家電製品ミニレビュー

オムロン ヘルスケア「ハンディマッサージャ HM-165」

~8つのコースで不快感のない絶妙な揉み心地
by 片岡 義明

手軽なハンディマッサージャーで肩こり解消を

オムロンヘルスケア「ハンディマッサージャー HM-165」。清潔感のある白色のボディ

 まだまだ寒いので厚着をしているせいか、どうも肩が凝る。重めのジャンパーを着た日や、フリースを着たまま寝てしまったときなどはとくにひどい。

 そんな悩めるアラフォー男の強い味方が、ハンディマッサージャーだ。これを使えば手の届きにくい背中の裏のツボも適確に押せるし、電動パワーで凝った筋肉をもみほぐせる。どこにでも持ち運べる気軽さがあり、何よりマッサージ椅子を買うよりもはるかに安上がりだ。

 そこで今回は、オムロン ヘルスケアが昨年11月に発売した「ハンディマッサージャHM-165」を紹介しよう。HM-165は同社のラインナップの中では、スタンダードタイプのHM-164と比較すると“ハイグレードタイプ”と位置付けられており、多機能な点を売りにしている。


メーカーオムロン ヘルスケア
製品名ハンディマッサージャー HM-165
購入場所Amazon.co.jp
購入価格5,548円

 もっとも大きな違いは、HM-164がマニュアルでの速度調整しかできないのに対して、HM-165には「ため打ち」や「リズムバイブ」といった多彩なマッサージコースが8つ用意されている点だ。また、HM-164にはアタッチメントが1つしか付属しないのに対して、HM-165には2つのアタッチメントが付属している。実売価格はそれほど変わらないので、HM-165の方がおトクと考えた。

豊富な8種類の運転モード。さらにマニュアルモードも搭載

使用中の写真。肩の形状にフィットするネックのカーブ

 本体サイズは288×399×80mm(幅×高さ×奥行き)で、重さは950g。ハンドル部はそれほど太くはないが、ヘッド部に行くにつれて途中でネックが急角度に折れ曲がっている。ヘッド部が大きく頭でっかちな印象だが、バランスがいいのかそれほど重さは感じられなかった。

 グリップはパネル操作部も兼ねており、上から「マニュアル」と「コース選択」の切り替えスイッチ、コース選択用ダイヤル、電源スイッチが配置されている。スイッチの下には全8種類のコース名のリストが印刷されている。

 運転コースは全8通りが用意されている。モードは大きく分けて「たたきモード」、「バイブモード」、「おまかせモード」の3種類だが、ここからさらに細かい運転モードに分かれている。「たたき」では、ため打ち/速たたき/連続たたき/リズムたたきの4コース、「バイブ」はリズムバイブ/ウェーブバイブの2コース、「おまかせ」はほぐし/オートの2コース――この合計で全部で8通りとなるわけだ。

 ちなみに、おまかせモードのほぐしは、リズムバイブとウェーブバイブを組み合わせたモード、おまかせのオートは、「たたき」の4コースと「バイブ」の2コースを順番に繰り返すモードとなっている。

 これだけモードがあると、どれを使うか迷う。一定の衝撃が断続的に加えられる「たたき」を選ぶか、連続して波のようにマッサージする「バイブ」を選ぶか――筆者の場合は、マイルドな感触の「バイブ」モードが気に入った。どのモードを使えばいいのか迷ったときは、まず「オート」を選択してすべてのコースを一通り体験してみるのが良いだろう。肩には「たたきモード」、腰には「バイブモード」と、部位によってコースをうまく使い分けてもいいかもしれない。

運転をため打ち→速たたき→連続たたきで切替えているところこちらはリズムたたき→リズムバイブ→ウェーブバイブの順

 切り替えスイッチを「マニュアル」にすると、これらのコース選択がすべて無効となり、数が増えるにしたがってたたく速さがアップするシンプルな運転モードになる。これまでコース選択に使用していたダイヤルは、速度調整用のダイヤルとなり、“1”は「たたき」、“8”では「バイブ」の状態となる。コース選択で自分好みのプログラムが見つからないときは、シンプルに強弱を調整できるこのマニュアルモードがおすすめだ。

 なお、電源スイッチは強/弱の2種類が選べるようになっており、コース選択・マニュアルどちらのモードでも強/弱を選べる。マニュアルモードの速度調整と組み合わせれば、より細かい調整が可能となるわけだ。

グリップ部の操作パネル操作パネルの下に書かれたコース名のリストダイヤルを回して速度調整する

2種類のアタッチメントで不快感のない揉み心地。肩こりも解消

アタッチメントを付けない「たたき玉」の状態

 早速使ってみよう。ヘッド部には「たたき玉」という大きな突起物が1つ付いており、ツボをピンポイントで押せる。

 ほかにも2つのアタッチメントが用意されている。1つは広範囲のエリアをマッサージできる「こぶしアタッチメント」で、8つの突起が円形に配置されたものだ。これはその名の通り、こぶしをグリグリと押しつけられているような感触で、たたき玉よりも圧力が分散されるので苦痛は少ない。

 もう片方は、平たい円形の「手のひらアタッチメント」で、これはバイブレーション効果を強調してマッサージするためのものだ。バイブモード用のアタッチメントではあるものの、これで低速の「たたき」を行なってもけっこう気持ちいい。突き刺すような刺激を加えられるたたき玉よりも衝撃を受ける面積が広くなるので、かなりやさしい感触になる。

「こぶしアタッチメント」。まるでこぶしをグリグリと押しつけられているような感触だが、たたき玉よりも圧力が分散される「手のひらアタッチメント」は、バイブレーション効果を強調してマッサージするためのもの。さらにやさしい感触だ

 アタッチメントの取り付けは、「たたき玉」の上から押し込むように装着する。取り外すときは指をかけて剥がすように取ればすぐに外れる。取り付け・取り外しともにとても簡単だ。個人的には「こぶしアタッチメント」を付けた状態で弱めのバイブモードでマッサージするのが気持ちよく、ずっとやり続けていたいような気分になったが、説明書には「マッサージは1日15分以上しないでください」と注意書きが載っている。長時間の使用は避けたほうがいいようだ。

 それにしても、10年前に購入した古いハンディマッサージャーは速度の速/遅の切り替えだけしかできず、コース設定やたたき速度の細かい調整、強弱の切り替えなどできなかったが、それに比べると最新機種のHM-165はかなり機能豊富だ。多彩なマッサージコースを搭載し、複雑なマッサージが行えるだけでなく、マニュアルモードでも8段階と速度を細かく調整できる。

 古いマッサージャーの場合、速いほうに切り替えると強すぎて不快で、速度を遅くすると物足りないという極端な使い心地だったが、HM-165だと自分好みの絶妙な強さや速さでマッサージできるので不快感をまったく感じない。終わったあとも肩こりが見事に解消し、肩の周辺がとても軽くなった。

 この内容で実売価格は5,000円以下と手頃なので、一昔前のマッサージャーを使い続けてきた人が買い換える価値は十分にあると思う。日頃のリラックスツールとして自分で使うのはもちろん、肩凝りに悩む家族や友人にプレゼントしてもきっと喜ばれるだろう。





2011年3月14日 00:00