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家電製品ミニレビュー
三洋「TEL-LANW60」

~緊急地震速報サービスに対応したコードレス電話機
Reported by 清水 理史

数秒が分ける初動の大切さ

三洋の緊急地震速報対応コードレス留守番電話機「TEL-LANW60」
 先日、損害保険関連の仕事に携わる友人から、緊急地震速報についての興味深い話を聞いた。

 緊急地震速報は、気象庁によって昨年2007年10月1日から一般への配信が開始された地震の発生を知らせるサービスだ。震源に近いところで計測した初期の揺れのデータを解析し、その後の揺れが利用者の住む場所まで到達する時間や震度などを推定して、可能な限り素早くパソコンや専用端末に知らせるサービスとなっている。

 一般的な家庭でも、このサービスを利用することで本格的な揺れの前に火元を止めたり、避難するといった対策ができるのだが、先の友人の話によると、工場などでは被害を最小限に抑えるという効果に加えて、稼働再開を早くできる可能性があるという効果もあるというのだ。

 工場などの場合、地震が原因で人が負傷した場合、工場を再開する前に、どこで、どういった理由で負傷したのかを現場で詳細に検証しなければならないうえ、今後負傷しないようにするにはどうすればいいのかという対策を練る必要があり、場合によっては稼働が遅れてしまう。

 しかし、緊急地震速報などによって、仮に人だけでも素早く避難して被害を免れれば、機械だけの損害で済むため、より短い期間で工場を再開できるというのだ。

 なるほど、地震の本格的な揺れを数秒前に知ることができるというのは、被害を未然に防げるというその場の対応だけでなく、その後の復旧にも大きな影響を与えるのだと感心したところだ。

 それはさておき、やはり家庭でも、地震の揺れの前にいろいろな対応ができれば、火災などの二次被害を防止したり、そもそも負傷などの被害に遭わずに済む可能性が高い。そこで、手に入れたのが、三洋のデジタルコードレス留守番電話機「TEL-LANW60」だ。

 緊急地震速報サービスに対応した電話機で、地震発生時にその規模や揺れが到着するまでの時間を表示と音声で知らせてくれるのが特徴だ。

メーカー三洋電機
製品名TEL-LANW60
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格31,500円


子機と電話回線、LANを結ぶ親機
側面

背面
子機

「高度利用者向け緊急地震速報」に対応

気象庁の緊急地震速報に対応。そのしくみなどはホームページで参照できる
 このTEL-LANW60は、一見した限りでは普通のコードレス留守番電話だ。いわゆる親機と子機という構成ではなく、通話機能を持たないボックス型の親機に、2台の子機が付属したモデルとなっているが、普通に電話回線につないで電話として利用することができるようになっている。

 もちろん、電話としての基本的な機能はきちんと備えており、ナンバーディスプレイやキャッチホンなどの各種サービスに対応しているうえ、留守番電話の機能も搭載している。オプションのドアホンユニットなどの利用によってドアホン連動機能も使えるなど、電話としての実力も十分な製品だ。

 そんなTEL-LANW60だが、最大の特徴は、前述したとおり、気象庁の緊急地震速報サービスに対応している点だ。それも、「高度利用者向け緊急地震速報」に対応している。

 緊急地震速報には家庭向けの「一般向け緊急地震速報」と交通機関やエレベータ工場など向けの「高度利用者向け緊急地震速報」の2種類が存在するが、TEL-LANW60が対応している「高度利用者向け緊急地震速報」では、具体的な推定震度と猶予時間が通知されるようになっている。

 一般向け緊急地震速報はテレビやラジオなどでも表示されるが、電源を入れ、視聴している時にしか速報を知ることはできない。これに対して、TEL-LANW60は常に電源が入っているため、受信した緊急地震速報をいつでも知らせることができる。しかも「高度利用者向け」の速報なので、一般向けでは分からない推定震度や猶予時間が、いつでも具体的にわかるようになっているわけだ。


NTTコミュニケーションズが提供するサービスへの加入が必要

 といっても、TEL-LANW60を電話回線やLANに接続しただけでは緊急地震速報を受信することはできない。緊急地震速報を受信できるようにするには、サービスへの加入と設定が必要になる。

 具体的には、NTTコミュニケーションズが提供する緊急地震速報サービスを利用する。このサービスは、OCNの接続サービスおよびIPv6サービスを利用中のユーザー向けとなる「OCN緊急地震速報」と、NTT東日本・NTT西日本のフレッツ光、またはフレッツ・ADSL利用中のユーザーであればISPを問わずサービスを利用できる「緊急地震速報 フレッツタイプ」の2種類があるが、今回は後者の「緊急地震速報 フレッツタイプ」を利用した。

 初期費用2,100円(2008年12月31日まで期間限定特典で無料)、月額利用料525円が必要になるうえ、申込時にBフレッツのお客さま番号(COPやCAFではじまる番号)、さらに接続する機器のMACアドレス(TEL-LANW60の設定画面で確認可能。このアドレス宛に速報が配信される)が必要になるが、ホームページからオンラインで申し込みを行なうことができ、申し込み後数時間でサービスの利用ができるので、事前に申し込んでおくと良いだろう。


利用にはNTTコミュニケーションズが提供するサービスへの申し込みが必要 申込時に回線のお客さま番号や機器のMACアドレスの登録が必要

フレッツタイプのサービスを利用する場合は緯度、経度、地盤増幅率を入力するだけ。実際の値はリンク先のサイトを利用して住所から検索できる
 なお、いずれのサービスもIPv6の利用が必須となる。緊急地震速報は、いかに速く、多くの人に情報を通知しなければならないため、ほぼリアルタイムに情報を通知できるIPv6のマルチキャストを利用して情報を一斉配信しているというわけだ。

 サービスに加入したら、その情報を電話機に登録する。登録方法は子機を使ってボタン入力する方法とPCからブラウザを使って設定する方法の2通りがあるが、ボタン入力は手間がかかるうえ、記号の入力などにも制限があるため、PCから設定した方が手軽だ。

 子機から親機の設定情報を参照し、自動的に割り当てられたIPアドレスを確認。ブラウザから「http://192.168.0.xxx」などのようにIPアドレスを指定してアクセスすれば設定画面を表示できる。

 なお、初期のファームウェアでは特定のブラウザから接続できなかったり、設定画面の表示が不安定だったが、最新のファームウェア1.0.6では改善されている。

 設定画面を表示できたら、「緊急地震速報」の設定画面で「サービス種別」を選び、サービスの利用に必要な情報を入力する。この設定には、受信する場所の緯度と経度、および地盤増幅率という聞き慣れない値を設定する必要があるが、設定画面のリンクから住所を入力して調査可能なので、さほど迷うことはないだろう。

 ちなみに、OCN緊急地震速報を利用する場合は、契約番号やパスワードの入力が必要だが、フレッツタイプの場合は入力の必要はないので、この設定だけで完了だ。


音と表示で通知、緊急時にはライトにもなる

 標準設定では震度3以上の地震を通知する設定になっているうえ、実際に地震が起きないと通知されないため、今回はTEL-LANW60に用意されているテスト機能を使って、通知の様子を再現してみた。


通知の様子。画面とライト、音声で知らせてくれる

 動画の音量にも注意して頂きたいが、他の部屋からでも聞こえるほとの大音量で地震の発生と揺れが到着するまでの時間が通知され、子機の画面に震度を表示しながら、ボタンランプや上部に取り付けられたライトを点滅させ、さらに音声でのカウントダウンが開始される。

 テストは30秒前の通知なので、かなり余裕がありそうに思えるのだが、実際に試してみると果たして火元を消す余裕や避難する余裕があるかなぁと思えるほど、あっという間に時間が経過してしまう。

 夜中に寝ぼけていたら、さらに対応は遅れてしまいそうなので、可能ならいざというときに備えて訓練をしておいた方がよさそうだ。

 ちなみに、TEL-LANW60の上部には小型のLEDが内蔵されており、ボタンを長押しすることで簡易のライトとしても使えるようになっている。速報が通知されたら、電話機を持って避難するというクセを付けておくと安心だろう。


画面は赤く点灯する
緊急時には簡易のライトとしても使える

 また、緊急地震速報をメールで知らせる機能も搭載されており、たとえば通知受信後、携帯電話にメールを送ることもできる。しかし、通知を受信してからメールが届くまでには10秒ほどのタイムラグがあり、場合によっては事後通知となってしまうこともある。

 メールは「一言メール」という家の電話から携帯電話などに「帰りました」、「電話下さい」などのメッセージを送るための機能にも使うので、緊急地震速報というよりは、こちらのための機能だろう。


メールでの通知機能も搭載
このようなメールをPCや携帯電話に送信可能

 もちろん、すべての地震が通知されるわけではないうえ、通知から揺れが到着するまでの時間も震源地からの近さなどによって異なる。このため、これがあれば必ず地震から身を守れるというものではないが、いきなり「グラッ」と揺れてパニックになるよりは、たとえ数秒前でも心の準備ができるだけでも、その後の対応に違いが出るはずだ。

 普段は普通の電話機とし使えるうえ、LAN接続を活かしてPCから電話帳を編集することなどもできる。電話の買換えを検討している人は、万が一に備えるという意味でも、本製品の購入を検討すると良いだろう。





URL
  三洋電機株式会社
  http://www.sanyo.co.jp/
  製品情報
  http://www.e-life-sanyo.com/telfax/tel/TEL-LANW60_W_point1.html

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三洋、緊急地震速報を音と光で知らせるコードレス電話機(2008/06/10)



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2008/12/11 00:01

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