用具のシャープペンになるというのだ。自称「家電Watchの工作王」である筆者が、これに飛びつかないわけがない。さっそくショッピングカートにポチッ! とな。
メーカー | AS IF TOY |
製品名 | Varacil(バラシル) |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 945円 |
価格は945円で、シャープペンにしてはちょっと値が張るが、通称「ガンプラ」と呼ばれるアニメ「ガンダム」シリーズのプラモデルに比べりゃ安いもの。ここではみなさんと一緒に楽しみながら組み立てて、ちゃんとシャープペンとして使えるかどうかも見てみよう。
■えっ! プラモデルって言うより立体パズルじゃん!
ワクワクして中を見てみると、確かにプラモデル! がっ! パーツがめちゃくちゃ小っこい上に超複雑でガンプラの比ではない。パッケージを改めてよく見ると「Mecanical Pencil Plastic Puzzle Kit」って書いてあった。そう、コイツはただのプラモデルじゃなくて、パズルだったのだ。
組み立て・分解の説明書は、8ページに渡ってみっちり解説がある。しかもご丁寧に、シャープペンの芯を繰り出す機構までバラッバラの状態。コイツは手強そうだ……。
パッケージの中身は確かにプラモデル。組み立て方の説明もハンパなく細かい | ここまでバラバラっすか! 気合入ってますぞ |
組み立てに必要なものは、ニッパーとよく切れるカッター。プラモデルと言ってもはめ込み式なので接着剤は必要ない。なおニッパーはツメ切りを代用してもかまわないだろう。
さっそくパーツ番号1番を切り出して、組み立てて行くことにしよう。
ランナーと呼ばれるプラスチックの枠から部品を切り出すが、慎重に刃を入れないとパーツまで切ってしまうので注意 | このパーツの小ささを見よ! 指の幅ぐらいしかないのだ! ランナーから切り離したときの出っ張り(バリ)を取るのも一苦労 | 切るべきバリと、はめ込み用の突起を見分けながら作業する。赤丸は切っていいが、青丸は切っちゃダメなところ。見極めが肝心! |
パズルとしても上級者向けだが、プラモデルとしてもかなり上級者向け。はめ込み式なので、パーツを切り取った出っ張りの「バリ」と呼ばれる部分を、パーツの面に合わせてキレイに切り取らないと、パーツ同士がうまく密着しない。そのためパーツを切り取っては、カッターで丁寧にバリを取ってを繰り返す。しかも指の幅ぐらいしかないパーツをだ。
さらに難易度を上げているのは、バリと似たようなごく小さいはめ込み式の突起が色々あって、どれがバリかをよく見極める必要がある。ということで、子どもたちにお爺ちゃん呼ばわりされたくないので、あまりかけたくないんだが、渋々と老眼鏡をかけて臨戦態勢に。
1番の黒いパーツに2番の白いパーツをはめ込んで1工程完了! | ピッタリはまった!ここまで5分かかったが、まだ21工程も残ってる! | 説明書はすごく丁寧。丁寧だけど頭の中で3次元変換しないとならないので難しい |
なお組み立て方は、この上ないほど丁寧に説明しているが、部品同士の向きや位置を合わせるのが難しい。しかも説明書の2次元の絵を頭の中で3次元の立体に変換できる力がかなり試される。あまり図面を見慣れていない人だと、3工程ぐらいでギブアップしちゃうかも?
■製作工程を早送りで全部見せます!
以降は、プラスチックの部品(というより破片に近い)を1個ずつ組み立てている様子を早送りで見てもらうことにしよう。
ふぅ。ここまでの所要時間はおよそ40分。写真で見てるだけの読者は、少しずつシャープペンらしくなっていくのが楽しいかもしれない。しかし実際にやってみると、頭は2次元→3次元変換でフル回転、手先は部品が折れないように慎重に動かしているので、かなり疲れる。が、それ以上に楽しくてあっという間に時が過ぎるので、気づくと「えー! もう40分もやってるのか! 」って感じになる。
次はシャープペンの要の部分の製作だ。
バラバラだった部品を順番に組み合わせて…… | 部品を使って軸を取り付け | 見たことあるヤツになった! |
さて、ラスト8工程! ってまだそんなにあるのかー!
最後に小さなリングを先端にはめて回転。これで全体がロックされて完成だ! 組み立て開始からあっという間に1時間を過ぎていた。細かい作業が好きな人には、たまらなく面白い1時間になるだろう。
■さっそく試し書き! と思ったら芯が出ねー!
ところが、さっそく試し書きをしようと、芯(芯は別売)を入れてノックしてみるも、サッパリ芯が出てこない。そこで先っぽから芯を入れて繰り出せるかを調べたら、やっぱりダメ。どうやら組み立てミスらしい。そこで、8工程戻って、繰り出し機構をチェックしてみると、どうやら部品の向きが逆になっていたようだ。
ありゃ? サッパリ芯が出てこないぞ! | どうやら手に持っている部品に通している小さなパイプの向きが違っているようだ | 組み立て直すと、そういえばシャープペンの先ってこんな感じになってたなぁ~と改めて気がつく |
再度組み立て直してみた。出来上がりサイズは、直径が12mm、長さが141mm、重さは13g。持った感じは油性マジックほどの太さと重さで、グリップ感もいい感じだ。ちなみに、ちゃんとペン回しだってできる。ただ表面が凸凹しているので、長時間握っていると指が痛くなってくるのが難点だ。
できあがり! | 普通のシャープペンよりちょっと太め。太さと重さは、油性マジック程度だ | ペン回しもできる。何回か落としたもののバラバラにならなかった |
はめ込み式なので強度が心配だったが、モノを書いていてバラけてしまうようなことはなかった。ただし、ひねりには弱くペンの前後を持って15度も曲げると、バラバラとパーツが崩れだす。しかもいったん崩れだすと、アッチを元に戻すとコッチが外れということになり、結局最初から順番に作るハメになるので注意しよう。
なお説明書には、マジなのかシャレなのか分からないこんな注意書きがある。「試験や会議など、重要なときにご使用は控えてください。組み立てに不備があった場合、機能しなくなる恐れがあります」と。つまり、いったんバラけてしまうと、下の写真のようになってしまうため、会議や試験どころじゃなくなってしまうのだ。
無謀と知りつつマニュアルなしで、パズルとしての完成度を確かめるために1時間ほど悪戦苦闘した。しかし完成させることはできなかった(笑い)。パズルとしての完成度が高すぎて、マニュアルなしでは完成できないのだ!
組み立てマニュアルなしでコレをシャープペンに戻すには、ほぼ不可能だろう | 書き味もなかなかスムーズでよろしいかと……。決して筆が滑って本音を書いたわけじゃないですよ~♪ |
完成品はちゃんとシャープペンシルとして使えるので、ギミック好きや工作好き、パズルが得意という方はぜひチャレンジして欲しい。ただし、集中しすぎて時間が経つのが早いことに注意して欲しい。
2012年 11月 1日 00:00
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