家電製品ミニレビュー
パナソニック「加湿機能付きセラミックファンヒーター DS-FKX1200」
■組み合わせに便利なセラミックファンヒーター
パナソニックの加湿機能付きセラミックファンヒーター「DS-FKX1200」。ナノイーと本格的な加湿機能を搭載しながら、持ち運びなども便利なセラミックファンヒーターだ |
冬の暖房手段は?
エアコン一辺倒の夏と違って、冬は人それぞれ意見が分かれるところだろう。こたつ派、エアコン派、石油ストーブ派、床暖房派、ホットカーペット派、オイルヒーター派……実にさまざまな暖房器具を好みに合わせて使っているはずだ。
そんな暖房器具の中でも、個人的に好みなのがセラミックファンヒーターだ。小型で運びが簡単で、狙った場所だけを素早く暖めることができるセラミックファンヒーターは手軽で、ホットカーペットなどの他の暖房器具と組み合わせて使うのに適している。
部屋全体をまんべんなく暖めるというよりも、特定のポイントを狙って効率的に暖めるのに便利で、筆者も仕事中の足下を暖めるために小さなホットカーペットと併用している。
そんなセラミックファンヒーターの新製品として注目したいのが、パナソニックから発売された「DS-FKX1200」だ。同社のナノイー技術も採用した加湿機能付きセラミックファンヒーターで、単に暖めるだけでなく、除菌・脱臭効果と本格的な加湿機能による「うるおい暖房」が特徴の一台だ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | 加湿機能付きセラミックファンヒーター DS-FKX1200 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 19,777円 |
正面 | 側面 |
■「うるおい」を実現できる暖房器具
ルーバー内部にナノイーの放出口があり、温風と一緒に放出される |
本製品の最大の特徴は、パナソニックならではのナノイー技術が搭載されている点。この技術は、除菌・脱臭などの効果でも知られているが、セラミックファンヒーターと組み合わせた場合に注目されるのは、やはり「うるおい」だろう。
湿度の低い冬場は、どうしても肌が乾燥して荒れ気味になってしまうが、本製品には前述したナノイー技術と本格的な加湿機能の両方が搭載されている。
本体前面の吹き出し口の中をよく見ると、ルーバーの奥に2cm角ほどのナノイー吹き出し口が用意されている。ここから、暖められた空気や加湿された空気と一緒にナノイーが放出されるというわけだ。
もちろん、加湿機能も本格的だ。加湿容量は最大520mL/hとなっており、部屋を暖めながら、乾燥を防ぐことができるようになっている。この能力は2万円程度の専用加湿器とほぼ同等となっており、かなり強力になっている。
つまり、ほぼ同等の価格で、本格的な加湿機能に、ナノイーとセラミックファンヒーターによる暖房機能が手に入ると考えると、かなりお得な製品だといえるだろう。
部屋を加湿する方法に関しては、専用の加湿器、空気清浄機の加湿機能といろいろな方法が考えられるが、これらからの季節を考えると、同時に部屋を暖めることができる加湿機能付きセラミックファンヒーターを利用した方が、電気代などを考えても効率的といえそうだ。
実際に使ってみると、ファンの音が若干気になるものの、暖房と加湿の能力は文句なしといった印象。
セラミックファンヒーターは電源オンから暖かい空気が出てくるまでの時間が短いのが特徴だが、本製品も電源ボタンを押してからものの数秒もすれば、足下から暖かい空気が出てくる。冬場、早朝のキッチンなど、足下を素早く暖めたいなどという場合に重宝しそうだ。
ボタン類は本体上部に搭載 | 温風が出るまでの時間が短いので早朝のキッチンなどでも重宝する | 取っ手もあるので持ち運んで、使いたい場所で手軽に利用できる |
加湿に関しても、まさに「うるおい」を実感できる感じで、上部の「加湿」ボタンと「ナノイー」ボタンを押してから、下の吹き出し口に手を当てると、どことなくやさしい感じの風が感じられる。
しばらく稼働させておいたが、確かに、いやな乾燥感というのはなく、暖かいのにしっかりと部屋がうるおっている感じだ。
■暖房、加湿を独立運転可能
もちろん、常に暖房と加湿を同時に使う必要はない。DS-FKX1200では、暖房、加湿(ナノイーON/OFFも可能)の各モードを個別に動作させることができるようになっている。
このため、今の時期などは、暖房は切っておいて、加湿器としてだけ使うこともできるし、これから本格的な寒さが到来した場合でも、雨の日などは加湿機能を切って暖房としてだけ使うこともできる。
ちなみに、これらのモードの組み合わせによる電力の違いは以下の表の通りだ。暖房機能の強弱によってかなり消費電力が異なるが、加湿機能のモードの違いはほとんど電力に影響しないようだ。また、ナノイーもON/OFFができるのだが、こちらも消費電力にはほとんど影響しなかった。基本的には常に有効にしておいてかまわないだろう。
暖房/加湿運転の組み合わせによる電力の違い。暖房機能の強弱で消費電力に差はあるが、加湿機能はあまり影響しない。なおナノイーに関しては、ON/OFFで消費電力の違いはほとんど見られなかったため、表からは除外している。 |
■フィルターの掃除も楽々
給水タンクの容量は3L。上部のフタを開けると手軽に取り出せる |
最後にお手入れについて触れておこう。まずは、給水についてだが、これは上部のフタを開けると給水タンクを取り出せるので、ここに水を入れて利用する。容量も3.0Lと余裕があるので、さほど頻繁に水を足す必要はないだろう。
一方、掃除については、背面の吸気フィルタを週に一回ほど掃除するだけでかまわない。掃除機などで手軽にお手入れできるので、部屋の掃除のついでにたまにフィルタのゴミを吸い取っておけば十分だ。
個人的に良くできていると感心したのは加湿機能のお手入れが、かなり細かな部分までできることだ。給水タンクを取り外した後、背面下のトレイを引き出すと、手軽に加湿フィルターを取り外すことができる。これにより、冬を終えて押し入れなどにしまうときなどに、加湿トレーやフィルターを徹底的に清掃することができる。
背面のフィルターは掃除機などで一週間に一回程度掃除すればOK | 本体下部の加湿トレーは取り外して、分解清掃が容易にできる。きちんと手入れをしてからしまえば毎年キレイな状態で利用可能 |
一昔前の加湿機能付きセラミックファンヒーターなどは、吸気フィルター程度しか掃除できず、加湿用のトレーやフィルターの分解清掃に手間がかかったり、物理的にできない場合もある。このような場合、長年利用すると、見なければ良かったと後悔するほど汚れていることがあるが、そういった心配なく、常にキレイな状態で使えるのは大きなメリットと言えそうだ。
このように、パナソニックの加湿機能付きセラミックファンヒーター「DS-FKX1200」は派手さはないが、暖房と加湿という基本機能をしっかりと押さえた製品になっている。
同社ならではのナノイー技術も特徴だが、暖房として、加湿器としても使え、普段の利用で不便さを一切感じさせない基本的な完成度の高さが魅力の製品と言えるだろう。
2009年11月13日 00:00