やじうまミニレビュー

ひかり味噌のみそ造りセットで、味噌作りに初挑戦!

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

初めての味噌作りにチャレンジ!

 子供が産まれてから、これまで以上に食材に気を使うようになった。特にこだわっているのは、塩や醤油などといった調味料だ。良い調味料を使うと料理の味も格段に違うので、少々値段が張るとしても、良い物を使うようにしている。そこで、今回は、手作りの味噌にチャレンジしてみた。味噌を作るのは、全くの初めてだが、友人や妹に「手作りの味噌は本当においしい!」と話を聞いて、挑戦したくなったのだ。

ひかり味噌の「国産素材 みそ造りセット」。野田琺瑯の保存容器がセットになっている

 購入したのは、味噌どころ、長野県に本社があるひかり味噌の「国産素材 みそ造りセット」だ。野田琺瑯の保存容器がセットになったもので、北海道産の大豆「トヨハルカ」1kg、「ササニシキ米」を使った柔らかな乾燥糀1kg、長崎 崎戸島・蛎浦島周辺の海水でつくったまろやかで深い味わいのあら塩「にっぽんの海塩」500gが入っている。味噌の作り方が丁寧に書かれたリーフレットも一緒に入っている。

北海道産の大豆「トヨハルカ」1kg、「ササニシキ米」を使った柔らかな乾燥糀1kg、長崎 崎戸島・蛎浦島周辺の海水でつくったまろやかで深い味わいのあら塩「にっぽんの海塩」500gが入っている
味噌の作り方が丁寧に書かれたリーフレットも入っている

仕込みには2日間かかる!

 結論からいうと、私、味噌作りをナメていた……。作る前は「おいしくできたら今後はずっと手作り味噌つくろうよ~」なんて言ってました……。でも実際の作業はかなり大変で、いつもお味噌を作ってくれているメーカーの皆さんありがとう! と心から感じたのだった。

 というわけで、実際の作業をレポートしていこう。みそ造りセットを買って、安心して、もう半分作ったような気でいた私だったが、改めて味噌の仕込み方リーフレットを見て驚いた。なんと仕込みには2日間かかるというのだ! 具体的には、1日目は大豆を洗って、水に浸す(最低でも16時間以上)、2日目は大豆を煮てつぶす、つぶした大豆と糀、塩を混ぜる、容器に詰めるという作業を行なう。

まずは大豆を洗って、水に浸す。その時間なんと16時間
16時間後の大豆の様子。水をしっかり吸って、膨らんでいる

 1日目の作業量は少ないものの、2日目の作業はかなり大変だった。実際の作業時間は、大人2人がかりで3~4時間ほど(豆を煮る時間は別)かかったので、味噌作りには1日空いている日を選ぶようにしたい。

 購入したセットには、保存容器も含めて材料も含まれているが、このほかにあった方がいいもの、用意した方がいいものもある。まずは圧力鍋。付属の野田琺瑯の保存容器でも火にかけることができるが、これで弱火でコトコトと煮込んでいくと、8時間くらいはかかった……圧力鍋があると、この時間が一気に短縮できるので、あるなら使った方が良い。

 もう1つは、大きなボウルも必須。1kgの大豆と糀、さらに500gの塩を混ぜていくので、かなり大きなボウルあるいは鍋があった方がいい。わが家では、そこまで大きなボウルがなかったので、一番大きい鍋とボウルをフル活用した。

 また、大豆をつぶすためにすり鉢とすりこぎも必須。フードプロセッサーがあるとかなり時短できるので、これもあった方がいい。つぶした大豆が周囲に散らばるので、つぶす作業をする時は、あらかじめ新聞紙やビニールシートを敷いてから作業するのをおすすめする(わが家はこれナシでやったので、後片付けが大変だった)。

浸し時間16時間以上、煮込み時間6時間以上

 味噌作りをする日が決まったら、まずは大豆をあらって、水に浸すところからスタート。水に浸す時間はなんと16時間以上。

 ここで重要なのが、スケジュールの組み方。例えば、私の場合は、土曜日の夕方16時から大豆を水に浸して、翌日朝8時から豆を煮込みだした。次に、豆が十分柔らかくなるまで煮込むのに約6時間かかった。その後、豆をつぶすなどの作業を開始したのは14時。全ての作業が終わったのは、日曜日の18時。小さい子供がいるわが家では、18時というと、もうご飯の時間なので、このスケジュールは失敗だったというわけだ。

 圧力鍋などを使えば、もっと作業時間は短くなるものの、やはり時間はかかるので、余裕を持って予定を組んでおくことが重要だ。

保存容器はそのまま火にもかけられる。この容器を使った場合、煮込み時間は約6時間ほど。圧力鍋などを使えば時間が短縮できる
加熱中はアクが出てくるので、マメに取り除く。途中で水を足すのもお忘れなく

大豆をつぶすのが大変!

 味噌作りの大まかな流れとしては、豆を浸す→豆を煮る→豆をつぶす→糀や塩とよく混ぜる→保存容器に入れる、というもの。

 この中で特に大変だったのが豆をつぶすという工程。よーく煮て柔らかくなった豆をつぶしてなめらかにしていくのだが、手間がかかる。最初は、まず昔ながらのやり方でやってみようと、すり鉢を使ったのだが、手間がかかりすぎて、すぐに断念。その後、フードプロセッサーを使って作業した。スープなどを作るときに便利なブレンダーを使ったところ、大豆が細かくなりすぎてしまったので、みじん切りなどに使うチョッパーを使った。

6時間加熱した後の大豆。手で潰れるほどの柔らかさまで茹でる
すり鉢とすりこぎでつぶしてみた。ただし、時間がかかり過ぎるし、手も疲れるのですぐに断念……
ブレンダーを使ったところ、大豆が細かくなりすぎてしまった
次にみじん切りなどに使うチョッパーを使った
コツは大豆を入れすぎないこと
ざっくりと粗めに仕上げる
その後、すり鉢でなめらかにつぶした
粒感が残らない程度につぶしていく

 過去に味噌作りをしたことがある母とも相談しながらチョッパーでだいたいつぶして、その後にすり鉢でなめらかに仕上がるという流れで落ち着いた。1kgの大豆をつぶすのはかなり大変な作業だ。

誰かと一緒に作業するのがオススメ!

 大豆をつぶしたら次に糀や塩とよく混ぜて、保存容器に入れていく。この混ぜる作業もまた一苦労。つぶした大豆の量が多いので、かなり大きめのボウルや鍋を用意しよう。

大きなボウルで糀と塩をよく混ぜ合わせていく
その後、大豆とも混ぜ合わせる

 最後に混ぜた大豆を保存容器に移していく。この時なるべく空気が入らないように、空気を抜くようにお団子状にして、保存容器の下の方から並べていく。一段埋まったら、そのすき間を埋めるように、上から拳でつぶしていくようにする。

 ここら辺のノウハウも、味噌作り経験者の母がいてくれたから助かった。正直、この時点でもう夕方17時をまわっていたし、息子は泣き始めるし、結構カオスだった……。これは1人ではなくて、家族やお友達と一緒にするのが絶対おすすめ。

よく混ぜ合わせたら、団子状に丸めていく
こぶし大のお団子を次々に作っていく
一段埋まったら、空気を抜くようにして上から拳でつぶしていく

 全ての大豆を保存容器に入れたら、上から塩をかけて、さらにその上にラップ、1kgほどの重しをおいていく。この重しは、なんでもいいのだが、保存容器の中に入るサイズのものが必要なので、塩とか、砂糖だと置きやすい。私の場合、自宅にあった未開封の小麦粉がちょうど1kgだったので、それを置いた。

保存容器に詰め終わったら上から塩をかける
上からラップで覆う
その上に落としぶたをする。今回は自宅にあったお皿がちょうど良いサイズだったので、それを使った
重しとして1kgの小麦粉を載せた
最後にフタをしたら、仕込みは完了。日の当たらない場所に置く

 あとは、本体を日に当たらない場所に置く。仕込む時期や好みにもよるが3~4カ月の熟成期間が必要になる。まだ中身は完成していないものの、「ようやくおわったー」という開放感が得られた。

食育に最適

 できあがった味噌の試食はまだなのだが、今回のキットで作った味噌はひかり味噌の「天然醸造糀味噌 名匠」という味噌をほぼ同じ材料を使っていると聞き、そちらを味見してみた。500gで1,785円(税込)という高級な味噌ではあるのだが、上品で深みのある味は、一般的な味噌とはひと味もふた味も違うもの。

ひかり味噌が作っている「天然醸造糀味噌 名匠」という高級味噌

 果たして、私が作った味噌がそこまでのものに仕上がっているかは分からないが、「味噌を作る」という経験が出来たのは、個人的にすごく良かった。いつも食べているものなのに、知らないことばかりだったし、食への興味や感謝が増した。

 食育の一貫として、家族や友人、子供達と一緒に味噌作りするというのは、相当オススメだ。その際は、事前のスケジュール管理をお忘れなく!

阿部 夏子