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家電製品ミニレビュー

アイロボット「ルンバ780」

〜時間と心に余裕ができる! 新型ロボット掃除機
by スタパ齋藤
アイロボットの「ルンバ780」

 家電Watch編集部から「貴様は掃除野郎であり現在はホコリっぽい季節であるものの、年末に向けて仕事も忙しいであろうから新型のロボット掃除機を試してみなはれ」的な、なんか俺の事情をよく察知したメールととともに、米国アイロボット社の「ルンバ780」が送られてきた。ウヒョ♪ 最新型!! しかもハイエンド!!


メーカー アイロボット
製品名 ルンバ780
希望小売価格 オープンプライス
購入場所 直販サイト
購入価格 79,800円


 ルンバ780は、2011年10月7日から発売された「ロボット掃除機 アイロボット ルンバ700シリーズ」のハイエンド機。ご存知「自動掃除機ルンバ」の最新・最上位機種である。

 ルンバ700シリーズは、ベーシックモデルの760、スタンダードモデルの770、そしてハイグレードモデルの780がある。各機種の違いはこの表のとおり。最上位機種のルンバ780は、タッチパネル操作だったりライトハウス機能(複数の部屋を順次掃除する機能)が使えたり、付属品が豊富だったりするゴージャス仕様。アイロボットストアでの直販価格は79,800円となっている。

 さて、ルンバの特徴と言えば、ボタン一押しで部屋(床)の掃除機がけを全自動で済ませてくれること。ユーザーは事前に「トラブルの元」(後述)を無くすなどの準備と、ルンバのメンテナンス(ゴミ捨てやルンバ本体の掃除など)をする程度で、あとは全部ルンバに任せることができる。

ルンバ780本体。最大幅35.3cmで高さは9.2cm。ご覧のとおりの円盤状。ニッケル水素電池(内蔵/交換可能)で、最大で90〜120分程度連続稼働する 3つのタイヤ(2つは駆動輪)で床を自在に動く。エッジクリーニングブラシとフレキシブルブラシ/メインブラシによりゴミを掻き出して回収する 充電台/ルンバ780の基地として機能するホームベース。ACアダプタを接続して使う。ホームベースを使わずに、ACアダプタのみでの充電も可能だ
隣の部屋への入口や階段の手前などに設置し、仮想的に壁を作るバーチャルウォール。ルンバに進入禁止を示すための付属品 バーチャルウォールの機能と、複数の部屋を効率良く掃除させる機能を持っている部屋ナビ。これもルンバ780に付属している 付属リモコン。ルンバ780を手動(無線)で動かしたり、停止やホームベースへの帰還を無線で指示したりできる専用リモコン

 ルンバに掃除を任せられる場所は床のみ。自動掃除可能な床の種類は、フローリング、畳、毛足が2cm以内程度のカーペットやラグ、ソフトカーペット、リノリウム(ツルツルした樹脂タイル)の床など。ある程度硬質で平坦な床を掃除可能ってわけですな。掃除できない床などについてはココにあるとおり。段差については2cm程度までなら乗り越えることができる。

 使い方は簡単で、充電したルンバを床に置いて本体正面中央のCLEANボタンを押すだけ。あとはルンバが勝手に掃除開始〜掃除終了〜電源オフとなる。上の写真のホームベースを使用している場合、掃除終了後は自動的にホームベースへと戻って自ら充電を行なう。なお、最大25畳程度までの部屋を掃除でき、バッテリー稼働可能時間は最大90〜120分。掃除時間は部屋の状態や広さによって異なるが、最長で約60分程度連続掃除をするとのこと。

 てな感じのルンバだが、実使用感を知るために、ルンバ780に俺の部屋を掃除させてみた。ただ、イキナリ掃除ではなく、多少の下準備を。ほかのルンバと同様、ルンバ780は「幅39cm以下/高さ10cm以下の場所には入り込めない」とか「床の上の電気コードなどを巻き込む可能性があるために事前に除去」とか「壁や家具の脚などに(軽く)ぶつかりながら掃除するため転倒/破損の可能性があるモノは除去」など、自動掃除機ならではの「ユーザーによるお膳立て」が必要。

 てなわけで、床にあった大きめのベンチ(筋トレ用)とかコードとか小間物を片付けたのが以下の部屋。だいたい12畳程度のフローリングだが、家具などの接地面積を考えれば、露出している床面積は10畳くらいだろう。この部屋をルンバ780に掃除させるのだ。

ルンバ780に掃除させる部屋。その入口から部屋内部を見たところですな 部屋の奥、窓の右側から部屋を見たところ。障害物もけっこーあったりする 部屋の奥、窓の左側から部屋を見たところ。猫も居るので猫の抜け毛も多数
ルンバ780はホームベースとともに設置。ホームベースと併用時は、左右1.5m、前方2mの広さを必要とする ルンバ780設置場所のすぐ横は、隣の部屋への入口。ここをバーチャルウォールで仕切る必要があるのだ バーチャルウォールを設置。仮想の壁を作りたい位置に置くだけでよい。電源はルンバ780がオンオフする

 ルンバ780の設置は非常に手軽。俺の場合はホームベースと併用し、掃除から充電まで全部ルンバ780任せとした。ホームベースの「良い設置場所」として「左右1.5m×前方2mのスペース」が明記されていて、メーカー推奨どおりだとけっこー広いスペースが必要なんですな。スペースがない場合、ホームベースは使わずに、充電時にはACアダプタを手で接続すればOK。

 ルンバ780で掃除する前に、ちょっとした気がかりがあった。「こーゆー箇所も自力で掃除できるの?」てな場所だ。具体的には以下のとおり。

ベッドの下や椅子などの下。広い場所は恐らくキレイにしてくれると思うが、4つの脚周辺はどうなのか?
この棚の下の高さは11.5cm。こんな低く狭いところへも問題なく進入できるのか? 掃除機のヘッドや、扇風機の平べったい円錐状の台座は、邪魔になるのだろうか? 床に高さ約1.5cmの棒が3本並ぶカタチになる家具。乗り越えられる高さだが……!?

 いろいろとルンバ780の邪魔をしそうなモノがあるんだが、さて、どうなるか? ルンバのCLEANボタンをポンと押し、早速試用開始!! まずは懸念していた障害物っぽいモノ周辺の掃除結果を見てみよう。

ベッドの下 広い箇所は案の定問題なく掃除してくれた わりと驚いたのが4本の脚周囲。見ていると執念深いくらい丁寧に掃除していて、ホコリや抜け毛などは全然見当たらないほどキレイになった
椅子の下も問題ナシ この椅子の脚の幅は約36cm ルンバ780は「幅39cm以下/高さ10cm以下の狭い場所は走行できない」となっているが、全然問題ナシでこの椅子の下を掃除しまくってくれた。
こちらの椅子の脚下部の幅は約38cm これもまたルンバ780が通れないハズの幅だが、問題なく掃除してくれた
高さ11.5cm程度の棚下 ヘッド高が低い掃除機でも掃除しにくい/掃除困難な場所だが、ルンバ780はヘーキで掃除しちゃいましたヨ
低い円錐状の障害物だと乗り越えちゃいますな。ブラブラしている障害物は、当たっても無問題な感じ
床に高さ約1.5cmの棒が3本並んだ状態になるテーブル 2cm以上の段差は乗り越えられない(2cm未満なら乗り越えられる)ルンバ780だが……。こういう連続段差の場合、ときには乗り越え、たま〜にスタックしてしまうという結果に タイヤが段差の溝にハマっちゃうと動きが取れなくなってしまうようだ
ちなみに、部屋の入口に設置したバーチャルウォールは完璧に動作。写真だと水平に仮想の壁が伸びていることになるが、ルンバ780はその線から先へは決して行かないのであった

 なかなか大したモンである。唯一「床に高さ約1.5cmの棒が3本並ぶカタチになる家具」で、たまにスタックして動けなくなってしまうというトラブルが発生した。が、結論から言って「この家具を買い換えてルンバ780を導入しようかな」というほど魅力を感じた。

 何しろラク。非常にラク。そして時間と心に余裕ができる。第一にユーザーの手間はCLEANボタンを押す程度なのだ。ホームベース使用時は充電の手間もナシ。俺の場合は毎回の掃除終了後にダスト容器内にたまったゴミをハンディ掃除機で吸い取ったが、「掃除機がけ」という観点で考えると、ルンバ780は「干すところあたりまでやってくれる全自動洗濯機」的な自動処理感がある。

 これまでは10分なり15分なり掃除機がけをしてきたが、ちょっとカッタリィわけですな。ベッドや棚など家具の下の掃除だと、かがんだり床に膝をついたりして疲れがち。だが、これがなくなる。カッタルサや疲れがなくなり、そして10分なり15分なりが空き、さらに「掃除しなくちゃなぁ」という妙なプレッシャーからも解放される。

 ところで、掃除の効果はどうなのか? 俺思うに、ルンバ780で床掃除が全て終わるって感じではなかった。たとえば重めのゴミや大きめのゴミを一気に掃除するという用途には向かない。床に固着したような汚れはやはりブラシや雑巾で落とす必要がある。

 のだが、ある程度キレイな状態の床なら、それを維持するだけの掃除能力がルンバ780には十分に備わっていると言えるだろう。どの程度長く維持してくれるかは試していないので不明だが、たとえば、毎日すこ〜しずつ出るホコリなどを、ルンバ780はビシィッ!!

 と除去してくれる。毎日床がキレイ……というか床が汚れていない状態が続く、というイメージだ。

 ちなみに、床自体がさほど汚れてない場合(ホコリだけ積もっているような場合)、ルンバ780で2回くらい掃除すれば十分キレイになるという印象だ。ルンバ780が2回くらい掃除した後なら、その床面を指でスイッと拭っても、指に白っぽいホコリなどが付着しないレベルですな。

 さておき正直な話、これまでは「あ、床に糸くず、さらに抜け毛にホコリ。掃除しないとなあ」となって掃除機がけしていた俺である。が、ルンバ780試用期間中は糸くずや抜け毛やホコリを発見することほとんどなくなった。何しろ(タイマー設定しておけば)毎日、ルンバ780が執拗なほどに床掃除してくれるんである。この徹底した掃除機がけは、人間のそれを遙かに上回るものっていうか、文字通り人間業ではないと言えよう。

 あとルンバ780の人間離れした掃除効果をひとつ。家具の脚周辺〜モノと床の接点がかな〜りキレイになる。ベッドの脚、キャスター、本棚と床が接触する部分などだ。

本棚と床が接する部分。ココには抜け毛やホコリなどが集中しがちだった。が、ルンバ780試用開始後、この部分がいつもキレイに キャスターと床が接する床面もゴミが集まりがちだった。その部分の床はホコリで白っぽくなりがちでもあった。これも解消された モノや家具で複雑な状態となった床面部にもゴミやホコリが集まりがちだった。しかし、ルンバ780はこんな場所を徹底的に掃除する

 これはルンバ780の底部にあるエッジクリーニングブラシのおかげだと思う。ルンバ780の動作を見ていると、どーも家具の脚など床との接地部にエッジクリーニングブラシが当てるような動きをしていることが多い。テーブルの脚が床に接する部分とか、ホコリがたまりがちじゃないですか。あの部分を「これでもか!!」的にエッジクリーニングブラシで掃除し、ゴミを掻き出しているようである。

 余談だが、最初にルンバ780で掃除したときの結果(集まったホコリなど)を以下に。1週間くらい前に掃除した部屋なんだが、けっこー驚くほどホコリや抜け毛などが集まった。ま、いつも掃除できていない(というか人間が扱う掃除機だと掃除しにくい)家具の下とか家具の脚周辺なんかを、ルンバ780がガシガシ掃除してくれたんだから当然と言えば当然かもしれないが。

掃除後のルンバ780裏面。すご〜くホコリだらけなのであった 側面もホコリだらけ。出ているのがエッジクリーニングブラシ ゴミがたまるダスト容器はワンプッシュで取り外すことができる
1週間前に掃除した部屋をルンバ780に掃除させたら……一発でこんなにホコリやゴミが!! ショーック!! ルンバはエッジクリーニングブラシのほか、フレキシブルブラシやメインブラシでも床を掃除している フレキシブルブラシやメインブラシは工具ナシで容易に取り外せる。そして容易にメンテナンスできる
フレキシブルブラシやメインブラシの手入れ用品も付属する ブラシを手入れ用品に通すと絡まった毛くずを除去できる 手入れ用品に通して引っ張るだけ、てな感じで使えてラク

 ルンバ780には十分な掃除効果〜床面キレイ維持効果があり、掃除を大幅にサボれてラクであり、掃除にかける時間をズニャーンと減らせる。ナイスな自動掃除機である。もしかしたら生活を変えてくれるかもしれないロボット掃除機ルンバ780だが、気になる点も少々あった。

 ひとつは動作音。掃除中の移動音やブラシ回転音などは、まあ納得できるレベルではある。掃除機としては非常に静かとも言えよう。ブラシが回ったり本体が進んだりする音は、騒音としてはドライヤーとか、あるいは水流しっぱなしの洗い物とかよりも耳障りでないように思う。これだけなら、夜中にルンバ780を動かしていても大丈夫そうだ。

 が、ルンバ780が壁や家具の脚などにぶつかるときの音がけっこー気になる。夜に2階でルンバ780が動いていると、1階で「ルンバ780がナニカにぶつかる音が……なんか心配」という感じ。ルンバ780の存在を知らなければ「2階、なーにしてんのかな〜、猫のケンカ? 片付けもの?」てな気になり方になると思う。

 ルンバ780が家具などに当たるとき、その衝撃は大したことナイというレベルなんだが、「ゴゴン」とか「カタッカタッ」という音が断続的に続くんだから、まあ気になりますな。しかも場合によってはその音が1時間前後も続く。やはり近隣の迷惑にならない時間帯に使うべきだろう。

 あと、ルンバ780自体がけっこー汚れること。一度の掃除で底部や側部がわりとホコリだらけになる。結局、俺の場合はこのホコリを取り除くためや、ダスト容器のゴミを除去するために別の掃除機を使っている。掃除機を掃除するための掃除機って、今時的にアリガチであるが、毎日掃除してくれて毎日ホコリだらけになるルンバ780には専用掃除機が必須かもしれない……ルンバ780が作ってくれた空き時間をルンバ780本体掃除に費やさないためにも。

 とまあいくつか難点っぽいトコロもあるルンバ780だが、明らかなのは、掃除に多くの時間を費やさなくて済むこと、掃除でカッタリィ思いをしなくて済むこと、そしてそういったことからくる開放感。ルンバ780というロボットが、それらを現実のものとしてくれるってのは、やはりじつに大きな魅力だ。興味のある方はぜひ一度、じっくりルンバ780をチェックしてみてほしい。





2011年10月31日 00:00