家電製品ミニレビュー

無印良品「LEDデスクライト・クランプ式」

~小型ながらクランプ式、光の向きも片手で調節可
by 藤原 大蔵
無印良品「LEDデスクライト・クランプ式 1WパワーLED×3灯」。コンパクトながらも固定式のデスクライトだ

 机に固定する“クランプ式”のデスクライトは、卓上型と比べて片手で気兼ねなく光の向きが変えられるため、机上を広々と使うことができる。しかし、これまではどちらかというと大きめのものが多かった。

 ところが、クランプ式ながらも、スリムでコンパクトなデスクライト「LEDデスクライト・クランプ式 1WパワーLED×3灯」が、無印良品から出ているのだ。



メーカー無印良品
製品名LEDデスクライト・クランプ式 1WパワーLED×3灯
希望小売価格5,899円
購入場所無印良品ネットストア
購入価格5,899円

 実はこのライト、2009年9月に紹介した卓上型デスクライト「LEDライト LE-H612B」とほとんど同じ構造になっている(いずれも製造元はツインバード工業)。LE-H612Bはコンパクトで可動域が広く、明るさも十分なのだが、光の向きを変える時には、片手で本体を抑え、片手で可動部を動かすため、どうしても両手を使う必要があった。「これが固定タイプのクランプ式ならもっと便利なのになぁ…」と感じていたのだ。

 そんなこちらの勝手な要望を、このクランプ式のLEDデスクライトは解決してしまった。クランプで固定する事によって、光の向きが片手でスイスイと変えられるようになったのだ。また、カラーもデザインも無印良品らしいスッキリとしたものに生まれ変わった。今回は、このクランプ式デスクライトについて、紹介しよう。


合計5つの可動部が、片手でダイナミックに動く

 まずは使用準備だが、とにかく簡単。机に取り付けたクランプに本体を差し込み、ACアダプターをコンセントにつなげば準備完了だ。クランプの大きさは70×50×15mm(幅×奥行き×厚み)と小型。ACアダプターも30×33×57mm(同)と小さく軽い(50g)。取付け可能な机の厚さは20~55mmまでだ。

 シャフト(アーム)の長さは320mmで、セードは195×43×17mm(同)。全体的にスリムでしかもコンパクトで、圧迫感が少なく、とてもスッキリとした印象を受ける。本体重量も310gと軽く、とても扱いやすい。

 このライトの最大の特徴は、本体に合計5つの可動部があり、ダイナミックに明かりの向きが調整できることだろう。まずセードには2つの「回転ジョイント」があり、水平に180度、さらに軸に対しては270度回転する。セードとシャフトの接合部は190度、クランプ付近も90度可動する。さらに、本体全体は360度自由に回転できる。本体がクランプで固定されているため、片手でスムーズに可動するのが快適だ。

左:机などに器具を固定するための「クランプ」。 右:ACアダプターは小型で軽い可動部は合計で5カ所。シャフトの固さ調節用のツマミがあるため、ドライバーなど工具は不要

5つ可動部の動きを撮影。片手だけで全ての可動ができた

3灯のLEDライトで3段階の調光が可能

 このようにダイナミックな可動域を持つデスクライトだが、もちろん明るさも十分に備えている。小さなセードには3灯の強力なLEDライトが内蔵されており、しかも3段階の調光ができるため、用途に合った明るさが選べる。プッシュスイッチを押すごとに、強→中→弱→切に切り替わる。

 それぞれの明るさは、セードを350mmの高さから机上を照らした場合で、「強」は1,611lx、「中」で600lxと、仕事や勉強には十分過ぎるほどの明るさだ。一方、「弱」は44.5lxと、常夜灯として利用できそうなほのかな明るさだ。

 配光範囲はおよそ新聞の1面分の範囲。もっと光の広がりが大きいLEDライトもあるが、このライトにはそれを補うだけのダイナミックな可動域があるのが強みである。

セードに「パワーLED」が3灯内蔵されているセード上部にあるプッシュスイッチ。スイッチを押すたびに点灯「強」、「中」、「弱」、「切」と切り替わる
セードを350mmの高さに設定し、スイッチを切り換えた真下の明るさを計測した。「強」は1,611Lx、「中」は600Lx、「弱」は44.5Lxだった「強」点灯の光の広がり。新聞のほぼ1面分の範囲に光が広がる。光の中心部が特に明るい

机上やくつろぎのシーンにも、ちょっとだけ明るさが欲しい場所にもお勧め

 ひととおり機能が確認できたところで、ここからは実使用シーンを紹介したい。

 まずは、デスクに固定した。クランプのスペースはとても小さいので、机の上を広々と使うことができる。セードの最大の高さは400mm程度なので、背の低いノートパソコンなら、ディスプレイの視界を邪魔することは無いだろう。キーボードも側にある資料も十分に明るく照らせた。

ライトをデスクに取り付けた様子。セードの位置は最大400mm。ノートブックパソコンなら、セードが画面を遮ることはない。固定式ライトは机上を広々と使えるただし、高さが400mmを超えるディスプレイを使っているなら、このライトは背が低すぎる

 次に、ベッドサイドに置いてある小さなサイドテーブルに固定した。眠る前の読書にも十分な明るさが得られるうえ、セードの向きが気軽に変えられるので、間接光にして常夜灯として利用しても便利だろう。たとえ安定性の低い小さなサイドテーブルに取り付けても、寝ながら片手で明かりの向きが簡単に調節できるのは便利だ。

 今度は、ソファの読書灯として利用した。ソファの脇の棚にライトを固定すると、高い位置から照らせるため、さらに照射範囲がさらに広がる。照らす距離もその分長くなるが、もともと明るいので、本を読むのにも十分な明るさが得られる。深く腰掛けても、寝転がっても、体の動きに合わせてライトの向きを自由気ままに調整でき、とても快適だ。必要の無い時は、本体をクルリと回転させれば邪魔にもならない。

直径300mmのサイドテーブルに取り付けた様子。小さなテーブルに取り付けても安定して操作ができた。就寝前の読書にも便利だろうセードをクルリと回転させれば、柔らかな間接光の常夜灯としても利用できる(写真はわかりやすくするため、わざと明るく撮影している)。寝た姿勢のまま手探りで操作できるのは良い
ソファ脇の棚に取り付けた様子。棚の高さが加わった分、照射範囲が広くなる。元々明るいライトなので、じっくり読書するのにも十分な明るさが得られた寝転がって本を読む場合でも、明かりが必要の無い場合でも、ソファに座ったまま、器具の向きを気軽に変えられる

 最後に、リビングルームにあるオーディオ専用ライトとして、テレビ台の端に取り付けた。というのも、我が家のリビングルームは、くつろぎやテレビ視聴を優先するため、普段は照明を控えめにしている。そのため、機器の操作や雑誌の番組表をチェックするには、暗すぎて不便を感じていたのだ。

 すると、これが見事にはまった。コンパクトな器具なので、必要が無い時には隙間に収め、普段は目立たなくできるうえ、明かりが必要な時には、片手でチョイと引き出して照らせるのだ。

間接光の暗めのリビングルームで撮影した。くつろぎの明るさのリビングルームでも、一時的に明るい照明が必要になる場合もあるだろう。焼いたDVDのタイトルを書き込んだり、小さな文字の番組表を確認する際、しっかりした明るさが手元にあると重宝する6~7cmの隙間があれば、コンパクトなライトはその隙間に簡単に収まってしまう

 というわけで、実際に色々な場所に固定して使ってみたのだが、デスクライトとしてももちろん、くつろぎのシーンや、ちょっと明かりが欲しい場所にも、たいへん重宝する。片手でスイスイと光の向きが変えられる操作性も、とにかく快適だ。


電気代もオトク。手元に明るさがほしいすべてのシーンに

シャフトには、製造元として「ツインバード工業」の名があった

 ところで、このライトは明るい上に電気代がとても安い点も特徴。ワットチェッカーで消費電力を実測してみると、「強」で5W、「中」ではたったの1W。さらに「弱」では1W以下になり測定不能となってしまったほど。毎日8時間点灯しても、ひと月の電気代は「強」で27円程度、「中」ならたったの5円ほど。もちろんLEDライトなので、その寿命は4万時間ととても長い。

 正直、欠点らしいものが見つからない。強いてあげれば持ち運びには向かないという事ぐらいか。とは言っても、もともと固定する器具なので、それが欠点とも言いにくい。また、5,000円強という価格は決して安いとは言えないが、その使い勝手の良さ、明るさ、調光ができる点から考えると、この価格も納得ではないだろうか。

 デスクライトとしての実力は十分で操作も快適。クランプが取り付けられる場所があるならば、さまざまなシーンに応用できる照明器具である。手元に明るさが欲しいところにこそ、一台取り付けてみてはいかがだろうか。






2010年10月18日 00:00