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ブラザー「P-touch190」
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子どもの頃は自分の持ち物に名前を書くのが当然だったが、大人になるにつれ、その習慣は薄れつつあるように思う。幼い頃は、父が所有していたテープライターで自分の名前を印刷してくれるようによく頼んでいたものだ。
当時のテープライターは明朝体とゴシック体のみで、飾りになるものといえば内蔵された数少ない絵文字。自分で書くよりははるかにキレイに名前が印刷できるものの、幼心にはその無機質ぶりが少し寂しくもあった。ところが「最近のテープライターは進化しているらしい」という情報を耳にした。
ちょっと調べてみると、カラフルなデザインが施された本体のものまで様々なものがある。その中から今回選んだのは文字が飾りのように「デコれる」という「P-touch(ピータッチ) 190」もの。以前取り上げた「P-touch170」の後継機種になる。
メーカー | ブラザー工業 |
製品名 | P-touch190 |
希望小売価格 | 4,980円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 3,097円 |
● コンパクトかつ高いデザイン性
最初に見て驚いたのはそのサイズ。幼少時に自宅にあったラベルライターに比べるとずっと小さくて、片手で操作できるほどの大きさだ。重さも350gで、とても扱いやすい。
今回購入したのはピンクで、パネル部分には花柄があしらわれている。もう1色はシルバーで、こちらはストライプ柄。どちらも機能は同じなので、デザインで選べるのはうれしい。前機種に比べると、だいぶ女性よりのデザインに改良されている。
「P-touch190」の入力方式は、ケータイと同じ「かなめくり方式」が採用されている。「あ」を入力したいなら「1」のキーを1回、「き」なら「2」のキーを1回といった感じだ。これならパソコンに慣れていない人でも難なく使いこなせるだろう。
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手に持つと初期のゲームボーイを少し分厚くしたような感じがする
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キー配列はケータイとほぼ同じ
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ケータイと並べて置いてみても、同じ配列だということがわかる
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電源は単四アルカリ乾電池を6本使用し、パッケージに同梱されている。またサンプルとして12mmサイズのテープカセットが1つ付属する。対応するのはTZマークのついた3.5/6/9/12mm幅のテープで、家電量販店やブラザーのHP上で購入できる。
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本体、単四アルカリ乾電池6本、サンプルのテープカセット、取扱説明書がセットされている
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裏ブタを開けてテープカセットと乾電池をセットする
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乾電池の向きは本体に書かれているイラストを参考にする
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テープカッターがついているので、ハサミは必要ない
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カセットテープは必ずTZマークのついたものを使用する
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本体の表示を見ながらカセットテープをセットしよう
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● 液晶サイズと漢字変換機能はかなり改善されている
前機種から改善されたポイントとしては、まず液晶サイズが挙げられる。「P-touch 170」では3桁までしか表示されない小さなディスプレイだったが、「P-touch 190」はディスプレイが大きくなり、前機比2倍の6桁表示が可能になった。入力可能な文字数は最大80文字なので、名前だけでなく文章も気兼ねなくラベルにできる。
文章を作成するとなると、気になるのが漢字変換をスムーズにできるかどうかだ。だが、そこは安心してほしい。P-touch 190は、JIS第一・第二水準の漢字をすべて搭載し、その上JIS外漢字を116文字備えるという「漢字に強いテープライター」なのだ。
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前機種と違い、6桁表示なので漢字変換もしやすい
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ラベルは1秒あたり約10mm出てくる
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また、前機種では熟語の漢字変換ができなかったが、「P-touch190」では熟語の変換も可能になった。「かでん」と入力して変換ボタンを押せば、「家電」と一発で変換してくれる。人名も試してみようと思い、筆者の名前である「今西絢美(いまにしあやみ)」で入力してみると、「あやみ」の部分は「あや」と「み」で変換しなくてはならなかったが、一般的なもっと名前なら簡単に変換できる。
また、「閲覧する」といった「漢字+ひらがな」の場合も、「えつらんする」と入力すればOK。キー配列だけでなく、使い心地もケータイにかなり近いものだと感じた。
● 自由自在にラベルを作成できるのが魅力
搭載されている書式が豊富なのもこのテープライターの魅力だ。書式はゴシック、さくら、ペン、ポップの全4種類。TPOに合わせて使い分けることができる。また、文字に装飾を施すことも可能で、太字、袋文字、影付き、斜体を選べるのも面白い。ほかにも39種類の飾り枠・罫線を備えるなど、バリエーション豊かなラベルを作成できる。
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絵文字はディスプレイ上でも見やすく鮮明
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記号、イラストは全部で984種類ある
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飾り枠を使って作ったラベル。文字の大きさや書体も変えられる
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● 「デコラベル」機能で文字が柄のようになる
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説明書にはすべての「デコラベル」の表記例が出ているので、これを見ながら作成するといい
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新機能として注目なのが「デコラベル」機能。入力した文字が柄のようになったオシャレなラベルを作成できる。
デコラベルのフォーマットは、かな・英数入力用が8種類、英数のみの入力用が13種類ある。かな・英数入力用はひらがなと英数を使ってラベルを作成でき、今までにない「自分だけのネームラベル」を作成できる。そもそも、ひらがなと英語がデザインとして一緒に組み込めるというだけで画期的な試みだろう。
英数のみの入力用になると、ネームラベルらしく見えるものもあれば、一見するとネームラベルには見えないようなデザイン性の高いものまででき、こちらもかな・英数同様にオリジナリティあふれたラベルが作れる。今までは泣く泣くカタカナで表記していたものでも、このテープライターなら思う存分英語でラベルを作れるはずだ。ただし、デコラベルは12mm幅のテープでしか利用できないので注意しよう。
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こんなにオシャレなラベルが簡単に作れる
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英数表記のみのほうがスタイリッシュな印象を受ける
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本機種には「プレビュー」機能があり、印刷前の状態を確認することができるのだが、デコラベルについては出来上がりの柄までは確認できない。デコラベルを作る場合のプレビュー画面で確認できるのは書体と入力された文字だけだ。
プレビュー機能が便利なだけに、柄まで確認できないのは少し残念な点だ。
● 「できてる!ラベル」機能を使えば楽ちん
あまりに機能がたくさんありすぎて、センスのいいラベルを作るのが難しそう……そう思う人がなかにはいるだろう。何を隠そう、筆者もそのひとりだ。たくさん機能があるとあれもこれもと使いたくなり、結局仕上がりを見ると「うーむ……」と唸ってしまう残念な出来栄えだったりする。誰かにメッセージとしてひとこと添えたいなら、「できてる!ラベル」機能を利用しよう。
この機能は、あらかじめ登録されているデザインを選んで印刷するだけで、センスのいいラベルが作れる。フォーマットは全68種類あり、ジャンルはお礼、お誕生日、ギフト、クリスマス、注意、ゴミ分別、ジョークに分けられる。一番多いのはギフトの24種類で、子どもや女性が喜びそうなかわいらしいデザインのものから、目上の人や落ち着いた雰囲気を好む相手に向けたシンプルなものまで揃う。
「できてる!ラベル」もデコラベル同様、12mm幅のテープのみで使用できる。また、この機能では文字や記号を入力することは一切できない。もし気に入ったデザインのものがあれば、既存のものを真似しながら自分でそれに近いものを作ってみてもいいだろう。
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最初からフォーマットが用意されているので、印刷ボタンを押すだけでいい
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ラベルは裏紙が剥がしやすいよう、上下にわかれている
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作ったネームラベルを手帳の裏表紙に貼ってみた
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パンフレットの整理にもピッタリ
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文房具に貼っておくと、ほかの人のものと間違えない
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● テープを使い分けると印象が変わる
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「デコラベル」もテープのカラーを変えるとポップな印象になった
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最初はサンプルとして同梱されていた白地に黒文字が出てくるラミネートテープを使用してみたが、この「P-touch190」にはたくさんの種類のラベルが用意されている。今回は家電量販店で「おしゃれテープ」のベリーピンクとライムグリーンを購入した。どちらも5mで1,260円と、8mで1,260円の通常のラミネートテープに比べると少し高い。
しかし、テープの色が変わるだけで印象もがらっと変わる。「デコラベル」や「できてる!ラベル」はテープの色を変えるとかわいらしさが増した。出来上がったラベルのポップさが見ていて楽しくなり、思わずたくさん作ってしまった。
また、「P-touch190」のプレミアムサイト上ではインテリアコーディネーターがさまざまな活用法を紹介しており、「こんな使い方もあったのか!」の感心するものばかりだ。
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「できてる!ラベル」はメッセージカードに貼ってもピッタリ
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仕事で使っている無印のノートにワンポイント入れるだけでも華やかに
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いろんな活用の仕方があって楽しい
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● 子どもだけでなく大人も欲しくなる高性能テープライター
テープライターといえば、名前を打つだけの道具と考える人もいるかもしれない。しかし、この「P-touch 190」は大人も使いたくなる機能が満載だ。会社勤めの人なら書類の整理だけでなく、隣の席の人に借りたファイルに「Thank you」のシールを張ったメッセージカードを添えて返すといった小ワザを利かすことができる。また、家庭で使うのなら調味料のボトルに貼ったり、手作りしたジャムの瓶に「For you」のコメントを貼ってプレゼントしたりというのもアリだ。
使い手によって利用シーンの可能性が広がるテープライターは、“ちょっと気が利く”アピールをさりげなくできる。今年は「他の人と差をつけたい!」と考えている人にオススメしたい。
■URL
ブラザー工業株式会社
http://www.brother.co.jp/index.htm
製品情報
http://www.brother.co.jp/product/labelwriter/info/pt190/index.htm
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2009/01/28 00:00
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