やじうまミニレビュー

トレードワン「SENO-Bi(セノビー)」

~ワンタッチで組み立て/折りたたみできる踏み台
by 但見 裕子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


「セノビー のっぽ君」のパッケージ

 踏み台は、高いところの物の出し入れに便利な家具である。

 しかし、せっかくだからと本格的で重いものを買ってしまって、案外使わなくなることはないだろうか。うちはある。

 それは、ステンレス製の立派なやつだ。折りたたみ式で3段の階段状になっていて、簡単な手すりもついていて、最上段に上がった場合70cmほどの高さが得られる。

 たしかに立派であるのだが、片手では持てないほど重い。なので自然と出すのがおっくうになり、ベランダの隅に立てかけたままになっているのが現状だ。出番は年に数回あるだろうか。

 これほど大げさでない、軽くて使いやすい自分用の踏み台が欲しいなと思って、探してみた。食器棚や冷蔵庫の、一番上の段から物を出し入れするときに気軽に使えるような物がほしい。

 そして「軽い」「大きすぎない」「できるだけ安価」という方向で探し出したのが今回紹介する「セノビー のっぽ君」だ。


メーカートレードワン
製品名セノ・ビー のっぽ君
購入場所Amazon.co.jp
購入価格2,069円


 本体の重さは1.5㎏、折りたたみ時の厚さは4.5cmとコンパクトだが、高さ組み立てた時の高さは39cm、約100㎏まで耐えられるという。本体はポリブロビレン製で、シンプルな構造なのでワンタッチで組み立て/折りたたみができるという。

 十分だ。いいではないか。組み立ても簡単だ。取っ手を持って床に置き、天板を軽く押してやる感じできれいに開く。組み立てと言うほどでもない手軽さだ。たたむときは、取っ手を持って持ち上げれば、もうパタンとたためてしまう。

ゴムが貼ってあって滑り止めになる組み立てた状態

 天板と裏側に、滑り止めのゴムが貼ってあり、お風呂などでも滑りにくいし、フローリングを傷つけないという。

 さっそく、キッチンに置いて試してみた。

 よいしょ、と上がるのが、思っていたより少し怖いのが意外だった。途中に段がなく、いっぺんで上がるからだろうか。壁などの何かに、軽くつかまりながら上がりたい感じだ。写真を見てもらうとわかるが、ヒザの角度が鋭角になるほど足を上げて。一度に踏み上がることになっている。スポーツやアウトドアではもちろん別だろうが、これだけの高さを一度にえいっと上がる段差というのは、普通の家庭生活では、基本的にないと思う。

足をかけたところ。一気に上がるのは少しだけ怖い

 ここに至って、少し考えてしまった。

 もちろん、当初思っていた「食器棚の一番上に手が届く」という機能については十分満足できる製品だ。軽いし、組み立ても収納も楽だ。だがしかし。問題はこの「十分すぎる高さ」ということではないのか。

 実は、「セノビー」シリーズには、もっと低い22cmのタイプがあり、そちらの方がカラーバリエーションなども多く、ノーマルタイプとして売られているらしいのはわかっていた。

 しかし、22cmとはいかにも半端な気がしたのだ。それで「どうせ買うのならば」、「大は小を兼ねるし」という考え方で、39cmの「のっぽ君」を選んだいきさつがある。

 いざ、実際使ってみると、この「高くてちょっと怖い」感じが、「何となくおっくうになって使わなくなる」という、前回の二の轍を踏むことになりはしないか。それが気になってきたのだ。

 いろいろ考えた末、少しもったいないのだが、あらためて22cmの「パステル セノ・ビー」を買うことにした。


メーカートレードワン
製品名パステル セノ・ビー
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,493円

 「のっぽ君」の時は普通の段ボール箱に入っていたが、今度はお手軽な取っ手付きのビニール包装だ。店頭で見かけたなら、まな板か洗濯ハンガーを買う感じで、ひょいと片手に下げて帰れるだろう。

 素材も設計も「のっぽ君」同様で、違うのは高さだけだ。耐荷重料が150㎏と、5割増しになっているのは、同素材でも高さが違うため、負荷が少ないからだろう。

普通のセノビーのパッケージ。カジュアルだ同様にゴムが貼ってある。仕様はほぼ同じだ最初に購入した39cmタイプと後から購入した22cmタイプを並べたところ
組み立てる前の状態組み立て後台に両足を乗せた状態

組み立てと折りたたみは、片手で簡単にできる

 乗ってみると、安定感が全然違う。怖くない。

 軽く乗り下りできるので、これなら踏み台昇降運動もできるだろうと思った。39cmの「のっぽ君」でやるのはイヤだが……キッチンで乗ってみて、食器棚の一番奥に棚に手を伸ばしてみたが、十分棚の中の方まで手が届いた。

22cmタイプだと無理がない高いところの食器を取る

 冷蔵庫はどうだろうか。自宅の冷蔵庫は背が高いタイプなので一番上の段は手が届きにくく、うっかり何かを奥の方に入れてしまうと取れなくなっていたのだが、これを使えば大丈夫だ。22cmの高さがあれば、日常の家事の中でたいていのことは間に合うのだな、と思った。

 最初「大は小を兼ねる」と考えて「のっぽ君」にしたのだが、私のライフスタイルにとっては必ずしも正しくなかった。日常の道具は、何のストレスもなく気軽に使えるものがいい。

 たった22cmの高さを得るために千円以上のお金を払うのは、人によっては抵抗を覚えるかも知れない。また、わずかな金額の差だから39cmの方がやはりトクだ、という考え方もあると思う。いや、私にもあった。

キッチンのちょっとしたスペースに収納できる

 しかし、気安くしょっちゅう、回数多く使うほど減価償却になるからトクだという考え方もまたあるのである。両方試してみた私は、ここは22cmのノーマル「セノビー」を選ぶ。パステルブルーの22cm「セノビー」は、たたんだ状態で 電子レンジラックとゴミ箱の間に入れておくことにした。すると、もうずっと前からそこに置いてあったように、キッチンの景色になじんでいた。



 



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2010年 2月 3日   00:00