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ルクエ「スチーマー」

~いつもの鍋が蒸し器に早変わり
Reported by すずまり

ルクエのスチーマー
 先日、電子レンジで蒸し料理が作れるルクエの「スチームケース」をご紹介した。今回ご紹介するのは、同じくルクエの「スチーマー」。実はこちらも蒸し料理が作れる調理器なのだ。すでに「スチームケース」をご存じの方なら、「どう違うの?」と思われるだろう。そんな部分も含めて、製品の特徴についてご紹介しよう。

メーカールクエ
製品名スチーマー
希望小売価格8,400円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格8,400円


「スチーマー」は扱いが簡単で衛生的な現代版「せいろ」

 「スチーマー」は直径272mm、全体の高さが148mmで、スチームケース同様にプラチナシリコン製。耐熱温度は-60~260℃。蓋、二段重ねにできる容器の3点で構成されており、容器の底には小さな穴がいくつもあいている。材料を敷き詰めたら湯を沸かした直径20cmの鍋に載せ、水蒸気で加熱調理する。つまり、シリコン製の「せいろ」なのだ。色はグレーのみ。


真横から見たところ
一見、蒸し器とは分からないデザインだ
上から見た様子。蓋もシリコン製で柔らかい

容器は2つとも同じサイズ
底に穴が開いている
穴の様子

 この現代版「せいろ」が一般的な竹や木製の「せいろ」と異なるのは、プラチナシリコンで出来ているため、ソフトで扱いやすくなっている点だ。利用頻度が低いのに蒸し器を買うと邪魔になって困るし、竹や木製の「せいろ」は使わない間の保管方法を間違えてカビを発生させてしまうこともあり、衛生面で不安になる。しかしプラチナシリコン製の「スチーマー」はすぐ使え、使い終わったら洗って収納しておしまい。握りつぶせるほど柔らかいので、少々狭い場所でもOKだ。脂っこい食材でも容器に脂がしみて困ることもない。

 鍋の直径は20cmと決まっているが、割と一般的なサイズなため、多くのご家庭でご利用いただけるだろう。いつもの鍋が蒸し器に早変わりするというのもこの製品のいいところだ。

 ただし深さが約5cm、内側の直径が約17cmなので、蒸し料理の定番とも言える茶碗蒸しやプリンの容器を並べるのは少々難しい。底もシリコンでできているため柔らかく、容器が不安定になるうえ、高さも足りないケースが生ずる可能が高いのだ。また、レシピに「お皿に載せて~」と指示がある場合も大きめのお皿を入れられないというデメリットがある。


容器を裏から見たところ
片手で簡単につぶせるほどソフト。ただし刃物によるキズには注意
8カ国語で書かれ、2つのレシピが掲載された取扱説明書

 この点、「スチーマー」は容器を並べるのではなく、食材を直接入れて加熱することを前提にした蒸し器と解釈しておけばよいだろう。肉類なら直接入れれば余分な脂を落とせるという効果があるし、お皿の代わりにクッキングペーパーを敷いておけば、ペーパーごと取り出してお皿に載せて出すこともできる。しかもクッキングペーパーを外せば洗浄も簡単だ。


電子レンジ調理にはない良さを発見

 「スチーマー」を利用するには鍋とお湯が必要になるため、わざわざ鍋にお湯を沸かして載せるより、電子レンジを使った方が早くて便利だと思うかもしれない。しかし実際に使ってみると、その仕上がりに納得する。

 電子レンジ調理ではマイクロ波によって食材が直接加熱されるのに対し、蒸気をふんだんに使った蒸し料理はしっかり水分を吸収し、肉も野菜もしっとりと優しい仕上がりになるのだ。肉などは脂がどんどん落ちるので、カロリーを抑えたい人にもありがたく、ヘルシーという言葉がまさにピッタリ。

 それでは使用例をご紹介しよう。


鶏肉と春キャベツとアスパラのエスニックソース(野菜10分、鶏肉15分)

 肉を蒸してみたいと考え、試して見たのが骨付き鶏肉の蒸し物。肉だけでは寂しいので、これからが旬の春キャベツにアスパラガス、エリンギも加え、蒸し料理のレシピ本に紹介されていたナンプラーベースのエスニックソースをかけて食べてみることに。


野菜と鶏肉を用意
それぞれを蒸し器に直接敷き詰める
鶏肉は下段、野菜は上段へ

鍋にセットし、加熱
完成した鶏肉の蒸し料理

蒸している最中から、蒸し上がりの様子まで

 鶏肉にはあらかじめ塩コショウで下味をつけておいた。野菜と肉では必要な蒸し時間に差があるため、下段に鶏肉、上段に野菜と分けながらやや強火で10分蒸し、上段の野菜だけ外したあとに下段の肉だけさらに5分蒸してみた。

 すると、野菜はしっとり柔らかく、肉はぷるぷるとした仕上がりになった。野菜の上に鶏肉を盛りつけたらパセリなどを散らし、食べたい分だけ小皿に取ってソースをかける。骨付き肉は食べるのが少々面倒だが、肉が剥がれやすく、さっぱりした味わいだ。塩コショウだけでもかなりおいしい。骨付きなので、見た目もなんとなく豪華に見える。

 なお、肉を直接並べて調理する際、脂やアクの塊がスチーマーの穴をふさいでしまうことがある。洗浄するときは詰まりを見落とさないように注意しよう。


好きなソースをかけて食べる。塩コショウだけでもさっぱりして十分おいしい
鶏肉から出た脂とアクが目詰まりしていた。洗う際にはよく確かめよう
鶏肉から落ちた脂。この分だけカロリーカットに!

蒸し卵(10分)

生卵を直接蒸し器の中へ
 どうせならちょっと珍しいものをやってみたいと思いながら、蒸し料理のレシピ本(個人的に別途購入)をめくっていて見つけたのが蒸し卵。スチーマーの中に直接並べて、強火で蒸すこと10分。中がやや半熟の蒸し卵が完成した。

 1つヒビの入ったものがあったが、お湯の中で卵がカラコロと動かないので、ぶつかって割れる心配がないようだ。また浮力で黄身が偏る心配もないらしい。

 別の機会に、卵の他に一口大に切ったカボチャやにんじん、粗挽きソーセージをまるごと数本同時に入れて蒸したところ、10分程度で朝食のおかずが一気にできてしまった。朝は電化製品が大忙しの時間帯でもあり、トースターと電子レンジ等を同時に起動するとブレーカーが落ちてしまうことも。そんなときでもガスを使った蒸し料理ならパンを焼きながら他のおかずがまとめて作れる。これはかなりありがたい。


蓋をして10分加熱
完成した蒸し卵
黄身に柔らかさの残る仕上がり。蒸し時間を変えればバリエーションが楽しめる

塩鮭のかまの蒸し料理(15分)

キャベツを敷き詰めて塩鮭のかまを蒸すことに
 塩鮭のかまの安売りに遭遇したので、焼くのではなく、蒸してみることにした。ただ魚の生臭さが残る可能性があったので、間にセロリの葉を挟み、上からコショウをかけてみた。「スチーマー」は素材自体が柔らかいことや、サイズ的にも大きくはないため、お皿に入れた状態での調理がやや難しい。そこで刻んだキャベツの上に冷凍しておいた塩鮭のかまを載せ、間にセロリの葉っぱを挟んで1段だけで15分間蒸してみた。

 すると、焼くよりは味が薄く、電子レンジで加熱するのとはまた違い、ぷるんとした蒸し鮭が完成した。塩味がついているのでそのままでも十分味があり、ご飯のおかずになるが、コショウを振るとさらにおいしく食べられた。味が濃縮されないせいか、焼くよりも量が食べられる。


塩鮭はセロリの葉をはさむようにして蒸し器へ
1段だけで15分間蒸す
完成した塩鮭のかまの蒸し料理

 鍋に残ったお湯を見ると、鮭や野菜から出た旨みが溶け込んでいた。少々飲んでみたところいい出汁になりそうだったので、味を調えて、乾燥わかめと溶き卵を加えてスープにしたところ、こちらもおいしく食べられた。


鍋の湯がいい味になっていたので、乾物のわかめと溶き卵を加え、粉末の出汁で味を調えて汁物に
「スチーマー」ごと食卓へ
身がしっとりプルプルな上、塩気が落ちて食べやすくなっていた

 ただし、キャベツは鮭の生臭さをめいっぱい吸い込んでおり、そのまま食べるのはかなり抵抗を感じる状態だった。コショウを加えると食べられるが、好みが分かれるかもしれない。


肉しゅうまいと小籠包(8分)

 小さなせいろで出てくる蒸し料理といえば、小籠包が思い浮かぶ。そこで手軽に食べられる冷凍食品の小籠包と肉しゅうまいを買ってみた。どちらも袋のまま電子レンジに入れて加熱できるタイプだが、袋から出せば蒸し器でも温められる。

 500wの電子レンジなら、肉しゅうまい全部は約4分30秒、小籠包なら3分10秒。蒸し器の場合、袋から出してクッキングペーパーを敷いた蒸し器に並べ、強火で加熱する。このとき肉しゅうまいは約10分、小籠包は約8分かかる。袋のまま電子レンジにいれてしまえば蒸し器の半分以下の時間で調理できるのだが、そこであえて蒸し器を使って見るというわけ。


スーパーで購入した冷凍の肉しゅうまいと、小籠包
肉しゅうまいの蒸し時間は強火で10分
小籠包の蒸し時間は強火で約8分

 肉しゅうまいと小籠包では加熱時間が異なるため、下段に肉しゅうまい、上段に小籠包という二段重ねにして約8分加熱してみた。すると、大量の湯気の中から、しっとりと皮が輝く熱々のしゅうまいと小籠包が現れた。肉しゅうまいは目安の調理時間よりは短くなったが、十分加熱されていた。


蒸し器にクッキングペーパーを敷き、肉しゅうまいと小籠包を入れる
8分後の小籠包
8分後の肉しゅうまい

容器の下に皿を敷き、そのままテーブルへ
しっとりと蒸し上がった小籠包。残念ながら肉汁の多くが流れでてしまったが……
肉しゅうまいも柔らかくておいしい

 袋ごと電子レンジに入れて加熱するほうが早くて簡単なのは誰の目にも明らかだが、一体何が違うのか。実は皮の食感が全然違うのだ。電子レンジに比べ、蒸し器で調理したほうが柔らかく仕上がるのである。

 また、外部から大量の水蒸気が得られる蒸し器とは異なり、電子レンジの場合はあらかじめ食材に含まれている水分が命。それだけでも十分調理できるのだが、この手の食材は水分が蒸発しはじめたら食材そのものが乾燥するのも早く、蒸し器で温めたものに比べて皮が固くなりやすいようだ。作ってからすぐ食べてしまう場合はあまり気にならないかもしれないが、テーブルに並べるとなればその差は歴然と現れるだろう。同じことは肉まんの皮でも言える。電子レンジと蒸し器の違いが分かりやすい例かもしれない。


クッキングペーパーをはずすと、蒸し器はきれい
ちなみに、こちらが袋ごと電子レンジで加熱した小籠包
皮の表面が乾燥するのが早い

 なお、残念ながら小籠包が破れてせっかくの肉汁が出てしまったのだが、これは袋ごと電子レンジで加熱しても生じるもので、蒸し器のせいではないことを添えておく。


「スチームケース」か、はたまた「スチーマー」か!?

 このように、直径20cmの鍋が蒸し器に早変わりし、取り扱いも簡単で衛生的なのがこの「スチーマー」のいいところだ。蒸し料理を頻繁にする人だけでなく、たまに使いたい人にも便利なアイテムといえる。付属のレシピがないに等しいのは残念だが、市販の書籍には蒸し料理を専門に扱うものも多いので、購入しておくと非常に参考になるだろう。

 蒸し料理というのは昔からある調理方法だ。筆者の実家では電子レンジがない頃、母が蒸し器でご飯を温め直していたと記憶する。今では電子レンジが普及したことや高機能化によって、多くを電子レンジに頼るようになってしまったが、「スチーマー」を使ったことで、純粋な蒸し料理の良さを再確認できた気がする。肉も野菜もふんわり優しい食感に仕上がる蒸し料理。「ルクエ スチーマー」で本格的な蒸し料理にハマって見るのも悪くない。

 さて。ルクエといえば、やはり「スチームケース」と比較したくなってしまうだろう。「スチームケース」は「スチーマー」と同じプラチナシリコン製で、高温にも耐え、電子レンジを使って簡単に蒸し料理ができるという特徴を持つ製品だ。“蒸し料理ができる”“そのままテーブルに出せる”という点で共通しているため、どちらを選べばいいのかと疑問に感じる方もいらっしゃるかもしれない。が、答えとしてはどちらか一方に決めるものではないという印象だ。

 電子レンジをフルに活用しながら手早く調理したい方には「スチームケース」が有利だし、既存の鍋を使って、蒸気で本格的な蒸し料理に挑戦したい方には「スチーマー」が有利だ。どちらにもそれぞれ良さがある。今回ご紹介したように電子レンジで卵は蒸せないし、「肉しゅうまいと小籠包」に見られるような仕上がりの違いもある。それぞれの特性を理解しつつ、用途や好みによって使い分けるというのが正しい使い方ではないだろうか。ただし、こちらもスチームケース同様、明るい色が登場するともっとうれしいかもしれない。





URL
  コラムジャパン株式会社(国内販売代理店)
  http://www.coram.co.jp/
  ルクエ
  http://www.coram.co.jp/kitchen_lekue1.html
  製品情報
  http://c08.future-shop.jp/fs/coram/lekue_luki/62033



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2009/03/06 00:01

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