家電製品ミニレビュー

寝起きするときの暖房として実用的な無印のパネルヒーター

無印良品の遠赤外線パネルヒーター「PH-MJ1200」

 家電Watch編集部から「貴様は最近とても寒まっているようなので、新型の遠赤外線暖房器具を使ってみなはれ」的なメールとともに、無印良品の遠赤外線パネルヒーター「PH-MJ1200」が送られてきた。お。パネルヒーター。ちょうど買おうかナ~とか思っていたところ。期待しつつ試してゆきたい!!

メーカー名無印良品
製品名遠赤外線パネルヒーター PH-MJ1200
販売価格12,800円
購入場所無印良品ネットストア

 パネルヒーターとは、温風が出ない(輻射熱を利用した)暖房器具ですな。本体内の広い面積のパネルから熱が出て空気を暖め、その空気がゆっくりと室内を循環するかたちで部屋が暖まるヒーターだ。

 で、この遠赤外線パネルヒーター「PH-MJ1200」、まず使ってみた感じは「やや時間がかかるが部屋全体が自然な感じで暖まる」という雰囲気。まさにパネルヒーターの暖まり方ですな。「あー寒い寒い」で電源をオンにしても、すぐに暖まれるという感じではない。1~2時間程度使っていると、部屋が「寒い感じではなくなった」という穏やかな効き方をしてくれる暖房器具である。

 また、遠赤外線式ということもあってか、本体前面近くなら「体を近づけて暖を取る」こともできる。本体前面30cmくらいの範囲なら、手をかざすと「暖かい~」という感覚になる。ちなみに、前面のメッシュパネルは、稼働中でも素手で触れられる程度までしか温度が上がらない。

遠赤外線パネルヒーター「PH-MJ1200」のサイズは、670×210×500mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約7.5Kg。消費電力は1,200W(強運転時)もしくは600W(弱運転時)
その背面。下部に対流を促すためと思われるスリットがある程度で、スッキリしている。上部には持ち運び用のハンドルがあり、持ち運びも容易だ
2本のパイプ脚で自立する。脚は組み立て式で、工具を使わずとも本体に装着可能。脚を外した本体の厚みは10cm程度。シーズンオフの収納性も高い
設置には、横に30cm以上、上と前に1m以上の空間が必要。背面は熱くならないので家具などに近づけて設置することができる
稼働時は上部のスリットから暖気が立ちのぼる。かなり熱い暖気が出るので、この部分にタオルなどをかけたりするのは厳禁
稼働時に前面メッシュパネルに触れても「熱い」という感じではなく「暖かい」という感じだ。前方30cm程度なら暖を取れる

 機能的には非常にシンプルで、運転を強と弱に切り替えられるほか、入/切タイマーと、目標とする室内温度を(目安として)設定できるサーモスタット機能がある程度。外観が非常にスッキリしている「PH-MJ1200」だが、機能的にもスッキリした感じなんですな。

本体前面右側に操作ボタン類が並ぶ。操作部はここにあるもののみ
簡易的な表示とともに運転の強弱や目標室温、タイマーを設定可能

 基本的な使い方としては、本体前面右側の操作部で、電源のオンオフ(電源ボタン長押し)、運転強弱切り替え、「+」や「-」を押しての目標室温設定といったところ。目標室温は目安で、「ちょっと暖か過ぎる」「ちょっと寒い」と思ったときに数度上げ下げして調節するというイメージだ。設定した室温になると「PH-MJ1200」からの放熱が一時停止する。

 入/切タイマーは、「PH-MJ1200」を自動的にオンオフするためのタイマー機能ですな。機能の詳細は説明書(PDF)の9ページを見ていただきたいが、切タイマーでは1~8時間の範囲で「自動での電源オフ」を設定でき、入タイマーでは1~24時間の範囲で「自動での電源オン」を設定できる。

 また、入/切タイマーは併用できる。たとえば切タイマーを3時間の設定とし、同時に入タイマーを8時間に設定した場合、「現在から3時間後に暖房が自動で運転を停止し、その5時間後(現在から8時間後)になると運転を開始する。また、自動電源オンのあと2時間が経過すると、暖房は自動的に運転を停止する(切り忘れ防止機能)。

 個人的には、就寝時~起床時の暖房としてこのタイマー機能で使ってみたらイイ感じであった。寝室で使い、寝る前の何時間かで寝室をホンノリと暖め、寝た頃に運転が停止し、起床する頃に再び運転を開始させて、朝の寒さを和らげるような使い方ですな。

 まあ、タイマーが使える暖房器具ならこういうコト自体はできたりする。が、「PH-MJ1200」は前述のとおりパネルヒーターで、「ソフトな効き方をする無風の暖房器具」だ。エアコンなど送風するタイプの暖房器具と比べると、ホコリが立たないし音も無音。温度が上がりすぎないので、乾燥し過ぎも防げたように感じる。

 実際に8畳程度の寝室で夜~朝にかけてタイマーを設定しつつ使ってみたが、横になってから寝るまでには暖房が運転中で寒さが和らぎ、起きる頃にも暖房が運転中となるので、目覚めが快適な感じ。静かだし、温度が安全と感じられる範囲なので、寝起きするときの暖房として実用的だと感じた。

 ちなみに、運転中に熱くなる部分は本体上部あたりのみ。熱いと言っても、数秒は触れていられる程度。不意の火傷のような危険はあまり感じられないので、高齢者や乳幼児が過ごす部屋なんかにも合うように思う。

 ただ、前述のとおり、電源オンですぐ暖を取れるような即効性の暖房器具ではない。ので、現実的にはすぐ暖まるタイプの暖房器具と、パネルヒーターの「PH-MJ1200」を併用するケースが多いのかもしれない。

 余談だが、「あ、このパネルヒーターけっこーイイね。安いし。じゃあ仕事机の足元暖房として買おうかナ」と思った。のだが、机の下に置くのはダメっぽい。本体上方に1mの空間がある場所で使うべしとされているからだ。

 机の下に置いたりするにはハイパワー過ぎるパネルヒーターってことなんですな。「PH-MJ1200」ほんのりした暖かさと静音性、安全性は魅力なので、個人的に「PH-MJ1200」ほどハイパワーではないテーブル下足元置きタイプのパネルヒーターも欲しいなあ、てなことを思った次第である。

スタパ齋藤