家電製品ミニレビュー
フィリップス「ヒゲトリマー QT4021」
まず、この製品選びに際して、(1)シェーバーで実績のあるメーカーであること、(2)細かい調整が可能であること、(3)電池駆動だけでなく、AC駆動もできること、の3点を重視した。この基準で選択して、生き残ったのがフィリップスの「QT4021」だ。
メーカー | フィリップス |
製品名 | ヒゲトリマー QT4021 |
希望小売価格 | オープン |
購入価格 | 7,980円 |
購入店舗 | Amazon.co.jp |
この製品の利点はパーツ構成が単純なこと。多くのヒゲトリマーは、やたらとアタッチメントが付いてくる。たしかに、いろいろなニーズに応えるために必要なことなのだろう。だが、私のニーズは、ヒゲの長さを揃えること、これのみである。使う機能は決して多くないのに、分離するパーツがいろいろ付いていると、なくさないように管理しなければならないがかえって面倒だ。
その点、このQT4021はシンプルだ。本体とACアダプタしか付属しない。シンプルである。回転式のダイヤルで1~9の9段階で長さを調整する。1=1mm、9=9mm、であれば話はわかりやすいのだが、そうではない。本体に表示されている数字とヒゲの長さは以下の表のような対応関係になっている。
長さ調節目盛り | ヒゲの長さ |
1 | 1mm |
2 | 2mm |
3 | 3.5mm |
4 | 5mm |
5 | 7mm |
6 | 9mm |
7 | 11.5mm |
8 | 14.5mm |
9 | 18mm |
ダイヤルで狩り高さを調整しているところ。片手ではちょっと操作しづらい |
操作は簡単で、ダイヤルを回して長さを設定。あとは電源を入れるだけだ。電源はON/OFFしかなく、ダイヤル調節以外、動作モードなどのバリエーションはない。機構自体も単純で、ダイヤルを回すとコームが上がっていき、刃との距離を取るような仕組みになっている。
手前のプラスチック部分がコーム。奥に見える刃はバリカンと同じような形状 | ここを回転させて長さを調節する | 電源スイッチ |
ブラシで掃除する。水洗いはできない | 内蔵電源はニッケル水素電池 | 付属する掃除用ブラシ |
まずは1週間ほど伸ばしたアゴヒゲを、目盛り「5」つまりは7mmで剃ってみた。直接肌に当たるコームの部分はバネで可動するので、アゴにも押しつけやすい。もちろん、いわゆる普通の電気シェーバーとは違い、刃が直接肌に当たることはない。
同梱されるのは本体とACアダプタ、あとは掃除用のブラシだけとシンプル | 充電中は緑に光る |
普通のひげ剃りと違い、かなりしつこく往復させる必要がある |
仕上がりはというと……かなり満足。思い通りに刈れている。「5(7mm)」「3(3.5mm)」「1(1mm)」の3つのサンプルを撮影したのでご覧いただきたい。はっきりと濃淡の違いがわかる仕上がりになっている。
「5(7mm)」でカットしたヒゲ | 「3(3.5mm)」でカットしたヒゲ | 「1(1mm)」でカットしたヒゲ |
ただ、使ううちに、この機械でできないこともわかってきた。たとえば、キレイにヒゲを整えるには「長さ」を揃えるだけでは十分ではない。頬、アゴなどヒゲが密集していないポイントにところどころ伸びるヒゲをカットしていかないと、不潔な感じになってしまう。これにはもちろん、普通の電気シェーバーやカミソリのようにコームのない、長さを残さずにすっぱり切る道具が別に必要になる。これ1台ですべてヒゲ回りがOK! という製品でないことは注意が必要だ。また、バリカンとして使うには厳しいだろう。頭髪だと毛の量が多すぎて、おそらくモーターのトルクが不足すると見られる。まとめると、シェーバーはヒゲソリと併用して、残しておきたいヒゲをケアする製品だと言えるだろう。
製品としては完成されており、使い勝手はよい。説明書を読まずにすぐ使えるシンプルさは非常に気に入った。気になるのは、水洗いができない点くらいだ。当分の間、我が家の洗面所に常駐しそうな製品だ。
2009年11月17日 00:00