家電製品ミニレビュー

日本セラミック「Qライトマルチ3 SL-370-S」

~LED電球をセンサーライトに変えるアイテム
by 小林 樹
日本セラミック「Qライトマルチ3 SL-370-S」

 去年パリに行った時、店のトイレや廊下、アパルトメントの部屋や階段など、あらゆるところにセンサーライトが採用されているのが目に付いた。地元の知人いわく、「パリでは至るところに自動で点いて消える照明があるわ」。人のいない時や、明るい日中は極力照明を点灯させない、という意識が生活に根付いているようだった。

 いっぽう我が家では、トイレや廊下の照明には一般的な壁スイッチを採用しているものの、これがうっかり消し忘れがちで困る。やはりセンサーで自動で消えてくれるほうが便利だし、節電になるだろう。というわけで導入したのが、LED電球をセンサーライトに変換するアダプター付き照明、日本セラミックの「Qライトマルチ3 SL-370-S」だ。


メーカー日本セラミック
製品名Qライトマルチ3 SL-370-S
希望小売価格7,980円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格6,000円

 Qライトマルチ3 SL-370-Sは、室内用のセンサーライトとして使える照明器具で、LED電球をセンサーライトに変換するアダプターと、シンプルなセード、LED電球の3点がセットになっている。

 製品パッケージを開けると、そこにはLED電球があらかじめ取り付けられた状態のアダプターが収まっていた。アダプターのサイズは144×100mm(直径×高さ)で、重量は250g。LED電球に関するスペックや製造元については、特に示されていなかった。

製品パッケージは立方体梱包は必要最低限アダプターにはあらかじめLED電球が収まっている
10W以下のLED電球に対応するLED電球を外し、アダプターのみの状態アダプター正面
E26口金に対応する付属のセードシンプルなデザインだ

E26口金に簡単に取り付けて使える

LED電球の脇の出っ張り部がセンサーだ

 SL-370-Sの最大の特徴は、明るさセンサーと人感センサーを搭載していること。明るさセンサーでは点灯照度を「暗/明/切」の3段階から選べる。具体的には、「暗」が夜間など暗い時にのみ点灯させたい場合、「明」が夕方のように少し明るい時に点灯させたい場合、「切」が周囲が明るい際にも点灯させたい場合に設定する。設定は、LEDライトの脇に位置するツマミから行なう。

 いっぽうの人感センサーは、点灯時間を「10秒/1分/3分/10分」の4段階から選べる。例えば日中も薄暗く、すぐに通り過ぎる廊下で使うなら、照度を「暗」、点灯時間を「10秒」に設定すれば良い。歩き終わるまで時間のかかる階段なら1分、長く滞在する玄関やトイレ、洗面所は3分や10分、といった具合に場所に合わせて調節できるのだ。

 人感センサーの感知範囲は、高さ2.5m、直径約3.4mまでと製品情報ページに記載されている。

センサーの検知範囲は高さ2.5m、直径約3.4mまで

 設定が終わったら、次は設置だ。本製品の2つ目の特徴は、家庭内のE26口金の照明器具にそのまま置き換えて使えること。配線工事は必要なく、口金の間にセットするだけで、すぐに取り付けられる。所要時間はものの数十秒で、とても簡単。アダプターとLED電球の上にセードを被せて、一般的な電球と同じように、ソケットにねじ込むだけだ。

セードを被せた状態接続部を回してはめる

 仕上げに、壁スイッチを常時ONにする。これで、いつ人が近づいても反応してくれる状態になる。気になる待機電力は0.3Wで、電気代に換算すると1日あたり約0.2円と抑えめだ。旅行などで長期に不在にする場合は、壁スイッチをOFFにしておけば良い。

廊下に設置した近づくと点灯する直下から見上げた様子。付属のLED電球は昼白色だ

 廊下に取り付けたところ、歩いて近づくと、パッと点灯し、反応感度は十分。照明の下を通り過ぎると、ちゃんと約10秒後に自動で消灯した。消し忘れを防げるというセンサーライトのメリットが確認できた。


廊下に取り付けた。近づくとパッと点灯し、離れてしばらくすると自動で消灯する。使用したのは、製品に同梱されていたメーカー不明のLED電球

 

ライトは交換可能で、色や明るさを選べる

 3つ目の特徴は、付属の昼白色のLED電球のほかに、消費電力10WまでのLED電球か、消費電力13Wまでの電球形蛍光灯に交換できること。電球色や昼白色、さまざまな明るさに対応可能だ。なお白熱電球は使えない。

 あらかじめ本体に付属している昼白色のLED電球は、そんなに明るくなかった。スペックは明記されていないが、見た様子だと、白熱電球で10W形相当といったところだろう。廊下やトイレ、洗面所といった狭所を照らすにはいいが、長い階段や、玄関全体を照らすとなると、物足りなく感じる。

 さらに家族からは昼白色の色味が「寒々しい」と言われてしまったため、電球色のLED電球に交換することになった。取り付けたのは、東芝の「LDA7L-G」。明るさは白熱電球30W相当の390lmで、光が広がるタイプ。セードは半透明の素材で笠も張っていないため、明かりを遮らない。狭い廊下ではまぶしく感じるほど、しっかり辺りを照らしてくれるので、夜に通る時も安全だ。

東芝の光が広がるタイプのLED電球「LDA7L-G」電球色。明るさは白熱電球30W相当の390lmセードが光を遮らず明るい

 このほか洗面所やトイレにも設置した。特に設置して満足度が高かったのがトイレだ。消し忘れを気にする必要がなくなり、出かける前に、いちいちドアを空けて消灯を確認する手間が省けて、ずいぶん楽になった。

これまでは、洗面所やトイレから廊下に明かりが漏れていて、照明の消し忘れに気づくこともあったトイレの照明にもピッタリトイレなどの密室では、急に暗くなると怖いので、点灯時間は3分/10分と、長めに設定するのがオススメ
階段には使えなかった。1階から登る場合にはセンサーの検知範囲から外れてしまい、反応できないのだ

 設置場所には、向き不向きがある。残念ながら、我が家の階段の照明には使えなかった。2階の廊下に本製品を取り付けると、階段を下る際には点灯するのだが、上る際にはセンサーの感知範囲外となってしまい、点灯しないのだ。

 また、付属のセードは取り外し可能だが、備え付けのセードに、アダプターとライトを取り付けると、セードが小さい場合、アダプターが出っ張ってしまうという問題が生じる。

 例えば我が家の洗面所の小さなセードだと、アダプターが出っ張ってしまい、インテリア性を損ねてしまう。こうした場所こそ、センサー機能が搭載されているLED電球を選んだほうが、スマートに収まる。


洗面所の照明。セードは取り外しできないアダプターとLED電球を取り付けたところ、センサー部分が出っ張ってしまった
セードが固定されている場所には、センサー付きのLED電球のほうが適している。使用したのはアイリスオーヤマ「エコルクス 人感センサー付きLED電球 LDA6N-H-S」取り扱い説明書には、取り付けできる照明器具とできない照明器具が明記されている

センサーライトで、ストレスなく節電ができる

 センサーライトを取り付けてみると、廊下やトイレの明かりをうっかり消し忘れるということがなくなり、とても楽になった。ストレスなく節電ができるのも嬉しい。

  そのうえSL-370-Sなら、家庭内のE26口金であればすぐに取り付けでき、ライトの種類も選べるというのがいいところ。シンプルなセードは、廊下やトイレ、場所を選ばずに使える。センサー機能付きのLED電球とは、適材適所を見極めて、使い分けていきたい。 

 この勢いで、家中の照明をまるごとセンサーライトに交換したいと思うくらいなのだが、 SL-370-Sは1個で約6,000円と、結構高い。現在使っている白熱電球の寿命が切れるタイミングで、順次導入していきたいと思っている。

 とりわけ廊下や洗面所、トイレといった共有スペースは、照明を付けたり消したりするうえで、責任の所在が曖昧になりがちな場所だ。家族との間で「照明を消した」だの「消してない」だの、「○○が消し忘れた」だのと、つまらない諍いが生まれるのを防ぐためにも、センサーライトはオススメだ。






2012年9月14日 00:00