家電製品ミニレビュー
アルインコ「フット・バブ めぐり MCR4600」
アルインコ フット・バブめぐり(MCR4600) |
この季節、恋しくなるのが温泉だ。大きな岩で囲まれた大自然の中の露天風呂。小さな木製の屋根にともされた裸電球は、音もなく降る雪をぼんやり照らし、空から落ちてきた流れ星の様相を見せる。洗い場を彩る庭は、雪化粧をまとい、すべてがこんもり丸く白い雲のようになる。
幻想的な景色を見ながらの露天風呂は最高だ。お湯に入り体を温めると、脱衣所で凍えていた寒さがうそのように感じ、体はいつまでもポカポカと暖かい。
冬の雪降る露天風呂は幻想的で癒される |
この不景気でなかなか温泉に出かけられない! 冷え性でこの冬も健康管理に気を使いそう……という人にお勧めしたいのが、自宅に居ながらにしてバブルジェットつきの足湯が楽しめる、フットバスだ。
メーカー | アルインコ |
製品名 | フット・バブ めぐり MCR4600 |
希望小売価格 | 15,750円 |
購入場所 | 直販サイト |
購入価格 | 4,980円 |
■無料で楽しめる足湯スポットが全国に拡大中!
「そもそも足湯って何?」という人に説明すると、着衣のまま足だけ温泉に入れる施設だ。田舎にある側溝のような溝が掘られ、そこにベンチが併設されている。溝には温泉が引かれており、深さは場所によりマチマチだが、くるぶしがつかる程度の浅いものから、膝下までつかる少し深いものまである。
足だけじゃ体は温まらないだろうと思うかも知れないが、足で暖められた血液は静脈を通り心臓に循環。そこから全身にくまなく血が送られるので、30分もつかっていると体がポカポカになるのだ。その効果たるや、雪の降るような寒い日でも、足湯につかると汗ばむほど。
肩までつかる温泉と違って、その手軽さから温泉地のPR用に全国に足湯スポットは拡大中だ。たとえば駅。北海道は川湯温泉駅、青森の浅虫温泉駅、群馬の鬼怒川温泉駅、長野の上諏訪駅、東海道線の熱海駅、兵庫は山陰線の城崎温泉駅、愛媛の道後温泉駅、大分の湯布院駅、鹿児島の指宿駅など、温泉地として有名な駅には、駅前やプラットホームに足湯が設けられ、ほとんどが無償で楽しめるようになっている。
足湯がある温泉旅館もある。こちらは熱海のとある温泉宿 | 伊豆は下田港の公園にも足湯があり、年中無料で楽しめる。 |
さらに国道脇にある道の駅にも足湯が楽しめる場所がたくさんある。北海道のしほろ温泉、埼玉の両神温泉薬師の湯、千葉の三芳村、鄙の里 山梨のこぶちざわ、岐阜のアルプ飛騨古川や平成 足湯治、島根の湯の川、鹿児島の樋脇 遊湯館などなどだ。最近では高速道路のSAやPAにも併設されている場所があり、有名なのは東名の足柄SAや東京湾横断道の海ほたるPA、伊勢湾岸道の湾岸長島PAなど。これ以外にも地方自治体の管理する公園などでも、ときおり目にする。こちらもほとんどが無料で利用できる。
インターネットでちょっと調べただけでもこの通り、たくさんの足湯スポットが紹介されている |
足湯の効力が分からない場合は、自分の住んでいる地域名と足湯というキーワードでインターネットを検索して、フットバスを買う前に実際に体験するのが早いだろう。バスタオル1枚を持っていけば交通費だけで、その素晴らしさを満喫できるはずだ。とくにこれからの寒い時期がお勧めだ。
■セッティングも使い方もカンタン!
そりゃできれば観光がてら、家族と共に足湯スポットへ出かけるのが一番だが、時節柄、時間とお金がそれを許してくれないという人も多いだろう。でも足湯の気分だけは楽しみたい、そんな人にお勧めなのが今回紹介する家庭用フットバス機器なのだ。
本体のパッケージの中には、フットバス本体に加えマッサージローラーとゴム製の下敷きが入っている。
マッサージローラは一度本体に取り付ければ、以降取り外す必要はない。凹凸がたくさんついていて、通常の足裏マッサージ器と同様に足でゴロゴロ転がすとツボをマッサージしてくれるというものだ。
本体とそこに取り付けるローラー、そしてゴムマットがセット | この凹凸が足裏を刺激して血行促進を促す。自動で回転するタイプではなく、自分でゴロゴロするタイプ |
ゴム製の下敷きは、フローリングなどで使うといいだろう。強力なバイブレーションなので、床が薄いアパートなどでは下敷きを敷いて下の階に音が伝わらないようにしたい。硬めのじゅうたんや畳であれば、本体をそのまま置いても問題なさそうだが、毛足の長いじゅうたんの上でも下敷きを敷いたほうがいい。本体が傾いてしまうとバブルジェットの泡がでなくなってしまうからだ。
足拭きタオルと手元に用意して入浴(?)しよう |
本体を床に置いたら、足湯と同じで椅子をそばに置いておこう。立って入ると本体を破損してしまうためだが、足に食い込む凹凸で立ったまま入るの事実上不可能だ。
最後はお湯を入れる。適温は42℃だ。本体を流しやお風呂に持っていって湯沸かし器のお湯をそのまま入れる手もあるが、かなり重くなる。お勧めはボウルなどに水を入れ、本体に水とポットの熱湯を入れつつ温度調整するといい。
また塗れた足を拭くためのバスマットやバスタオルも手元に置いておくことを忘れないように。
■足湯にはないバブルジェットとバイブレーションで血行促進
足湯はただ温まるだけだが、フットバスには「ならでは」の機能がある。
バイブレーションマッサージ | 本体がぶるぶると振動し、凹凸が足のツボを刺激する |
バブルジェット | ジェットバスほどの威力はないが、ぶくぶくと出てくる泡が足の裏を滑る感覚が気持ちいい。足の汚れ落しにもなる |
これにお湯の温度を冷めにくくするヒーターも内蔵されているが、あくまで補助的なもの。お湯が冷めてきたらポットのお湯を入れて温度調節するといい。
これらの機能のスイッチは、ダイヤル1つにまとめられていて、次のようなモードが選べる。
スイッチ | 機能 |
OFF | 停止 |
バイブレーション | 振動マッサージ |
バブルジェット+ヒーター | 本体底から泡がぶくぶく。補助ヒーターON。 |
バイブレーション+バブルジェット+ヒーター | 振動マッサージをしながら泡がぶくぶく。補助ヒーターもON |
バイブレーション+バブルジェット+ヒーターの全部入りだと、フットバスはご覧の通り |
お勧めのモードは、全部ONのバイブレーション+バブルジェット+ヒーターだ。タイマーが内蔵されているので、1回20分の癒しタイムだが、テレビを見ながらフットバスに使っていると、体が温まってくるのが感じられるはずだ。
バイブレーションモード。規則正しい振動なので、水面が波打たず凸凹状になっている |
バイブレーションモードは、気泡が出ないタイプ。足の裏が敏感で気泡がくすぐったいという場合は、このモードを使うといいだろう。
バブルジェット+ヒーター。泡がくすぐったくて気持ちいい! |
バブルジェット+ヒーターは、足の汚れが気になる場合や角質に水分補給したりするのにちょうどいい。
いずれの場合も市販の温泉の素などを少量入れれば、薬分が作用して保湿や血行促進がさらに向上する。ただし、泡風呂の素や水にとろみの付くもの、顆粒がパチパチはじけるものなどは、気泡の出る穴をふさいでしまう場合があるので注意して欲しい。
■耳掃除をしてからフットバスに入ること!
強力なバイブレーションなので、耳掃除をしないで足を突っ込むと、耳の中がこそばゆくてしょうがないので注意。足のバイブレーションが体を伝って、耳にまで達するほど強力なのだ。
スイッチを入れる前の水面(左)は、水が入ってるかどうかすら分からないが、スイッチを入れると強力な振動で水面に起伏ができる |
この現象を逆手に取って便利に使うこともできる。子供は耳垢がたまったことに自分でなかなか気づいてくれないが、フットバスに入れてみて、しきりに耳を触っているときや、くすぐったがる場合は、まず耳垢が詰まっていると見ていいだろう。
またこれからの季節は、コタツに入ったり、ブーツを履いたりで足に汗をかくことが多い。こんなときは、ぬるめのお湯を張ってバブルジェットで軽く洗い流すと、すっきり気持ちがいい。家族に水虫持ちはいないが、予防や治療にもよさそうな感じだ。
唯一の難点は、バブルジェットを入れるとうるさいこと。空気を吸い込んでフットバスの底から噴出するので、構造は掃除機そのもの。つまり小型掃除機なみの音が出るので、アパートで夜中に使うのは気が引けてしまう。
■使ったあとのお手入れはコツさえつかめばカンタン
スイッチ類に水をかけないようにして、軽くシャワーで流すだけだ |
本体にはお湯が3Lほど入るのでかなり重い。水を捨てる場合は、お風呂の水汲みなどを使って捨てるといい。
フットバスの底にたまったゴミ類は、本体をお風呂場に持ち込んで、スイッチを上に立てた状態にしてシャワーで軽く流せば、汚れはカンタンに落ちる。
これから益々寒さが厳しくなるが、このフットバスがあれば体もぽかぽかになる癒しの時間を楽しめるだろう。夏はお湯を水にすれば、涼も取れること間違いない。
2009年12月11日 00:00