藤山哲人のモバイルバッテリー診断

cheero「Power Plus 2」

〜1万Ah超えの大容量で、LEDライト内蔵の激安バッテリー

「モバイルバッテリー診断」は、スマートフォンの外部電源として普及しているモバイルバッテリーをレビューするコーナーです。(編集部)

 今回紹介するのは大容量・低価格モバイルバッテリー、cheero(チーロ)の「Power Plus 2」。前身となる「Power Plus」は、大容量・低価格モバイルバッテリーのパイオニア的存在で、発売と同時に人気を博していたが、より洗練されたデザインで高性能に進化した。

cheero Power Plus 2「CHE-039」。専用ポーチも添付されている

 Power Plus 2のサイズは2つ折りにできるお財布ぐらいで、アルミの素材感を活かしたオシャレなデザイン。カラーバリエーションにゴールド、シルバー、ブラックが用意されているが、老若男女やシーン、スマートフォンを選ばず、何にでもマッチするだろう。

 容量は1万mAhをオーバーしているので、重さも290gとずっしり来る。ポケットに収まるサイズだが、ポケットに入れてスマートフォンを充電するのは無理があるだろう。

メーカー名 cheero
品名・型番 Power Plus 2 CHE-039
バッテリー容量 10,400mAh
繰り返し利用回数 500回
サイズ
(幅×奥行き×高さ)
80×111×22mm
重量 290g
カラー ゴールド/シルバー/ブラック
実売価格 3,280円前後
LED懐中電灯は明るく、2mほど離しても文庫本(小さなルビも)が読めるほど

 従来モデルからの変更点は、懐中電灯機能を追加した点だ。高輝度白色LEDが2個埋め込まれて、簡易懐中電灯としても使える。説明書には連続利用時間など記載されていなかったが、10,400mAhという容量を考えると、連続で10日以上は点灯できる試算だ。

 東日本大震災のときは、店頭(しかも秋葉原でも)から乾電池がなくなってしまったことを考えると、非常用の明かりとしても重宝することになるだろう。

本体上部。左からLED式懐中電灯、充電用micro-USBコネクタ、1A出力USBコネクタ、2.1A出力USBコネクタとなっている
右側は何もない。丸くなっているので横向きに立たせることはできない
天面にはバッテリー残量計を搭載。ブルーに光り3灯式になっている
下部にはスペックなどが記載されている。この面を下にして立たせることが可能
電源スイッチを押すと電源が入る。ダブルクリックでLED懐中電灯のON/OFF。電源OFFはなく、コネクタに何も差し込まないと自動的に電源が切れる
底面にはとくに何もない
■■注意■■

・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。
・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。
・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。
・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。

iPad2ならちょうど1回フル充電、スマートフォンなら2台持ち向け

充電の実測テストに利用した、2012年夏モデルの富士通製ARROWS X F-10D。内蔵バッテリー容量は1,800mAh

 内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン(ARROWS X F-10D)を実際に充電してみたところ、4回と10%充電できた。

・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「4回」と「10%」(7,344mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:OFF、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリBattery Mixにて容量変化を記録

 先にも少し触れたが、1万mAhオーバーのモバイルバッテリーなので、本体は大きく重量もある。スマートフォンと比較するとかなり大きく見える。

 ポケットの中で充電するのは少し無理があるので、カバンやハンドバッグの中で充電することになるだろう。カバンの中で充電すると、スイッチにモノに当たるなどして電源が切れてしまう場合があるが、本製品はスイッチで電源OFFできない設計になっているので、確実にスマートフォンを充電できる。

 もし途中で充電をやめる場合は、接続しているスマートフォンを取り外せば、モバイルバッテリーの電源が自動的に切れるようになっている。またスマートフォンがフル充電になった場合も自動的に電源が切れる。ただしカチカチとダブルクリックしてしまうとLED懐中電灯がついてしまうが、消費電力はほとんどないと言ってもいいほどだ。

スマートフォンと並べるとかなり大きいのが分かる。重さも缶ジュース1本ほどあり、ずっしり重い
スイッチは横にあり押しボタン式。ONはできるがOFFはできない
モバイルバッテリーの電源をOFFするには、USBケーブルを引き抜く。およそ10秒程度で電源が切れる。スマートフォンがフル充電になった場合も自動で電源が切れる

 出力はスマートフォン充電用の1Aコネクタと、タブレット充電用の2.1Aコネクタの2つを持ち、2台同時充電も可能。もちろんスマートフォン2台の同時充電もOKだ。

 添付のケーブルは、USBとmicroUSBコネクタになっていて、長さは70cmもある。モバイル用としては非常に長いが、バッテリーはカバン、スマートフォンはポケットに入れて充電するのに十分な長さを確保しているものと思われる。

 バッテリー残量計は、1色3灯。1万mAhという容量に対して大雑把な印象を受ける。一般的なスマートフォンなら4回以上充電できるので、20%刻みの5段階は欲しいところだ。

第3世代iPadとスマートフォンの同時充電も可能。写真はiPad2
バッテリー残量は1色3灯で、容量にしてはかなり大雑把
添付のケーブルは非常に長く70cm。バッテリーをカバンに、スマートフォンをポケットに入れて充電ができる
【スマートフォン充電(出力)スペック】
項目 詳細
USBコネクタ数 2
USB最大電流 2.1A
充電ケーブル (コネクタ) Micro USB - USB
残量インジケータ 1色3灯式
自動電源OFF 本体電源ON時も有効
40mAでOFFを確認
同時充電 スマートフォン2台:○
スマートフォン+iPad 2:○

電気的な性能は国内メーカー品と型を並べる

 たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。

 なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。

連続電圧変移
連続電流変移

 グラフは1A出力コネクタでテストした結果となっている。出力電流は900〜850mA程度で安定性は標準的だ。一方電圧は、7時間半という長時間ながら5.0Vピッタリを出力していた。なおバッテリー切れ直前に0.05Vの降下が見られるが、これは誤差レベルの問題。

 さて実験結果から表示容量10,400mAhのうち、どれだけスマートフォンに充電できるかという実容量を計算したところ、65%(6,763mAh)となった。ロスの少なさは平均的と言ってもいいだろう。ただし測定器ではなく実際にスマートフォンを充電したときの値を使うと71%となる。大容量バッテリーになると誤差が出始めるが、ロス率は標準以上と判断してもいいかも知れない。

実容量ロス率

 なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合()内が内蔵バッテリー容量を示している。

【実用量と各種スマートフォンの充電回数予測】
項目 詳細
バッテリー表示容量 10,400mAh
連続利用時の実用量 6,763mAh(65%)
連続実用量1,000mAh あたりの価格 485円
充電回数(理論値) Android(1,300mAh):5.6回
Android(1,500mAh):4.9回
Android(1,800mAh):4.1回
Android(2,000mAh):3.7回
Android(2,200mAh):3.3回
Android(2,500mAh):2.9回
Android(3,000mAh):2.4回
iPhone 4S(1,432mAh):5.1回
iPhone 5(1,434mAh):5.1回
iPad 2(6,580mAh):1.1回
iPad 3(11,560mAh):0.6回
ソニー PSP(1,200mAh):6.1回
任天堂 3DS(1,300mAh):5.6回

 LTE非対応の古いAndroidやiPhoneシリーズ、携帯ゲーム機などの充電用にも使えるが、本製品を使うと5回近くも充電できるため、オーバースペックといえる。ベストマッチするのは、LTE対応の2,000mAh以上のバッテリーを持つスマートフォンやタブレットなどになる。

フル充電に10時間というのが人を選んでしまう場合も

 説明書などではフル充電に「10〜12時間(1A USB-ACアダプタ利用時)」とあった。しかし実際に2A出力できるUSB ACアダプタで充電してみたところ10時間ピッタリで充電できた。

スマートフォンに添付のUSB ACアダプタを使う場合は、出力は1A以上になっていることを確認すること。1A以下(数百mA)程度のものでは、充電に10時間以上かかってしまう

 1万mAhオーバーという大容量になると、充電時間が使い勝手を大きく左右する。8時間以内で充電できれば、一晩充電すれば翌日フル充電になっているが、10時間というのは微妙だ。自宅には寝に帰るだけという忙しい時期はフル充電できないので注意したい。フル充電しなくても、8時間充電すればおよそ80%充電できるが、それだと1万mAhの価値も半減してしまう。

 今回は出力が2Aと大きいUSB ACアダプタを使って10時間だったため、それ以上の出力ができるUSB ACアダプタを使っても充電時間は10時間以下にはならない。最大の充電電流は1Aなので、充電用のUSB ACアダプタは1A以上、できれば余裕を見て2A出力を用意したい。

【本体充電スペック】
項目 詳細
本体充電用コネクタ Micro USB
添付充電器(仕様) なし
充電時間(カタログ値) 10〜12時間(1A USB-ACアダプタ利用時)
充電時間(実測) 10時間03分
繰り返し利用回数 500回

タブレットユーザーに自信を持ってオススメできる大容量

 国産メーカーの大容量モバイルバッテリーとほとんど性能差はなく、3,200円という安さが魅力のcheero「Power plus 2」。タプレットユーザーやスマートフォン2台持ちのユーザーにピッタリだろう。

 使い勝手や機能も十分合格点で、ほぼ満点に近いオススメの大容量モバイルバッテリーだ。充電時間の長さと残量計の荒さが改善されれば、パーフェクトなモバイルバッテリーになるだろう。

【総合評価】
メーカー・品名 cheero「Power plus 2」
ロスの少なさ  ★★★★☆(4)
持ち歩きやすさ ★★★☆☆(3)
単位容量の安さ ★★★★★(5)
 充電の早さ  ★☆☆☆☆(1)
使い勝手のよさ ★★★★☆(4)

(藤山 哲人)