記事検索
バックナンバー

やじうまミニレビュー

三菱鉛筆「クルトガ」

〜書き続けても偏減りしない、画期的なシャープペン
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです



三菱鉛筆「クルトガ」

 シャープペンシルは、これまで一番お世話になった筆記用具だ。学生の頃、試験前になると芯の減りが早く、授業中居眠りばかりしているとまったく芯が減らない、まさにやる気のバロメーター的な存在だった。それだけ身近なものだったので、書くうちに芯が斜めに減って、だんだん文字が太くなったり、薄くなったり、書きにくくなったり、芯が折れやすくなったり、芯の粉がついたり…などの悩みも尽きなかった。

 これらの問題を改善する新型シャープペンとして、発売から1年間で300万本以上売上げた商品が、三菱鉛筆の「クルトガ」だ。



メーカー 三菱鉛筆
製品名 クルトガ スタンダードモデル
希望小売価格 472円
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 424円

 ご存知の方も多いかもしれないが、2008年3月に発売したクルトガは、書くたびに芯が回ってトガり続ける自動芯回転機構(クルトガエンジン)を搭載したシャープペンだ。発売後好評を博し、手に入りにくい状態が続いてきた。このところ在庫が安定してきたようなので、改めて取り上げてみたいと思う。

 スタンダードモデルには0.5mmと0.3mmの2種類があり、今回は0.5mmブラックを使用した。機構内部は3つのギアに分かれており、芯に連結された中ギアが、文字を書くときの筆圧で上下に運動し、上下のギアと斜めに噛み合う。書く度に中ギアと芯が9度ずつ回転していき、常に芯が尖った状態で、偏減りしない。

スタンダードモデルの0.5mmブラック。他にカラーはシルバー、ブルー、ピンク、グリーン、オレンジがある クルトガエンジンのロゴ オレンジの部分がギア。ギザギザ同士が噛み合って回る

 クルトガの重さは10g。普通のシャープペンの重さは12gで、ほとんど違いはない。ギア部分を見るとメカメカしい感じがするが、持ってみたところとても軽くて重厚感がない。

 普通のシャープペンと使い心地を比べてみた。書き比べる際に使った芯は同じHBで、書く文章は同じ。書くスピードもなるべく同じになるようにした。

左がクルトガ、右が普通のボールペン。つれづれなるままに、文を書いてみた 普通のシャープペンで書いた文は、途中から文字が太くなっている

 書きあがったものを見てみると、クルトガで書いたもののほうがきれいだ。文字の太さにムラがなく、見栄えがいい。書いたものを比べてみると、普通のシャープペンで書いたほうは途中から文字が太くなっている。書き終わったあとの芯の減りの様子をみると、普通のシャープペンは芯の先端が斜めに尖り、偏って減っているが、クルトガの芯先は、先端が槍のように中央が尖った状態だ。

 クルトガを使って気づいたことがある。これまで普通のシャープペンでは、無意識のうちに芯の角度を変えて、尖ったところで文字を書いていた事だ。クルトガではその必要がないので、慣れたら本当に楽だった。

クルトガ。芯の先端が尖ったようになっている 普通のシャープペン。芯が偏って減っているのがわかる
指でこすってみたところ。右がクルトガ、左が普通のシャープペン 芯はクルトガも普通のシャープペンも残り8mmまで使える。

 筆圧の強い私は、いつもシャープペンを握って紙に触れるほうの手が黒鉛で汚れてしまうのが悩みだ。今回書いた文字を指の腹でごしごしこすってみると、普通のシャープペンで書いた文章はぼやけたようになるのに対し、クルトガで書いた文章にはほとんど変化が見られなかったので、手が汚れる心配もなさそうだ。クルトガの芯先は常に尖っているので、無駄な摩擦を防ぎ、余分な黒鉛が紙に残らないためだと思われる。

 一方で、ちょっと残念なところもある。書いた文章を消しゴムで消してみると、ほんとうに微々たる差なのだが、クルトガで書いた文章のほうが消えきらない感じがする。クルトガの芯先が常にシャープであるぶん、紙に深く黒鉛が刻み込まれ、消えにくいのかもしれない。

冒頭部分を消しゴムで消してみる 普通のシャープペンで書いた文章は、「日暮らし、」部分がうっすら残っている クルトガで書いたほうが、「日暮らし、」部分が若干くっきり残っている気がする

 また、私はほとんど気にならないが、紙に触れた瞬間にクルトガの芯先がわずかにブレるような感覚がある。これはペン自体が軽く、ギアが噛み合って芯が回るクルトガエンジンの特性ゆえだ。もしかしたら気になる人もいるかもしれない。これらが嫌な人には、ハイグレードモデルをオススメする。こちらは重心が低く安定感があり、ラバーゴムが巻かれている。希望小売価格は1,050円だ。

 また、最近では同じ三菱鉛筆からクルトガエンジンを搭載した『ユニ アルファゲル』シリーズも出ている。このシリーズは、グリップ部が衝撃吸収ゲル素材αゲルをシリコンゴムでサンドイッチされたものだ。従来のやわらかさに安定感がプラスされ、長時間の筆記でも疲れないそうだ。

 色々な種類が出ているが、グリップ部がスケルトンになっており、中のクルトガエンジンの仕組みと繊細な動きがじっくり見えるのは、このスタンダードモデルのみである。

 HPによると、クルトガのメインユーザーは中高生ということだが、このストレスフリーの書き心地は、最近パソコンばかり触っていて筆記用具から遠ざかっている大人にも味わっていただきたい。文字通り、筆記用具の進化が手にとるようにわかるはずだ。

 この「先端技術」をしげしげと眺めたい人、クルトガエンジンのミクロの世界に吸い込まれたい人、こだわりの文房具を揃えたい人におすすめしたい。

 




2010年 8月 30日   00:00