家電製品ミニレビュー

シャープ「プラズマクラスター扇風機 PJ-B3CXH」

~超微風で寝冷えしない! 室内干しの衣類も脱臭
by 小林 樹
シャープ「プラズマクラスター扇風機 PJ-B3CXH」

 真夏ほど暑くないが、湿度が高くて蒸し蒸しとした季節になった。今夏、最初に我が家で稼動させた冷房機器は、扇風機だ。

 我が家のように一軒家だと、特に2階は熱がこもりやすい。私の寝室はその2階にあるため、暑い日の夜はずいぶん寝苦しい。

 だが、普通にエアコンや扇風機の風を身体に当てるだけでは、身体の表面が冷えて、寝冷えしてしまったりする。そこで試したのが、最近流行りの“微風”モードを搭載した高級扇風機、シャープの「プラズマクラスター扇風機PJ-B3CXH」だ。

 


メーカーシャープ
製品名プラズマクラスター扇風機PJ-B3CXH
希望小売価格オープン
購入場所Amazon.co.jp
購入価格20,980円

 

 PJ-B3CXHは、DCモーターを搭載した省エネタイプのリビングファン。最大の特徴は、“超微風”の風を出せること。

 それを可能にしたのが、PJ-B3CXHの採用しているDCモーターだ。DCモーターは、従来のACモーターに比べて省エネ性が高く、風量を細かく制御しやすいという特徴がある。これにより、風量を32段階から選べて、“超微風”と言えるかすかな風を作り出せるのだ。

 このほか同社独自のイオン技術プラズマクラスターイオンの発生装置を備えるなど、とにかく機能が豊富なPJ-B3CXH。各機能は後ほど確認するとして、まずは本体を組み立てよう。

 製品の外箱には、台座部、スタンド、羽根、羽根の前後のガード、ACアダプター、リモコンと専用ホルダー、リモコン用の単四形乾電池2本が入っている。

製品の外箱外箱には収納の順序が記載されている取扱説明書
スタンドスタンドを横から見たところスタンド底面
台座部の表面台座部の底面台座部の側面

 羽根数は7枚で、湾曲した独特の形状をしている。同社では「ネイチャーウイング」と呼び、やわらかくムラのない風を送るため、日本の山地などに生息する「アサギマダラ蝶」という種の羽根を参考にしたとしている。この蝶は、日本列島から南西諸島や台湾まで長距離を飛行することで知られている。

透明の羽根羽根径は32cmで、「ネイチャーウイング」という7枚から成る独自形状だ
羽根の前ガード羽根の後ガード電源はACアダプター。電源コードの長さは約1.8m

 組み立て手順は、スタンドにベースを取り付けて、後ガード、羽根、前ガードの順で取り付けていく。羽根の向きさえ気をつければ、この作業はさほど難しくない。

スタンドと台座部を固定後ガードを取り付ける
羽根を取り付ける前ガードを閉じれば完成
リモコン。付属の単四形乾電池を2本入れて使うリモコン側面リモコンの専用ホルダー
専用ホルダーをスタンドに取り付けるリモコンを挿した様子

 完成した状態の本体サイズは、370×370×820mm(幅×奥行き×高さ)。本体重量は約5.5kg。なお今回カラーはホワイト系を選んだが、ほかにブラウン系もある。

完成時 正面側面背面

 なお、高さは7段階から調節でき、最高1,110mmまで伸びる。スタンドの中心付近にある「高さ調節ボタン」を押すと、伸縮する。

一番低くした時一番高くした時スタンドの中心付近のボタンを押すと、高さが伸縮する

 また、上下の角度調節は、上方向に約30度、下方向に約21度手動で設定できる。左右の首振りは、自動で「約50度/約70度/約90度」の3段階で調節できる。

下方向に21度通常時上方向に30度

部屋に空気の流れを生む、超微風

 操作は、台座部のタッチセンサーボタンか、付属のリモコンから行なう。

 電源を入れると、「ピッ」と音がして、操作パネルのLEDランプが青色に点灯。まずは超微風を試したいので、風量を1番小さくしてみる。台座部のタッチセンサーボタンでは、ちょうど中央付近にある扇形の部分をタッチする。

タッチセンサーボタンは左から「タイマーボタン」、「省エネリズム風ボタン」、「風量微調節ボタン」、「首振りボタン」、「イオンモードボタン」。中央は電源ON/OFFボタン電源を入れると、LEDランプが青白く点灯する

タッチセンサー操作の様子。まずは風量弱で、イオンモードはON、首振り角は90度で運転した。そこから、一気に風量を最大にすると、運転音と風切音が大きくなる。この違いを確認していただきたい

 すると、フワッとした柔らかい風が吹いてきた。超微風モードは、風を当てるというより、空気の流れを生んでいる、というほうがふさわしい。それも、ただ部屋の生暖かい空気をかき混ぜているのではなく、窓からふと風が入ってくるような、自然のそよ風に近い。

 さらに、より自然に近い風を送れる「省エネリズム風モード」をONにすると、より風の感覚が薄れる。

寝室に置いてみた

 感覚的には、昔、祖母の家で蚊帳を吊るして寝ていた時に似ていた。蚊帳は、虫は通さず、風は通す。そんな、家の中を自然と吹きぬける様な風の流れを感じるのだ。

 就寝時、一晩中使ってみた。まだ熱帯夜までいかないが寝苦しい今の季節、冷え性の自分にはこれくらいの冷房アイテムがちょうど良かった。首振り機能を使えば、肌にまとわりついた熱気を追い払ってくれるような感覚で使える。

 また、リモコンで、寝室で寝転がりながら操作できるのも便利だった。1/2/4/6時間のON/OFFタイマーも備わっているので、いつ寝落ちしても安心だ。

 なおPJ-B3CXHは、超微風で首振りをOFFにしている場合が最も消費電力が低く、3.5Wとなっている。そして1時間あたりの電気代は約0.08円。1日8時間運転しても、1日の電気代は1円未満だ。省エネ性や電気代のことを考えると、地球にも家計にも優しいと言えるだろう。

 ただし、就寝時に使っていて、気になったことがいくつかある。まずは、LEDランプの明るさだ。台座部と本体上部のプラズマクラスター発生装置が、青白い光が煌々と光ってまぶしいのだ。

運転停止時イオンモード時、本体上部のプラズマクラスター発生装置が青白く発光
正面から見た時の、運転停止時と運転時。ランプが青白く点灯してイオンの発生を知らせている

 プラズマクラスターイオンについては後述するが、このランプが明るいという事態の解決策は、取り扱い説明書に記載されていた。運転停止中に、台座部の「イオンモード」ボタンを3秒以上押せば、次回運転を始めたときに、「消灯」しながらイオンを発生できる。

部屋を暗くして、運転すると、LEDランプが結構明るい。暗闇でうっかりぶつかったりしないので、安全ではあるのだが……本体上部のイオン発生機構のランプは、「消灯」できる。個人的には台座部のランプも明かりを暗くしたり調節できると良かった明るい部屋で、「消灯」しながら運転した様子

 もうひとつ気になったのが音だ。超微風運転時は、羽根の風切り音がほとんどしない。昔ながらの扇風機の音を記憶している母は、「すごく静かなのね」と驚いていた。だが、就寝時に静まり返った場所でPJ-B3CXHを使った私には、「ブーン……ブーン……」という低騒音が断続的に続いている点がひっかかった。

 この低音は何だろう、と取り扱い説明書を読み返したところ、どうやらプラズマクラスターイオンの発生音らしい。ひとたびイオンモードをOFFにすると、低騒音はピタッと止み、ほぼ無音で運転した。静まりかえった場所で使う際には、イオンモードをOFFにするのがオススメだ。

梅雨に最適! 部屋干し臭を抑えるプラスマクラスターイオン

 PJ-B3CXHにはもう1つ面白い機能がある。それは、同社独自のイオン技術「高濃度プラズマクラスター7000」発生ユニットを搭載していることだ。これにより、室内の空気をきれいにする「室内清浄モード」と、「衣類脱臭モード」が選択できる。

 特に今のような梅雨の時期には、「衣類脱臭モード」がぴったり。雨の日の朝、服を室内干しして、PJ-B3CXHの「衣類脱臭モード」をONにする。衣類脱臭モードの風量は強めにプリセットされていて、勢いよく風が出てくる。イオン到達距離の目安は約5mなので、その距離内に服を干した。そして、OFFタイマーを6時間に設定して、会社へ出勤。

 帰宅して、乾いた洗濯物のニオイを嗅いでみる。生乾きのニオイが全然ない。これまで我が家では、洗濯物を部屋干しする際にデシカント方式の除湿機も使っていたが、室温が高くなってしまうのが難点だった。扇風機なら室温が上がる心配はない。

衣類脱臭モードで部屋干しすると、確かに生乾きのニオイがしない取っ手を持って、家の中を移動して使える

 PJ-B3CXHは、見た目は伝統的な扇風機そのものだが、使ってみると機能の豊富さに感心する製品だった。冒頭、我が家の2階は熱気が篭もりやすいと冒頭に記したが、PJ-B3CXHが来てからは寝付きやすくなったと感じている。朝起きて、寝冷えしていたり、喉が痛くなった、ということも今のところない。もう少し暑くなったら、エアコンと扇風機の併用を考えるようになると思うが、省エネ性の高いPJ-B3CXHは真夏にも心強い味方となってくれるだろう。






2012年7月5日 00:00